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俺と聖女でひとつの身体  作者: 天川 和
真巫女編
34/268

33:聖女の宝珠


「起きてるかしら?」


 レムリが眠りにつき、横になっているとスタアが話しかけてきた。レムリには睡眠が必要なのだ。白のパジャマに着替えてベットに横になっている。レムリは眠りが深い。こうなると中々起きないので話をしても平気だ。


「ん?、ああ」


「少し気になることがありますの」


「なんだ?」


「私達を呪った、グニス将軍のことよ」


 『グニス将軍』……奴が『魔王系』で呪ったことにより『聖女』でも『解呪』出来なかった。結果、神が俺を『レムスタリア』の中に直接送る行動に出たのだろう。その後、無事『解呪』して今があるのだが……。


 結局『魔王』あるところに『勇者』アリ……は、成立していたんだな。確かに『勇者』は俺の『相棒』として関与していた。ただ、『グニス将軍』はその後……。


「ああ、『解呪』の後、失踪したんだろ?」


「ええ、王宮では騒ぎになったそうですわ」


クラスでも、そんな会話が聴こえてたな。


「一将軍の失踪で?」


 この国では将軍といっても地位は一般的なイメージ程は無い。将軍は聖女の下につくことになる。勿論、聖女候補の下にもだ。それが学生であっても候補の時点でスペックを上回るのだから当然だろう。


「それが、一緒に消えた物があるのですわ」


「消えた物?」


「聖女の宝珠よ。盗み出して姿を消したのでは?……との疑惑が出ているのですわ」


「…………」


「この宝珠、伝説に過ぎないのだけれど、聖女が亡くなった時に体内から現れたと言い伝えられているモノですわ。宝物庫から無くなったとか……」


「聖女を呪ったグニス。聖女の宝珠を盗んだかも知れないグニス。何だ?何か違和感がある……」


「貴方は、どう思いますの?グニスがレムスタリアを呪った理由は、本当に命を奪うためだけなのかしら?」


「…………」


「どうしましたの?」


「聖女の宝珠?」


「そうですわ」


 何処かで聞いた、いや見た記憶がある。いつだ?見たり聞いたなら『解析』中。なら……。


「過去の記憶から、レムスタリアの肉体構造及び、遺伝子の解析中に「聖女の宝珠」の名称が確認されています。マスター」


「そうか……」


「なら、レムスタリアの体内にも「聖女の宝珠」がある?」


「確定ではありません、同じ名称のモノであることだけが確定です。マスター」


「なら、グニス将軍の狙いはレムスタリアの中にある宝珠?」


「おかしいですわ。それなら直接襲えばいいのですわ。呪い、しかも一年かけてなど手間が掛かり過ぎていますわ!」


 確かにそうだ。直接では勝てないとみたか?いや、『魔王系』の呪いを使う程だ。確実に『魔王軍』が裏に居る。下手すれば『魔王』本人が居たとしても不思議ではない。




「そういえば、マスター?私、持ってます」


「は?」


「聖女の宝珠を持ってます」


『相棒』が可笑しなことを言い出した


「『魔王軍四将グニス』とか魔物を吹き飛ばした気がします。その時、落としたような……。マスターのお土産に……とか思って忘れてました」


「いつ?」


「お暇をいただいた時……ですねっ」


「テヘッとか言ったら怒るよ?」


「まさか」


「このまま『解析』できそうか?」


「実体化しないと無理です」


「してくれ」


 解析が済めば全容が見えてくるかも知れない。グニスが何故、レムスタリアのを狙ったか。そして、神がレムスタリアを助けた理由。冷静に考えればレムスタリアは特別扱いだ。『聖女候補』だからとの理由では説明が付かない。



 瞬間、室内の床に光の円が浮かび上がる。数字や記号、文字列を刻んだソレは自らを誇示するかのように発光し、その権能を持って世界を繋ぐ。召喚陣。知るものが見たのなら驚愕しただろう。それは正に美の女神による究極の細工。そして、そこには神秘の女性が俺を見下ろしていた。


「『勇者』『ディアレス』召喚に従い参上した。問おう、あ…」


「そういうの結構です」


「私のご主人様は、やられたらやりかえす派ですねっ。折角、演出したのにぃ~」


「何を遊んでます………の」


 そして俺達は見た。


 窓が閉まってるはずの室内に『折り鶴』が侵入してくるのを……。それは、意思をもつかのように頭をこちらに向けて空中で停止した。


「見つけた!」


 女の声がした。



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