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俺と聖女でひとつの身体  作者: 天川 和
世界解明編
99/268

98:そして聖女とひとつの身体


 フェイゼノルン邸にて寛ぐ面々。あの時から数日が過ぎていた。あの結末には色々と思うことがある様子だったが皆が納得してくれた。俺は恵まれている。良い仲間に巡り合えた。


 そう考えれば俺の二度目の転生は間違いで無かったと思える。


「それで?女神さまは何と?」


「ああ、条件を呑んだよ」


「これで、ファウ様も大悪党ですね?」


 レムリはそう言って笑った。思い返せば一番理不尽を被った被害者だ。それでいて何もなかったかのように接してくれる。正に聖女。

 いや、むしろレムリが女神をやればこれ以上ない世界が完成するのでは?


「ニージェ殿も理由が必要だからね。お兄さんは理由を与えただけだよね?」


 ルクスがお茶を啜りながら答えた。ソフィアに破壊されたルクス邸は元に戻った。ここに居る理由が無いように思えるが……。


「ルクス、隠れ家が直ったのに何でここでお茶飲んでいるんだ?」


「勿論、お兄さんの傍に居たいからだよ?」


「嘘はいい。本当の理由は?」


「決まってますわ、アレでしょ?」


 スタアが庭で遊ぶ子供を指す。結果的に幸運だったのはスタアとの存在が誕生したことか。その存在を救うことが出来た事が俺の唯一成せたことだ。他は一人では成し得なかった。


 そこには庭で遊ぶ子供二人とリリス。例の子供たちだ。


 結果から言おう。八翼は他の世界同様に『過去の世界』『未来の世界』の存在する普通の世界となった。


「今、俺には八つの宝珠がある。要求が聞き入れられない場合は世界を改変する魔人となる」


 ……と女神に告げた。勿論、本気ではない。神と戦争なんてまっぴらだ。


 だが、それは仕方ないわ……との理由にはなる。


 女神は()()、そう……()()、普通の世界へと戻したのである。俺は女神を脅した大悪党となった。


 だが、子供たちは消えなかった。独立した存在として既に確定していたのだ。九つ目の世界そのものである子供達。ソレが如何なる存在か?


 二人はレムスタリアが預かることになる。


「ファウ様?いつまでもあの子達では不便ですね」


「まぁ、な……」


「名前を付けて差し上げては?」


「俺が?」


「はい、わたくしとスタアちゃんの様な繋がりの切れない名前がよろしいかと」


 レムリとスタアでレムスタリアとしたあの時の記憶がよみがえる。


「それもいいか……考えてみるよ」




 俺は目の前の二人に声を掛ける


「ところで……お前達」


「何かな?」

「何でしょう?」


「ここで何してる?」


 そこにはソフィア=ヴァルキュリアとメルチ=ヴァルキュリア。


「そっちの話しは済んだのか?では、本題だ。これを……」


 そう答えて紙をだした。


「これにサインを」


「何だ、これは?」


「知らぬのか?婚姻届けだ」


「いや、知ってるよ。俺が聞いてるのは何故それに俺がサインしなきゃならないかだ!」


「これでも帝国の序列一位でな。内縁の妻では聞こえも悪いし世間体もある」


「私はソフィア様のお世話の為です」


 うん、話しが噛み合わない。予想は付く。リリスが余計なことをした。間違いない。


「そういった事は、本妻を通してください」


ディアレスが現れた。


「ね?レムスタリア様?」


「「本妻、本妻……」」


相変わらず、息ピッタリだな。お前ら……。




「ファウ、どういう事よ?婚姻届けとかバカなの?」


 葵が会話に入って来た。


「そう言えば、お前。神国に手紙を出したそうだな?」


「うん、まぁ……」


 どういった心境の変化か……。


「……和解、出来るといいな」


 葵は何も言わなかった。ルクスのお代わりの声に立ち去る。




「そうですわ、クローリアがファウ様にお会いしたいと」


 リテリさんが声を掛けてきた。クローリア?たしか、第一聖女候補だった女性。『太陽の聖女』。


「何で、俺なんかに?」


「ファウ様に用となれば、恐らくは……」


 『解呪』だろうな……。『太陽の聖女』は別名『厄災の聖女』。その力は敵も味方も焼き尽くす。正に呪いだ。


「分かったよ。場所や日時は任せていいかな?」


「はい、ファウ様」


 その話しを聞いていたルクスは思う。また増えるのか……と。




「ファウ様、そろそろお時間です」


 もうそんな時間か。


 今の俺は肉体を得ている。しかし、それは呪われたときのボルトと同じだ。魔力が尽きると消滅する。ロクヌスを使いレムリに戻る事は何故か全体一致で却下された。


 となると、魔力の充電をして貰わねば消える。そして、それは当番制になった。


「みんなの希望を取り上げた結果、これが一番と判断しました」


 今日はレムリの当番だった。



 そして俺はレムリの中で思う。


 始まりは聖女の身体に入れられた事。


「ファウ様?何を考えてました?」


「レムスタリアと出会った頃のことだ……」


「……偶然ですね、わたくしもです」



 何故か自分の身体より落ち着く……。そして、俺は平穏な日々を手に入れた。













「お、お兄ちゃん、大変だよ!!」


 リリスが駆け込んできた。


「バルド様、どうかお力添えを!」


 リセルナ?何故ここに?


「消滅したはずの六翼世界が四翼世界に宣戦布告!攻め込んで来ました!」


「「「「!!」」」」


 どうやら、この集まったパーティーの役割は終わっていないらしい。


 俺の平穏は、まだ先の事だった。





一応の完結です。読んでくださった方々に感謝したします。ありがとうございました。続編など今のところ予定はありません。外伝ぽいものはあるかも知れません。と思ったのですがディアレスとディア=レスの関係が丸々抜けてました。さて、どうしましょう・・・

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