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俺と聖女でひとつの身体  作者: 天川 和
復讐の女神編
125/268

124:消える100の呪い


 それは既に始まっていた。


 カウントダウンはもうじきゼロとなる。その時、クロは死ぬ。


「よせっ!」


 だが、もう間に合わないのだ。



 クロは何も見ず、考えず、感じない機械として存在している。だからゆっくりと近づくリセルナに反応さえしていない。


 何も考えがあった訳では無い。身体が勝手に動いた。


 ファウ=バルドがこの状況になる以前に到着していたなら……リシリアの消える場面を目撃していたなら、この行動は無かったかも知れない。


 だが、動いてしまった。



「バステル!!発動!!」



 呪いの正門から伸びた無数の鎖は、リセルナの直前で自ら避けるように軌道を逸れた。


 『呪い』だけに、神格により弾かれたのだ。


 鎖を見たリセルナがそれを不思議そうに見つめ、指先で触れた。




 触れてしまった。




 ソレは鎖を伝わり、ファウ=バルドの魂に刻まれた100の『呪い』を一瞬で……。


 消滅させた。


 痛みも何もない、あっけないほど簡単に行われた。



 例えるなら夜の停電。


 光も、音も、全ての情報が遮断された。只の暗闇に取り残された。


(あ、葵?)


 答える者など居るはずが無い。


 会話に使用していた『セシュの心言』そのものが存在しないのだから。



 この日、100の『呪い』を持つと言われたファウ=バルドは……()()()()()()()()()()。100の『呪い』など無かった結果にと(ことわり)を改ざんされた。


 それは、『呪い』があったからこそ知り合えた者達からの永遠の忘却。


 『呪い』の解除で知り合った『レムスタリア』


 幼少時に『魔女の呪い』を解呪して知り合った『リテリ』


 解呪で正気に戻した今の『リリス』


 そして、葵、ソフィア、クローリア、魔神ボルト、リセルナ、ミユウ、ウォボスに至るまで、ファウ=バルドを知るものは存在しない。



 これは正史なのか?

 それとも俺は何処かで間違えたのか?



 結論の出ないままのファウ=バルドの意識を闇が飲みつくす。


 ソレは何故が優しさに満ちていた。




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