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俺と聖女でひとつの身体  作者: 天川 和
魔女、魔王編
39/268

38:メイド現る


 あの騒ぎの後、壁は三日で修復された。


 魔法で修理なんて便利なことは出来ないらしい。


 額の「中」の文字で、レムリとリリスでひと悶着(もんちゃく)あったが、じゃれあいに過ぎない。


 そんな、のんびりした日常が過ぎて、夕食を済ませ寛いでいると、『第二聖女』『リテリ=ユイーシ=ルクルブ』が一人の少女を伴い『フェイゼノルン邸』へとやって来た。


「メイド……ですか?」


「そうよ、本人の希望でもあるから今日からよろしくね」


(あおい)=ルクルブです。お世話になります」


 お辞儀する少女。まぁ、知ってる『(あおい)』だ。しかし、ルクルブ?


「ルクルブって、リテリお姉様?」


「戸籍上は私の妹になるわ、行く所がないらしいから面倒見てね」


 どんな手を使ったのか、第三聖女(フェイゼノルン)邸の襲撃者を妹にしてしまったリテリさん。権力もあるのか。まぁ、『聖女』だしなぁ。




「これ、つまらない物ですが……」


 葵は包みを出した。あ、風呂敷だ。その中には『虎猫屋(とらねこや)の団子』が。


「よろしいですわ。中々見込みのある子ではありませんの。歓迎いたしますわ」


 スタア、分かってはいたがチョロ過ぎ。団子に釣られたな。




「レムリ様、リリス様にはこちらを」


 それぞれ封筒を渡した。


「え?リリスにも?何だろ?」


「お気を使っていただかなくてもよろしいのに……」


「「!!!」」


「新しい念写符でございます」


「「私達、親友よ!」」


 親友になってた。



 こ、こいつ出来る!何処かの箱入り巫女かと思っていたが、一瞬で取り込んだ。



 何が入っていたのか、レムリは封筒を両手で持ち、上に(かかげ)げるとクルクル回ってた。


 何処かで同じ光景を見た気がする……悪い予感しかしない。


 ちなみに以前の念写符は俺が回収した。


 だってそうだろう、自分の裸の修正写真を女性に持たせておく男がいるか?


 ……いや……人それぞれだった。俺がとやかく言うことでは無かった。ゴメン!


 ともかく、葵のことに関しては、屋敷の女性陣が納得したようだった。




「そして、貴方にはキスの責任をとってもらいます……ね?」


 何故か俺のせいになっていた。


(自分の彼がモテるのはうれしいものですね。マスター)


 何故か彼氏になっていた。



 だが俺はレムスタリアの中に居る訳で、モテてもうれしくないんだが……。


 俺の肉体は、何処でどうしているんだろう?このモテ期(?)を逃がしたら終わる気がする。今こそ必要だ。


 でも、おかしくないだろうか?何故かここに、『聖女』と『勇者』と『戦乙女』と『真巫女』がそろっているのだ。これにあとひとジョブ加われば魔王とか倒しに行けちゃうよな……。


 足りないのは何だろう?『聖騎士』?『賢者』?まぁ、俺に魔王討伐とかする気ないし。


 俺は、オーパーツに囲まれて鑑定ライフを過ごすのだ。


 夏が待ち遠しい。




 そんなことを考えながら夜は過ぎた。




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