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俺と聖女でひとつの身体  作者: 天川 和
世界解明編
89/268

88:疑問は謎のままに出来ない(リテリ) 


 ファウ様、わたくしは貴方の成そうとした事の力になれたのでしょうか?


 子供の時、『魔女の呪い』から救ってくれた少年。


 約束とも言えないような約束で、『魔女』でありながら『聖女』を目指した。


 今考えれば、無謀としか言いようがない。


 助けてあげると約束しながら、果たせなかった。


 ファウ様は、黒い霧となって消えてしまった。



 でも、全て終わってこうしてみると、わたくしには疑問が残る。


 それは、『決まり事(ルール)』についてだ。


 誰がつくったものなのか?


 それは神、若しくはそれに近い存在で間違いない。


 では、それらは何故つくられたのか?


 つくられたからには理由がある。


 物事を円滑に進めるためだったり、快適に過ごすためだったり、秩序を守るためだったり。もしくは、()()()()守る為……。


 思えば『決まり事(ルール)』だと言われたら疑いもせずに納得してしまってた。何故なら、それが既に『決まり事(ルール)』だから。


 ……けど、『決まり事(ルール)』だとされた明らかな嘘。



魔王が死ぬと世界は消滅する。



 宝珠を奪おうとしたルクスが『聖女リセルナ』へと近づき、ファウ様に濡れ衣を着せようとした。ファウ様はリセルナを助け、『宝珠』を奪って逃走……と短く纏めるとそんな『嘘のシナリオ』に使用された『偽ルール』。


 でもこれは本当に必要なことだったのだろうか?『偽ルール』を設けないと実行不可能なシナリオだったろうか?


 この行為が及ぼした結果は『決まり事(ルール)』を地に貶めた。『決まり事(ルール)』を信用できないモノへと変えてしまったのだ。



 でも……二人の狙いが初めからソレだったとしたら。


「この世界の『決まり事(ルール)』で最も重要なものと言えば……それは……」


 リテリはメモを見ながら考えていた。




 ガチャン!!


 カップが滑り落ちて割れた。


「リテリ様?いかがされました?」


 ドアの前から葵の声がする。


「お茶を零しただけよ。心配しないで。代わりをお願いするわ」


「かしこまりました」



 コン、コン、コン


 新たなお茶を準備した葵がノックする。


「はい」


 リテリの声がした。


「お茶をお持ちしました」


「入って葵。ごめんなさいね」


 ドアを開け中に入る。


「失礼します……リテリ様?」


 そこにリテリの姿は無かった。今、声がして、今、開けたのに?


「リテリ様?リテリ様!」


 絨毯は染みになっていた。何時間も前にいや、何日も前に零したお茶が乾ききったように。


「え?」


 では、では……私は今、誰と話したの?


 窓の外は月が出ていた。


 ()()()()は立ち尽くす葵を照らす。


 そして、足元のメモを見つける。




 決まり事


 奥に行けば行くほど遺跡物のレア度が上がる。


 月は魔女の魔具にして唯一単体。重複しない。


 剣や盾では魔法は防げない。魔力の総量が同じならば相殺できる。


 六翼世界が滅んだことで宝珠は移動すると確定。


 虹の聖女でも魔力合成にて同じ色から名称の違う色を作れない。


 血は魔力で生成しても時が来れば消滅する。


 時間へは干渉できない。


 ・・・・・・・・・・・・・


 ・・・・・・・・・・・・・


 ・・・・・・・・・・・・・


 ・・・・・・・・・・・・・




 後半は、魔王と、勇者に関する事だった。



「リテリ様、何をされていたのですか?そして何処へ?」



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