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俺と聖女でひとつの身体  作者: 天川 和
復讐の女神編
121/268

120:魔王と魔女と聖女と戦乙女とペット


「よっ……くっ……あっ」


 ガーゴイルの死角から回り込み、巡回の時間を避けて塀を登る。何か楽しくなってきたところで頂上を乗り越えて下りに入った。


 縁に手を掛けて足で踏ん張る。お尻を付き出す形になって思った。


 スカートでやるべきでは無かった。正確にはワンピースだが、この姿勢。


「下から見たら丸見え……ですね」


 自分にとっては別段恥ずかしい事では無いが、一般常識では見せる物では無いと頭が理解している。


「レムリ?」


 キャッ!


 手が滑った。そのままお尻から地面に落ち……無かった。


 声の主に抱えられた。


「何をやっていますの?レムリ」


 スタアちゃんだった。


「お、お散歩……かな?」


「私に聞かれても困りますわね。それと出歩くことはお勧めしませんわ。重要参考人ですからね」


「重要さんこう……?」


「それよりもレムリ。ルクスは中?」


 魔王ルクスの姿はここ数日見ていない。魔王どころか誰にも会っていないのだ。会ったのは、今ここでスタアに会えた。久しぶりだった。


「いいえ。でも、親衛隊の方々なら知ってるかも……」


「なら、お願いしますわ。大急ぎで皆を集めてほしいの」


「りよ、了解だよ。スタアちゃん」


 動き出そうとしたレムリは塀を見上げ考えたが、門まで歩き鐘を鳴らし開けてもらった。





 魔王ルクス邸にそれぞれが集められた時には、既に日は傾きかけていた。


「良くおめおめと姿を現せたな!」


「ソフィア殿?まずは話を聞こう。進まんでのう」


 スタアをへの殺気が凄まじいが、一応は抑えてくれているとルクスは進める。


 そもそも王国に入り浸っているが帝国の業務は平気なのだろうか?


「では、スタア。お主の取った行動の意味を聞こうか?ファウ=バルド殺害の理由を」


「えええーーーーっ!」


 一人声を上げたのはレムリだった。


「ファウ様殺害?何それ!スタアちゃん?」


「だから、今からそれを聞くのだ、落ち着けレムリ!」


 レムリは口を開こうとして、息を吸い込むと閉じた。


「はい」

(知らなかったのは自分だけ?)


 皆の反応からそう判断した。ならばスタアからの情報を得る。それで不明な点を確認すればいい。




「ではスタア、聞こうか?」


 ルクスお茶を手にしようとして無い事に気づく。いつもなら葵が入れてくれていた。ここに居ないのなら何処に居る?


「先ずこれだけは言っておきますわ。ファウは死んではいない、葵と一緒に四翼世界に居ますわ。私がファウを本気で殺すはずが無い」


(いない理由はそれか……)


「そして、私が取った行動の全ては私の『妹』の為。理解出来ますわよね?レムリ?」


 スタアはレムリを見つめた。


(スタアちゃんが妹と呼ぶのなら、それはわたくしの妹でもある)


 しばらくしてルクスに向き直る。


「だとしても、ファウの魔体を破壊したことは事実。このケジメはこの件が解決したら付けますわ。ただ今は、愚妹のクロとファウの危機を救うために力を貸してほしい……」


 そうして、スタアは頭を下げる。


 全てを自分一人で何でも解決する、自分の出来ない事が出来てしまう……そんな理想の自分。


 そんな想いから生まれたスタアは事実……何でも出来た。


 そんなスタアが助けを求める状況。


 つまり、今は崖っぷちなのだ。



 誰が?



 スタアが?



 違う。




 自分の為だけなら、助けを求めないだろう。


 妹と呼んだクロ、そしてファウ様。


 その二人が危ない!


「それで、わたくし達は何をすればいいの?スタアちゃん」


 なら、今する事は。


「状況を説明してもらおうかの?」

と、ルクスちゃん。


「なるべく手短にね?」

と、リテリ姉様。


「お兄ちゃんのピンチなら答えは一つだよっ!」

と、リリスちゃん。


「妻の行動としては、当然だな!」

と、ソフィアさん。


「コンッ!コン!」

と、きつねさん。


 え?狐さん?誰かの愛玩動物(ペット)かしら?尻尾も多いような……。


 それを聞いたリテリ姉様が狐に近づく。


「なんで、居るんですかっ」


 小声だった。


愛玩動物(ペット)ですもの」


 しゃべった?



 と、とにかく皆の気持ちは確認するまでも無くひとつだった。




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