87:疑問は謎のままに出来ない(レムリ)
ファウ様が亡くなって七日が過ぎました。
もう以前のように取り乱したりしないし、出来ない。
ファウ様が見守ってくれている気がするから。
皆は気を使ってファウ様の話題は出さないけど、皆だって辛いはず。
特に大好きなお兄さんを二度も亡くしたリリスちゃん……。
早く元気になってくれるといいけど……。
わたくしには今回の『魔人事件』に一つの疑問があります。それだけはどうしても信じられないこと。
確かに、嘘だらけで、嘘に嘘が重なって何が本当か分からなくなりそうだけど、これだけは嘘だと言える。それは……。
わたくしが呪われたのはルクスちゃんが『呪った』と言う事。
そして、それをファウ様が知ってた事。それが物語の始まりだと言う事。
これだけは明らかな二人の嘘。
ファウ様との出会いは、今でも思い出せる。わたくしの中に現れた男の方。
あの時のファウ様は、現状を理解しようと必死だった。もし、知って演技していたならもっと上手くやれますよね?ファウ様なら。
それこそ、『解析』で分かった。お前達は二重人格だ。そして呪われているな?さぁ、解呪するぞ……とでも言えば済む話です。
だから、それは嘘。
今回の事件を考えもなく、何気に紙に書いてみた。
大事な事
魔王がレムスタリアを呪う。←きっと嘘?
最後が近づきギリギリでファウ様がレムスタリアの中に転生
レムスタリアの解呪成功
ルクス邸がフェイゼノルン邸の隣に。
何故かスタアちゃんの着替えを忘れるファウ様。←わざとなの?
レムスタリアの検査が終わり学院に復帰。
無理にレムスタリアを演じたファウ様が決闘の証を拾う。
リリスちゃんと決闘になる。
ここまで書いて、血の気がひいた。
「なに……これ……」
わたくしは紙を手に取り自分の書いた文字の頭だけを読む。
「だ、ま、さ、れ、る、な、れ、む、り」
窓が絞まってるはずなのに風が吹いた気がした。
(ファウ様?ファウ様?なのですか?)
(やっぱり、まだ、何かあるんだ。この世界には嘘の続きがっ!)




