49:魔王ルクスは語る
魔王ルクスは語る。今までの経緯、そして今回のことを。
まず私の配下の『魔王軍四将グニス』が独断専行で決まり事を無視して『第三聖女』を『呪』ったの。
『魔王系』の呪いは『勇者』以外の直接『解呪』は不可能だよ。あらゆる手を尽くしても『勇者』が復活していない状態では『解呪』は不可能なんだよね。
そこで『神』が、『たまたま』『転生』する予定だった『お兄さん』を『第三聖女』の中に送る。ところが『お兄さん』は『たまたま』『解呪』の専門家だったんだよね。
『神』は『聖女の宝珠』を体内に持つ『第三聖女』を助けたかった。それは分かるよ。でも、タイミングが合いすぎるよね?
『お兄さん』はその日の内に『解呪』を成功させて、別人格の『スタア』お姉さんも消滅しないように別の身体まで用意して頑張った。まぁ、そんな二人がお兄さんに淡いけど特別な感情を持つのは理解できるかな。
ふたつめ
これは、もっと単純。
復活もせずにず~と『神』の場所でお兄さんをストーカーしてた『勇者』様がお兄さんの『サポートスキル』となって付いてきちゃった。まぁ、恋は盲目とやらで怖いくらいにお兄さん一筋な『勇者』様。前世の子供のころから付け狙ってたんだからすごい執念。むしろ怖いよね。
ただ、凄く強いのにお兄さんのピンチには知らん振り。お兄さんがピンチになるのを見て楽しんでるとかなら怖すぎる~。
そもそも『魔王軍四将グニス』の『呪い』が『解呪』されなかったのはこの『勇者』様がお兄さんばかり追いかけていたせい。これでも『八翼の勇者』様。
本当、『たまたま』『勇者』様の復活が遅れただけ。
みっつめ
『お兄さん』の『妹』の『リリス』お姉さん。
『構築』で『リリスの口付け』を作って『お兄さん』を死なせてしまってる。『お兄さん』の本来の目的は妹に会うことだったね。再会出来たのは良いけど『決闘』の場。
これも『たまたま』お兄さんが決闘を間違えて受けてしまい、『たまたま』交換留学生の『リリス』お姉さんが代理で決闘して再会出来たね。
お兄さんはリリスお姉さんの『呪い』を『解呪』して無事、兄妹は一緒に暮らしてる。リリスお姉さんはお兄さんが大好きで『リリスの口付けを』作って、自分にキスしてもらおうと、いたずらしたくらいだから現状は『勇者』様と同じくらい好きとみていいよね。元々他人だし、倫理的にも問題ないかな?
でも、考えてみて。
『たまたま』『リリスの口付け』でお兄さんを死なせなかったら、どうなっていたのかな?
よっつめ。
『葵』お姉さん。
『星読み』に『勇者』が世界を壊すと出てしまい、また、自分の『死』も暗示され『八翼の勇者』を亡き者にしようと王都を訪れた『呪いの真巫女』。
『たまたま』王都で『お兄さん』に顔の呪いを解呪してもらい、可愛い顔に戻れるけど、この出会いもおかしいよね?どんな確率よって思う。
戦いになっても何か不自然な終わり方しているのよ。気が付いたかな?
100の呪いをぶつけ合い残り一つになったらしいけど……。
私からすれば何かしっくりこないって言うか、分かりやすく言うとね。
『最悪の終わり方にならないように都合の悪い部分は飛ばされた』
何故そう思うかって?お兄さんの『呪い』には単発でも凄いのがあるじゃない?『葵』お姉さんにあれと同じ効果の『呪い』があったとは思えないからよ。『葵』お姉さんはどうやって打ち消したの?
そう思ってしまったら『聖女』『戦乙女』のときもあれ?って部分があるのよ。そこにあったはずの場面が切りとられて繋げられた不自然さ。嘘と思うなら思い出してみて。私が思うに……それは誰かの死が確定した場面。
まだ、想像の域を出ないからもう少し話を進めるわ。
いつつめ。
私の憩いの場を壊した『戦乙女』との戦い。
『たまたま』私に挨拶に来たお兄さん達によって、この私『魔王』が巻き込まれるのだけど……どう思う?
そして、『たまたま』お兄さんが『第三聖女』の身体より引きずり出される。
もうっ!ここはそれこそ、納得できないことのオンパレード。有り得ないことの連続だったのよ?
一番は、あれよ。『リリス』お姉さん。
『お兄さん』の肉体を創ってしまった『構築』。
本来のスペックを超えているよ。一言で言えば、有り得ない……です。『たまたま』出来てしまったのか、『構築』ではない可能性があるのか……。アレが可能な確率は天文学的数字。
まぁ、いいです。『たまたま』出来てしまったとします。
むっつめ。
『第二聖女』とのいざこざ。
『魔女』だったのには驚きだけど、あれほど『闇』に特化したなら、納得よね。ただ、本人もバレないように『鑑定対策』はしてたはずなのに、『たまたま』お兄さんの『解析』でバレてしまう。そこまでならまだいいわ。
過去にお兄さんに『解呪』して貰ってたとか、『第二聖女』の言葉では無いけど……。
『出来過ぎている』
……と、なるともう、これしか考えられないの。
誰かが、私達に介入している。
「のぅ?そうではないのか?。『八翼世界の女神』『アンニージェ』
殿?」
そこには何者が居たのか。神と呼ばれたものは姿を現す。
「まぁ、そうなるのではないかと思っていましたよ『魔王』殿」
ここに『魔王ルクス』と『女神アンニージェ』が対面する。
「女神が降臨するとはのう……」
「はい、このままでは私がラスボス認定を受けそうでしたので。それは不本意です」
ラスボス言うか。
「小僧への介入は『神』の知らぬことだと?」
「はい、この世界では時間への介入はできません。それが私であろうと同じ事。ですから断言します。時間への介入はしていません」
「他世界の神の可能性は?」
「それは不可能です。他世界の神の可能性はありません。介入しようとした時点で袋叩きにあいますから。特に、うるさい神が居るのですよ」
それほど『神』とは縄張り意識が強いらしい。他世界に手を出そうとする神を他の神が容赦しないのだとか。それ故に決まり事は守られる。
「だが、今回の出来事は他に説明が付かぬのでは?」
『女神アンニージェ』は考える仕草をする。神でも考える事が必要なのか?それとも……ルクスはそんなことを思っていた。
「では、私も行動を共にしたいと思います」
「!!」
ルクスは驚愕した。『神』だ。『八翼世界の女神』だ。それが……。
「何か?」
「女神が行動を共にすると?」
『女神』までもがファウ=バルドの下につくと言うのか?これが『たまたま』だと?
「うふふ……。面白くなってきましたね。『たまたま』私もご厄介になりますが……」
「さて、本当にこのパーティーは何と戦うパーティーなのでしょうか?」
さて、50話です。




