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俺と聖女でひとつの身体  作者: 天川 和
真巫女編
38/268

37:歪


「よっと!」


 男は大剣を肩に担ぐ。


「ここが、八翼か、しかし、雪と氷の世界とはな」


「ウォボスはアホ?ここは北の大陸、雪と氷、あって、当然」


 ウォボスと呼ばれた男。身長は190を超える。肩に担ぐ大剣は剣というよりは金属の塊。ただ、その金属は不思議な光を放っていた。見た目は正に野獣。


「早速、乗り込むとするか。早く帰ってやらねぇとよ」


「ウォボス、死んだね」


 少女はさらりと言った。


「今までのような、力押し、死ぬだけ。そしたら、皆……」


「わ、分かったよ。で、どうする?」


 少女は考える。頭の上の耳がピコピコ動く。見た目は人間だが耳の場所が違う。形も猫の耳に似ている。


「考えがある」


「ん?」


「私に、まかせて」


 ここは慎重にいこう、ウォボスの力があれば大丈夫とは思う。でも、絶対じゃない。絶対じゃなければ動かない。まずは、この世界の決まり事(ルール)を知ること。それが先だ。


 この世界は『(いびつ)』だ。何故、こうなってる?


 誰が……こうした?



「いくよ。ウォボス」


少女は歩き出した。









「「同時刻帝国某所」」




「ご報告が……」


「…………」


「『黒死の人形』のマインドコントロールが、解かれたと報告が。ただ、当初の目的は完了しております。確認したと……」


「『人形』ならば持ち主の物であろう?」


「はっ!」


「回収して修理すれば使える」


「では、そのように」



「待て!」


「はっ!」


「解いた者……目障りだな。その者は?」


「『第三聖女候補』『レムスタリア=アルバーノ=フェイゼノルン』とのことです」



『第三聖女候補』か。なら好都合か……。



「排除のついでに取り出して壊せ!『ドールズ・ヴァルキュリア』を使って構わん」


「御意!」



『八翼』が現れたこの時期に不安の芽は潰しておくに限る。


「ソフィア、いるか?」


「お側に……」


姿は見えない。声だけが響いた。


「お前も出ろ」


「よろしいので?」


「構わん」




「では、そのように……」






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