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GOD HAND  作者: ホムポム
第7章  愛しの我が子へ
111/184

第111話  お迎えが来ますの



ふと待ちへと続く道を歩きながら思った事がある。

「……ダーク。あなたのアレ

……黒い変なので行けませんの?」


王国から瞬時に移動させられた魔法なのだろうか?

外にでた時は三ヶ月経過していたので瞬時ではないかもしれないが……。


「……ハンスくんは置いて行くけどいいの?あとこっちは問題なさそうだけど……エリーの脳味噌グチャグチャにるけど些細な事だな。」


ダークは気怠そうに魔導書を取り出し

「いえ!歩きましょう!

足の裏がちょっとイタいだけですし。」


ダークの前をスタスタ歩きながら

背中に担いだ生首(エンハンス)に小声で声をかける。


「わたくしの脳味噌グチャグチャってなんですの?」


「……2位の魔法は意味がわからないから気にしてもしょうがないよ。」


「頭のおかしい人は全ておかしいって事ですのね。」


ため息しか出ない。

自分もおかしくなっているかもしれない。

人形を抱え、背には生首。

隣には精神が壊れた亜人。

ダークが言うにはヴァイス王国の方角に訊ね人がいるので行ってはいるが……


別に歩く事が苦ではない。

割りと好き勝手行動出来る現状には満足している。

何処へ向かうにも大勢を付き従えていた昔よりも遥かに基が楽。


「エリー。第6便到着〜。」

ダークは後ろを振り返り歓迎するように両手を広げた。

その先には……数匹の怪物。

垂涎の獲物を見つけ獰猛な声をあげながら

エリー達に向かって一直線。


「ハァ…………。」

エリーは片手で左目と額を抑えながら

怪物を睨みつける。


一言だけ。世界を廻す呪いを吐き出した。


痛覚(ペイン)


怪物達はその場でのたうち回り、目を見開き

必死に自身に巣食う痛みを殺そうと藻掻いている。


自分の肉体的負担。精神的負担。

様々な悪の循環機能を対象にも依存させる呪い。

質の悪いのはただの痛みではない。

痛みの根幹を刺激しているらしくヤられた相手は

過去味わったことの無い痛みを

言葉一つで強制的に植え付けられる。


  痛覚倍増


エビィル.ヴァイスに与えられた

エンハンスからの祝福の1つ。


「……わかりませんけど、この魔法は強いですわ。」


ジットリとした瞳をダークに向ける。

本当はエンハンスにも向けたいが彼は背中。

見る事はできないし。わざわざ見たくはない。

彼の存在は完全に目と心に対する猛毒だ。


悪魔二人に囲まれたエリーの身中たるや

どれ程のストレスになっているのか……


「……かなり弱いほうだよ?怪物達も生きてる。

是が過去にこれを与えた下僕は

だいたい一撃で殺してた。

殺されたら困るから与えた例は少ないけど。」


「ショック死ってやつ?

でも怪物共って殺さないほうが難しいからな〜。

無力化出来る時点である意味貴重だよ。」


「これからどんどん強くなりますわよ!」


『貴方達のせいで!』最後の言葉は口には出さない。

善意なのか契約なのかは知らないが言ってはいけない言葉だとエリーは思っている。

かと言って貴方達のおかげとも言いたくはない。

言いたくない言葉を言う必要はないとエリーは思っている。



「向上心は人間の成長に大きく貢献している。

エリーが強くなろうと思っいることに先生涙がでちゃう。……その心を忘れるな!先生との約束だ!」


ダークが親指をあげてビッっとポーズを決める。


「やっと迎えが来たぞ。流石はアグニス。紳士だ。

この辺で座ってようぜ!ハンスくん!

エリーと亜人に暖かいお茶だ!

片目と口からお茶を出すんだ!練習通りやるんだ!」


「……そんな事やったら本気で怒りますわよ?」


「できる訳ないよ。エビィルは是をなんだと思ってるの?」



その場で腰をおろしダークの言う迎えを待つ4人。

その間もエリーはキョロキョロと辺を見渡している。


いつ怪物が来るのか……

少なくとも三ヶ月前はこんな事はあり得なかった。

怪物共は洞窟や廃村。

古代遺跡などでしか姿を現さない。

稀に小さな村を襲った報告も目にした事があったが。

少なくとも道を歩いていて怪物を見たことがない。


エリーが外出する時は王国が万全を期して

怪物を殲滅して回っていたのなら話しは別だが……。


まるで……


「百年以上昔はあたり前でしたのよね?」


歴史書では昔は怪物達が我が物顔で人間を陵辱していたと記されている。

人間は最大の被害者。

それらを壊したのが初代国王ウィリアム.ヴァイス。

魔法使いと従者。


戦鬼と金獅子姫。最も戦鬼は種族関係なく滅ぼして回ったのだが……。絶対悪そのもの。


エンハンスを地面に置き


「……そうだよ。むしろこれが普通。

戦鬼と金獅子姫にメチャクチャにされたせいで亜人。

怪物。上級生物は居場所を失った。」


「……むしろ絶滅してないだけで凄えぜ?

オレが知ってる限りでも戦鬼は100日で人間の3割。

亜人なんか6.7割殺してるからな。

そりゃ人間にビビるわ。

しかもトルコくん曰くまだ死んでないんだろ?

オレも二度と会いたくないね。」


ダークは表情を変えず昔を語る。


「ダークは戦鬼に会ったことがありますの?」


「……やっぱ覚えてないの?記憶喪失?」


「………………。」


ダークは表情を崩さない。しかし目は真剣だった。

いつもならこの後ふざけた言動を口に出すがそれも今はない。

エンハンスもエリーの答えを待っている。


「わたくし20歳ですわよ?戦鬼がいた年代は……

109年前でしたかしら?当然産まれてませんわよ。

前世のわたくしではなくて?」


「…………まぁ忘れてるならいいか。

オレは覚えてる。それで十分だ。」


ダークはゴロンと寝転がり

リアの魔導書をパラパラと読みふける。


「……ダークは戦鬼と、出遭った事がありますのよね?

その……」


戦鬼の情報は殆ど消失している。

名前も名乗っている筈が歴史書には記されなかった。

どういった方法で種族を殺したのかも不明。

一瞬で肉塊が出来上がるなど噂伝いの強さのみ。


ドグマ.マグナスなどは戦鬼の情報欲しさに

ヴァイス王国兵に志願したらしいが王国図書館にも

彼が満足する書物は発見されなかった。


しかし目の前にいる。

戦鬼を知っているかもしれない悪魔。


「オレもよく知らないぜ。

ちょっと話してすぐ終わったし」


「終わった?貴方が戦鬼を……」

違う。ダークは戦鬼の最後を知らない風だった。


「あぁ。キッかり10秒で半殺し。

初めて死んだと思ったよ。アイツは人間だけど

絶対に人間じゃないね。性能がおかしすぎる。」

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