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29:100の呪いを持つ巫女
「「神国某所」」
星を眺めていた。空はいつもと違って見える。『星読みの真巫女』と呼ばれてはいるが、自分の運命など読みたくはなかった。ましてやそれが自分の『死』なら尚更だ。星は私の死を暗示していた。それは、私の内にあるモノのせいなのか、あるいは…………。
「葵、いるか?」
襖を隔てて声がかけられた。誰も私を直視できないのだから当たり前だ。
「はい、お兄様」
「王国では『八翼』が確認されたそうだ」
「八翼様が?」
「幸い、『ツガイ』には、なっていないようだ」
「そうですか……」
「今の内に始末しろ。お前の『呪い』はその為の物だ」
『呪いの巫女』そう、それがわたし。そうか、いよいよ来たのだ。星が流れたのは、このことを暗示していたのだろう。
「はい、お兄様」
「今日までこの時の為に生かされたのだ。役に立ってみせろ」
「はい、お兄様」
兄でさえも私を見ようとはしない。誰だってこんな醜く呪われた顔を見たいとは思わないだろう。見ただけで災いをもたらすのだから。
「私の中の『100の呪い』をもって必ずや……」
そうつぶやくと少女は目を伏せた。きっと、もうここへは戻れないのだ。
星はそう告げていた。




