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85:魔人バルドVS魔神ボルト(2) 


 かつて、ひとつの宇宙があった。その中の太陽系第三惑星「地球」。その中の国、日本にそいつは現れた。


 地球の人口100億。食糧問題はもはやなく、無理だと思われていた各地の紛争も平和的に解決し『奇跡の時代』と呼ばれる。核はもはや前時代のエネルギーと化し、科学の革命と呼ばれた時代。超能力と言われたモノのメカニズムも科学的に解明され始めた時代。


 そこに、規格外の能力者が現れた。そいつが元々『ニッポン』に居たのか、別の何処かから来たのかは分からない。ただ、本当に規格外の能力者だったのだ。



 高度な情報伝達網にてその存在は前世界が知ることとなる。様々な能力を見せるそいつに世界が歓喜した。調査チームにも協力的で、人当たりも良く好人物。


『物語の主人公』

『神の子』

『エイリアン』

『未来から来た者』

『異世界転生者』


 他にも様々な呼ばれ方をしたが、『ラノベ』というひとつ文化があった日本では『異世界転生者』が定着しつつあった。


 なるほど、チート能力転生者が来た世界の住人とはこんな気持ちなのかと……。みんな、ワクワク感を抑える事が出来なかっだろう。


 そう、だが……それは平和的な者だったら……だ。


 その規格外の能力が自らに向けられる可能性を人々は考慮していたのか?




 地獄はそこから始まった。行き成り世界に牙をむいたそいつは虐殺をはじめたのだ。


「飽きた」


 それだけの理由だった。


 主力戦力が航空戦力の人類は成すすべが無かった。


『重力操作』


 飛ぶモノは落ちる。


この法則に当てはめると、攻撃手段は物理で直接殴るしかなかったのだ。だが、殴れたとしてそれが何になっただろう。


 ただ一人の能力者に高額な兵器の数々はゴミと化す。



『ワールド・サーチ』



 それは天界から下界を見る神の目だった。全知全能とはいわないが全てを見る事だけは可能だったのだ。



『不戦勝』



 全てにやる気の無くなる無気力化。生きることにさえ。


 地球の人々は静かに確実に死んでいった。



 だが、足掻くのも人類。


 奴から得た情報、現状の科学、物理学、生物学、異能学、機械工学、遺伝子工学……。全ての人類の英知を結集したモノ。


 ひとり、またひとりと脱落していった。


 奴の目から隠すために、今回の様に偽の物語を作り上げ、多大な犠牲の上で完成させた一筋の光。



『魔神システム』



 それは、先天的『スキル』を破壊する。本来その体が持っているスキル情報を遺伝子的に排除する者をつくる。


 ただ、それだけの目的で生み出された『希望』だった。


 だが、遅すぎた。



 そう、そいつが最終的に行ったのは世界の破壊。言い換えれば宇宙の破壊だ。


 重力を使い超高温、超高密度を一気膨張させる。ビックバン。それによって俺の居た世界は過去の古い宇宙となった。


 ファウ=ボルトが『魔神』と言われる所以だ。少なくとも、ひとつの宇宙を滅ぼし、ひとつの新しい世界を誕生させたのはこいつだ。


 だからこいつは規格外なのだ。神にも等しい、チート能力者。



「これで、人格が備わっていれば神にもなれただろうに……」


「神ぃ?それはやったら楽しいのか?悲鳴はきけるか?」



「最後にひとつきいておきたい」


「なんだよ?」


「六翼の世界を滅ぼしたのはお前か?」


 魔王ルクスが『宝珠』の保護を決定したときに分かったこと。


 あの時……。


 一翼へは魔王ルクスが。

 二翼世界へはリテリが。

 三翼世界にはリリス向かった。

 四翼世界ではスタアがレムリを探して残り。

 五翼世界へは葵が。


 そして、六翼世界は残念ながら消滅していたのだ。ディアレスが手に入れた宝珠は六翼の物だと判明する。


 七翼はディアレスが向かう。

 八翼へは何故が四翼の勇者一行が向かう。


 魔王が死ぬと世界が滅ぶ……はフェイクなのだ。これはルクスとディアレスが認めている。魔王討伐に成功していた六翼世界は、その時点では滅んでいなかった。。


 ならば、六翼が消滅していた訳とは……。



「……ああ、俺だよ。勇者はストレスが溜まるんでね」


 一瞬の間の後、ボルトはそう答えた。


「……もう、いいよ。はじめようか」



『グラビティー・フィールド』!!


「『ナロナの増減』!!反転する!!」


ボルトの重力結界を中和、無効化する。


「無駄だ」


「っ!!」


 ボルトは空中へ飛ぶ。翼を持たぬ者が空を飛べるのは『魔女』だけだ。だが、重力操作がそれを可能にする。俺はボルトを見上げた。


「いい気になるなよっ!」


 ボルトが叫んだ。


「この世界も、消してやるよっ!!」




「『ゼギルの空移』 !! 」発動する!!


 黒い粒子が渦巻く。ソレは『呪い』の配列が壊れた証。


「『ジェムの光動』 !!」 発動する!!


 黒い粒子が渦巻く。左肩がはじけ飛んだ。


「『タロスの巨腕』!! 」発動する!!


 黒い粒子が渦巻く。目が潰れる。視界がゼロになる。


「『ギンガルの超星』!!」発動する!!


 黒い粒子が渦巻く。音が途絶えた。聴覚が死んだ。


「『スピルの金剛』 !!」発動する!!


 黒い粒子が渦巻く。感覚がなくなる。立っているのかさえ分からない。

 

「『ネルの界断』 !!」発動する!! 

 

 黒い粒子が渦巻く。五感が失われ、標的が分からない。


(ディア)

(はい、マスター)

(頼めるか?)

(勿論です、マスター)


ソレは過去に一度ファウ=バルドが魅せた『呪い』の連鎖使用。


「飛翔する!」

「神速する!」

「剛力する!」

「神撃する!」

「神鋼する!」

「超魔する!」


そして、全てを


『集約』する!!


拳を振りぬいた。ただそれだけだ。



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