02:第三聖女レムスタリア
エスリ王国第三聖女『レムスタリア』。王国国民ではない俺でも知ってる有名人。フルネームは……さっき『ディア』が言ってた気がするが覚えてない。
確か去年、『王国国立魔導学院』入学の記事で見た記憶があるから年齢は16。
第三聖女の特徴である淡いブルーの髪はそれ自体が光を放つような錯覚を見る者に与える。腰まで延びた髪と濃いブルーの瞳が相まって中々の美少女ではある。その見た目と使用魔法の属性から『蒼の聖女』と呼ばれている。
元々が身体のラインのでる白の慰問用聖女服に白いケープを羽織っただけだが、そのスタイルの良さも相まって王国のアイドル的存在というのも頷ける。
身体は小柄だが……デカイ!そのままミサイル発射!できそうだよね、アレ。
俺がなんでミサイルなんて表現を使用したかは、おいおい話すとして。
これで16とかまだまだ育つね。将来有望株だよ。うん。何が?って言わせんな。
先程、両手で思い切り掴んだ気がするが……不可抗力だ。
嘘だと思った男性諸君!一度女性になってみればいい。必ず手が行くから!
さて、ここで『聖女』とは何か……を大雑把に説明しておこう。
『聖女』とは王国のシステムでクラス(職業)と言ってもいい。
超がつくエリートで、独立した権限を持ち派閥には属さない。……と建前上はそうなっている。
ちなみに他国、『帝国』『神国』では『聖女』ではなく別名で呼ばれている。
『帝国』:『戦乙女』
『神国』:『真巫女』
それぞれ王国と似たようなシステムではあるが、選定基準が国によって違う。
王国では『心』『技』『体』『魔』『学』5つのトータルが一定ラインを超えると『聖女』の資格ありと見なされる。
先ほどの戦闘でも、近接職ではないにも関わらず『聖女』として俺が敵を殴り倒せたのも元々の肉体スペックの高さ故、『技』『体』があったからだ。
帝国の『戦乙女』などは、『心』が『力』に代わっている。はっきり言って戦闘特化のバケモノだ。
まぁ、俺の見解ではそれプラス『見た目』も入っているのではないかと思っている。『聖女』とは、それ程にみな美女揃いなのだ。
そんな『聖女』を育てるための国の機関が『王国国立魔導学院(聖女科)』である。『レムスタリア』は、今ならそこの2年だったはずだ。
『第三聖女』とは言うが厳密にいえば『第三聖女候補』となる。
何故なら『聖女』とは『勇者』とツガイとなる者だからだ。
分かりやすく言えば『勇者』の『嫁』さんである。『勇者』の『紋』をその身に発動させた者が『勇者』の『妻』となり、その時始めて『聖女』と呼ばれるのだが、『聖女候補様』と呼ぶのも他国への見栄や大人の事情で『第○聖女』とトータルスキル順に呼ぶのが王国では一般化しているようだ。
俺でも知ってる情報なんてこの程度で、王国のものなら皆知っている情報に過ぎない。