18:第二聖女とリリスの口付け
『第二聖女』『リテリ=ユイーシ=ルクルブ』別名『静の聖女』と呼ばれる王国二番目の実力を持つ聖女である。属性は『月』その髪、瞳は漆黒、足元にまで届くかとも思われる髪の先を結わえている。
身長は160程だろうか『レムスタリア』よりは頭半分大きい。『王国国立魔導学院(聖女科)』の3年で学院内では名実ともに一位の人物であった。
俺はそんな『聖女様』に説教されていた。何故かって検査入院中なのに抜け出したからだ。スタアを助けることを優先した結果なので後悔はない。先程までスタアは裸だったが、既に修正。衣服装備で現れることが可能となった。俺は学習する男だ、もう問題ない。
「それで?どうやって解呪出来たかは、まだ教えてくれないの?」
「それは……時が来たらいずれ必ず話します」
レムスタリアには、俺のことは秘密にしてもらっている。何故って、『聖女』の中に男がいると知れれば、レムスタリアにとってデメリットしかないからである。
「まぁ、貴女には、貴女の考えがあるのでしょうから、とやかくは言いません」
「はい」
「でもこれだけは、知っておいてね、レムスタリア」
「私もクローリアも貴女が心配なのです。本当に無事でよかった……」
第二聖女様いい人だね。本当にレムスタリアを心配してるのが伝わってくるよね。
……にしても、リテリさん、デカイ!何がって……
(またですか?マスター)
(またって何だよ)
(前回、騙されて泣いたのをお忘れですか?)
(いや、泣いてないし!)
(懲りないマスターですね)
(……ってことは、もしかして?パット?)
(いいえ、本物です)
(本物って……これが!)
チャンチャラチャンチャン……チャラララー♪
チャンチャラチャンチャン……チャラララー♪
いきなり音楽が流れ始めた。メリーゴーランドの曲を早送りしたり遅くしたりしたような不気味な曲になってる。
俺は、この曲を知っている。血の気が引いた。
(マスター!呪い『リリスの口付け』が発動しました!!危険度最大!!)
(120秒後に死亡します!!カウントダウン始まります!!)
(『リリスの口付け』って前回の死亡原因じゃないかよ!!今来るのか!!この場合、レムスタリアも死ぬのか?)
そう、前回俺は遺跡探索中にこの呪いによって孤独に死んだのだ。正に手も足も出なかったのである。
(ままままま、マスター。ききき、来ました!ついに!)
(落ち着け!ディア!)
(早く、わ、わたしと!ききき……すすすす)
ここで死ぬ訳にはいかないし、レムスタリアを死なせることも出来ない。幸いここは孤独な遺跡ではない。回避方法があった。
「レムリ!非常事態だ!身体を借りる!」
「え?きゃ……」
強引に入れ替わる。すまない。
俺は、動かせることを確認する間もなく、『リテリ』さんの身体を引き寄せ……。
『口付け』をした。
「んっ」
(ファウ様!)
(マスター!)
三者三様の声が漏れる。
『リリスの口付け』
呪いと言うには穴だらけ、リリスがいたずらでファウに送ったモノ。発動後120秒以内にキスしなければ即死。即死の回避方法を知らないファウには最強の呪いとなった。今どきは子供でも即死回避出来るので、リリス自身もまさか死ぬとは思ってなかった。(初回発動でファウの命を奪った)
……リテリさんは、立ち上がると無言で出ていった。
(マスター、お暇をいただきます)
(寝ます!起こさないでください!)
「あ、あれ?」
「は~い、リリスの口付けは回避されました~。お兄ちゃん、キスできた~?」
陽気な声が響き、『リリスの口付け』は発動停止した。
こうして俺は一人孤独に初の授業に参加することとなった。




