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俺と聖女でひとつの身体  作者: 天川 和
復讐の女神編
127/268

126:歴史は改変される


 そいつが元々『ニッポン』に居たのか、別の何処かから来たのかは分からない。


「答えは出たな。八翼世界から来たんだ」


 行き成り世界に牙をむいたそいつは虐殺をはじめた。


「まだ心配しなくていい、魔神になるまでは間があったはずだ」


 調査チームにも協力的で、人当たりも良く好人物。


「ならそうしよう」



 俺は過去の自分の発言を思い出しては答えを出していた。


 何故こんなことをしてるかと言えば……。


 つい先ほどまで『カリウズ』を殴りに行ってたからだ。


 言葉通りだ。


 別に『神殺し』などになるつもりは無い。ただ一発殴らなければ気が済まなかった。


 今回の悲劇の三人。葵、クロ、リセルナの件は間違いなく『カリウズ』の介入が原因だ。クロを救った事には感謝している。しかし、クロを利用したために起こった悲劇だ。


 本来関わるはずの無かったクロの介入が、リセルナの黒神化を早めた。


 そして、クロ、葵の命を奪う結果に繋がった。


 いや、厳密に言えばもっとだ。


 俺が呪いを持たないとされた事で、スタアの存在は消えた。リテリさんは『魔女の呪い』で死亡していた。『月』を受け継ぐ者は現れることは無い。


 俺が解呪して救ってきた人達も……誰かが代わりに解呪した者もいれば、出来ずに命を落とした者もいるのだろう。


 ただ何処までの範囲で影響を及ぼしたのかは不明だ。


 それは、双子が存在していることで分かる。つまり『過去の世界』『未来の世界』はあると言う事だ。


 神が起こした理には干渉出来ないのか、それ以外の理由があるのか判断するには情報が無さ過ぎた。




「殴れるものならば、殴ってみよ!」


 との許可を得たので、『不戦勝』で無力化して殴った。神にも通じるのが分かったのは収穫だった。


 ただ、人が天に唾した時点で、自分に降りかかる。


 これが今の状況だ。


 つまり八翼世界より弾き出された。


 辿り着く先は確信している。そうでなくては、八つの世界が存在できない。


 これも起こるべくして起こったことなのかも知れない。


 殴って飛ばされるまでがこの世界での正史。




 足に身体の重さを感じて着いたのだと理解した。


 懐かしい音、空気の匂い、建物の形。そこは高層ビルの屋上だった。


「俺の国、ニッポン」


 いや、「キソニダ」の国か。



「ディアレス?」


「はい、マスター」


「最後の命令だ……」


「…………はい」


「いずれ現れる「キソニダ」と共に魔神システムの開発」


「はい」


「それと、ファウ=バルドの戦闘への介入を禁止する。理由は分かるよな?」


「勿論ですよ、マスター」


 ディアレスの介入は歴史を変えかねない。そう、ディアレスの不自然な行動は、俺の命令を守った結果だったのだ。


「でもマスター?本当に魔神になるおつもりですか?」


 改変されるとしても俺達の経験した歴史はそうなのだ。ある日突然現れたファウは、やがて魔神になる。


 バルドがボルトなった経緯は伝わる過程で変化したとか大した理由は無いのだろう。




 魔神として「八つの世界を誕生させる」


これは、今俺が経験してきた世界に繋がる。だが、「最終戦争」直前……いや、それは起こるのだ。




 魔神にならず「現世界を存続させる」


 これも可能だ。この世界の俺が消えればいい。つまり死。魔神となる材料が居なくなればいいのだ。たが、八翼は誕生しない。



「……次の俺にクロと葵とリセルナ救出を託し、最終戦争を回避する!その為に魔神となる!」



頑張れよ次の俺。



「…………」


 ディアレスは俺を見つめていた。





「嘘ですね」


「…………」


「マスターは以前こう言ってます。ファウ=バルドは後にも先にも俺一人……だと」


「つまり?」


「今のファウ=バルトでこの世界も八翼も葵もクロもリセルナも……全てを救うつもりですね?」


「どれだけ無茶なこと言ってるか気づけてるか~。ディア?」


「ええ。勿論です」


 ディアはそう言って微笑んだ。いい笑顔だ。


「例えば八つの世界の全てを救っても、この世界が滅んでいる時点でバッドエンドだ」


 そう、初めからこの歴史にはバットエンドしかないのだ。


「ごく普通に皆が生きてるノーマルエンドがあっていいだろ?」


「まさかそれをお一人で?」


「いいや、初めからこう言うつもりだったよ。さっきの命令は取り消しだ。とな」


 それを成すためには積極的にディアレスに動いてもらわなければならない。今まで多くのファウ=バルドが繰り返してきたであろう歴史を根本から壊す。


 つまり世界の破壊に動き出そう。



(すまん、今日まで歴代の俺。だが俺は俺、過去の俺が通った道は通らない)




「この世界も、八翼も、葵も、クロも、リセルナも全て救う!」


 それが


「ここ、始まりの場所に来た俺の目的だ」




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