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GOD HAND  作者: ホムポム
第1章
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第2話 100万の少女

魔狩人と名乗る男は鋼鉄の剣を抜く。


「チッ!冷やかしか……オイ!

この世間知らずを痛めつけてやれ」


人売の男が袖裏に向けてで合図をする


ヌルリ と袖から大柄の男が三名

この様な事態は日常茶飯事だ。

人売の側も用心棒を常に雇っている


睨み合う魔狩人と男達。

「ねぇ……あたしどうすればいいの?」

現状を全く把握していない少女に魔狩人は微笑む


「直ぐに助けてやるから安心しろ!」

そう言った瞬間。魔狩人は姿を消し


ズドン 男に強烈な一撃を腹にお見舞いさせ


ゆっくりと  ズドン ズドン

倒れる間に残り二人も気絶させていた。


抜いた剣を人売に向けて

「次に同じ事をしたら殺す。

ここにいる奴等もだ。見かけたら殺す。

解った奴から消えろ!!」


「あぁあぁーー!」

「魔狩人だーー!」

「た助けてー」

「解りました!解りましたー」


それぞれの悲鳴と共に残されたのは。

売られる筈だった女性達と。売れ残った少女アサミ


キン 剣を鞘に納め……

「取り敢えず……あんた等は〈ユウゴ児院〉にでも行け。

あそこなら何とかしてくれる。」


「あ……ありがとうございます!」

「きっと神の使いよ!」


攫われて来たのだろう。女性達は男に礼を言いつつ

恐る恐るその場を後にして行く。



そして最後に残された少女は

男の服を掴み、手を差し出す


「ん?何だ?礼は要らないから。

行く所が無いなら。あの女性達について行って……」


「100万ルドン!」


「は?」


「あたしを100万ルドンで買ったんだから、

お金ちょうだい!」


確かに男は100万ルドンという額を提示した。

それは、男なりのジョークのつもりだったのだ。

そんな事は少女には伝わらないし。解らなかった。


理解したのは。この男が100万ルドンをくれる。

という都合の良い解釈。



「お嬢ちゃん。俺は金を持ってない。

助けてやっただけ有り難いと思いな。」


「え?」

今度は少女が疑問の声をあげた。


当然だ。少女はお金を貰えると思っていたのだから。

100万もあれば沢山アレが飲める。

島の外だから少女を止める者もいない。



男は少女を無視して店を出ようと踵を返す


「うぅ〜……うぅ〜……」情けないうめき声をあげ

両手を握りしめ タンタンと地団駄を踏む少女



      バキャ



タンタン   ダンダン  スタンスタン


 ズダン  ズタン


ズガァン ズガァァァン! 


ただ事では無い。男が振り返る。

その轟音の発生源を瞳に収める。



少女が目一杯 足を上げ。

ワンピースの裾から淡いピンクの下着が見え隠れする。

しかし男はそれよりも重大な事に目を奪われていた


地面が抉れている。大地が嘆いている。

そして……鉄の錠が破壊されている。

鉄の鎖が引きちぎられている。



「スゥーー」大きく息を吸い




「    大地(ぐらんど)引金(とりがー)    」



(こと)の葉と共に

ストン 少女が足を地面に降ろすと。

今までの音は嘘のように静かな音が響いた。



瞬間大地が雄叫びをあげ始め

呻りと ともに男の地面を喰らい尽くす


「なっ!?」

慌てて跳躍しその場から離脱しようと試みるが


男が着地しようとした地面。その大地すらも

突如大穴をあけ 男を喰らわんと大口を開け


今か今かと、男の着地()を待ちわびる


「ぐぅッ!うぅう!」

ガシッ 何とか大口の端を摑む事で

奈落に落とされる事を拒む



その光景を少女が見下ろす

「…………100万ルドン」少女は小さく呟く



下から見上げているから

少女の下着が丸見えなのだが

男にそんな余裕は存在しない。


生きるか死ぬかの瀬戸際。


それも助けようとした少女に殺されようとしている。

こんなマヌケな死に様が男の最後なのか?



「わわ解ったから……払うから!」

「ホントに!?」

少女が笑顔でピョンとその場で跳ねると

連動したように大地が男の身体を地面へと押し出す



………………


……………………………………



「あ〜あ〜壊れちゃった」

少女は引き千切った鉄の鎖を名残惜しそうに


ガチャガチャとくっつける仕草をしながら遊んでいた

「なぁ……あんた。その錠。

自分の力で引き千切ったのか?」


確かに鉄の鎖を引き千切れる人間は存在する。

男もやろうと思えば出来るが

こんな小さな子……10歳だろうか?

少女が引き千切れるなど聞いた事がない。


何より…………


「アサミ。あたしの名前はアサミ。

3人の大事な人から貰った大切な名前なの」



少女が振り返りながら自身の名を口にする。

ドロドロと 両手の鉄の錠を溶かしながら



「俺は……名前は無いんだ。魔狩人と名乗っている」

男も自身の存在を口にする


「まかりうど……まかりうど…………

ゴンちゃん知ってる?…………そっか。」


少女は独り言を呟き始める

この場には男と少女。〈ゴンちゃん〉らしき

存在は確認出来ない。


「ねぇマー君。貴方なら出来るわ。

あたしをあの場所に連れて行って!」


「マー君?まぁ……金を返すまでは何でもするけど」



少女は男の手を握り

目的の場所へと向かう。





     向かう先は…………酒場


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