129:生徒会
生徒会会長『利瀬 瑠奈』。
文武両道。才色兼備。容姿端麗。正にテンプレお嬢様。
……だだし、裏の顔もある。寧ろ、この裏の顔が問題だ。問題過ぎた。
「ねぇ?木曽二田くん」
「……」
「あら?どうしたのかしら?聞こえていないのかしら?」
「……」
「そうなんだわっ!ここにあるのは幻。彼の生前の姿っ!」
「はいはい、なんですかっ!」
「生きてる?」
「生きてるよっ!」
「そう?今の貴方は、本当に生きていると言えるのかしら?」
うん、全く性格がつかめない。俺の周りに居なかったタイプだ。本来なら『ウザッ』で済まされかねないのだが、不思議なカリスマ性があるのか気が付けばペースに乗せられている。そして、それは自身の認めた『こちら側』の者達の前だけで発動する。
「でも、凄いっすね~。かっこいいっす!」
小柄な男子が会話に入って来た。顔は可愛い系。俺には理解出来ないが母性本能を擽るのだとか……。
一年生の生徒会書記『竜王 辰之助』名前にリュウが二匹いるとても男らしい名前だ。
だが、俺は騙されない。まずしゃべり方がわざとらしい。男を強調し過ぎている。きっと何か訳があって男の姿をしている女子に違いない。胸が無いのはサラシで抑えているからか?
そんな馬鹿な事を考えてる時点で、既にこの生徒会に毒されていた。
「何がだ?」
「そりゃもう、会長と本気でバトル出来た事ッスよ!」
「バトルはしてないけどな」
「いえいえ、会長の『殺し合いを始めましょう!』にすぐ反応出来たのは虎雄さんだけっス」
「…………」
「普通なら、反応出来ずに一方的な試合運びになるッス」
(試合だったのかよっ!)
「しかも、女神に見立てるとは、会長のツボを心得てるね~」
またまた会話に入って来たのは丸顔の女性。体型も少しだけ丸い。少しだけだ。
二年、俺と同年の生徒会会計『甘菓子 葛葉』。
「それは即採用だよっ!」
「採用の基準がおかしいぞっ!生徒会!」
「「おおーー」」
「会長のおっしゃる通り、ツッコミ性能も高いッス」
「千年に一人の人材だねっ」
パチパチパチパチ。
拍手された。こいつらも大概だな。
(瑠奈会長と同類か……)
目が合った。ヤバイ。
「虎雄くん、『解析』ってなぁに?」
「!!」
「言ってたわよね?『解析』発動……って?」
背後に回り込まれた。
「い、言ってましたっけ?」
「どんな……設定なの?」
耳元で囁く。近い近い近い。
設定……そういう事か……。
「まぁ、相手のデータを見る感じですかね」
「それは、私の服も透けて見えたりするのかな?」
「おお、流石っす」
「男の子ね~」
辰之助と葛葉の声がした。
「いや、透けないけど」
「なぁ~んだ、残念……」
本当に残念そうだった。本当につかめない人だ。
そもそも『利瀬 瑠奈』でリセルナと無関係ってどうなんだ?
今俺達はこの世界の女神を探している。『ワールド・サーチ』と『解析』を同時使用しても見つかっていない。そこに『利瀬 瑠奈』とくれば当たりかと思って当然だった。結果はハズレだったが……。
絶対、下界に居るはずなんだよな。そして魔神化前のファウと接触しているはずなんだ。そうでなければ、リセルナのボルトへの執着心の説明が付かない。
(女神は何処にいる?)
「女神は何処にいる? キリッ」
「おお、流石っす」
「男の子ね~」
声に出てたのかっ!
ファウ=バルド魔神化まで後70日。




