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ハルルシア、三人目の攻略対象者と出会う 1

また後程加筆修正します。農業については割とアバウトです;


名前しか出てないです…新キャラ。

 二日後。今日は種まきじゃー! 楽しみじゃ! と張り切って起きた朝。


 「ハル、今日はベンジャミンさん達と花壇に種を蒔くって言ってたよね?」


 丁度、学校が休みのお兄さま(今年から王立学園の初等部に通っておるのじゃ)と一緒の朝食中に、そう問われたワシは『はいっ!』と頷いた。


 「そっか。ねえ、ハル。僕も一緒に種蒔きをやってもいいかな?」

 「勿論、歓迎しますぞ! しかし、お兄さま。今日はご友人の方がいらっしゃるのでは?」


 確か昨日の夕食の席で『明日、リューが家に来るのですが構いませんよね?』と、お父さま達に確認しておったのじゃ。


 「うん、貸していた本を返しに来てくれる事になっているんだけど、良かったら彼も仲間に入れてくれる?」

 「そりゃあ構いませんが、ご友人も貴族のお坊ちゃんなんでしょう? 興味ありますかのう?」


 首を傾げて問い掛けると――…


 「まあ、貴族…だね。彼は僕等と親戚関係にある子なんだよ。多分、会えば自分で自己紹介してくると思うから、詳しくは後で聞いてみるといいよ。畑作りに興味はあると思うよ。リューも時々変わった事を言ったりしたりしているし」


 …――だそうな。


 まあ、そうじゃな。興味があるなら良い経験になるじゃろ。野良着ならお兄さまの予備があるじゃろうし。問題はないかの?


 ワシとお兄さまは、朝食後に野良着(お兄さまが着ると何やら上品に見えるのう)に着替えて、アメリアさんと一緒に畑へ向かった。


 「ベンさん、おはようございますなのじゃ!今日も宜しく頼みますのう」

 「ベンジャミンさん、おはようございます。今日は僕と友人も混ぜて貰いますので宜しくお願いします」


 花壇前で種蒔きの準備をしてくれていたベンさんは、ニコニコ笑顔で『おはようございますー! はいー! 任せて下さい、お嬢様、坊っちゃん』と、返事を返してくれた。








 「さて、それでは、まず枝豆からですじゃー。枝豆は種からでも畑に植えられますが、ちいーっとばかし育てるのが難しくなりますのじゃー、今回はお嬢様とは先に話しておりましたが、本葉が生えていて、すぐに植えられる物をご用意しましたー。こちらの一つは肥料少なめになっとりますでのうー。こちらに苗を植えて下されー」


 ポリポット(黒いビニールみたいなやつで出来てるポットじゃな)から葉が生い茂る枝豆の苗を一つ手に取り、ワシは用意されておったピンクのスコップ(可愛らしいお花の絵が描かれておるのじゃが、お母さまが用意して下さったらしい。ありがとうございますなのじゃ!)で、ザクザク土を掘り苗をそこに植えた。


 「こんな感じかのう? さ、お兄さまもやってみましょう!」

 「ラギル様、こちらをお使い下さい。ラギル様にと奥様から言い付かっております」


 アメリアさんが緑色の新品のスコップをお兄さまに手渡す。


 「う、うん。ありがとう。ええっと、こんな感じかな?」


 お兄さまは緑色のスコップ(黄色やら薄い緑色で幾つかの葉っぱの絵が描かれておるのう)で、ワシの植えた物から少し間を空けて土を掘り、丁寧に苗を植えた。


 「おお! 初めてにしては上出来ですのじゃ! この調子でどんどん植えましょうぞ、お兄さま!」

 「うん!」


 おっ? お兄さまの笑顔。いつもの上品な微笑みではなく、ニコーッと楽しそうな子供らしい笑顔じゃ。楽しいなら何よりじゃな!


 そうして、枝豆の苗を八本程植えて。次の種を蒔こうとしたところ。家で待機していた(お兄さまのお友達がいらっしゃるからのう)お兄さま付きの侍従さんが、お兄さまに『リカベルト家のリュシオン様がいらっしゃいました。こちらにご案内して宜しいでしょうか?』と告げに来たのじゃが――…


 「うん、こっちに来て貰ってくれる?」


 お兄さまの言葉を聞きながら思い出す。何じゃったかの…ええと、リカベルト家。

 リカベルト家とは確か現王の弟殿下が婿入りした侯爵家の家名で代々騎士の家系じゃったな、確か。


 「リュシオン・リカベルト様…リュシオン様のう。はて?」


 …――何じゃ、聞き覚えがあるのう。


 「うはあっ!?」

 「えっ、ハル?」

 「ハルルシア様?」

 「お嬢様、如何なさいましたか!?」

 「どうしたんじゃー? 虫でもおりましたかいのうー?」


 おう。皆を驚かせてしもうたの。


 「いや、なんでもないんじゃー。フォフォフォ」


 そうじゃ、都季! 都季じゃ! “リュシオン様”は都季がよう話しいてた“りゅしおん様”なんじゃないのかのっ!?


 「ワ、ワシは、どんな顔をして会えばいいんじゃー!?」


 思わず口から出てしまった言葉に対し、お兄さまは言った。


 「え? 別に普通の顔でいいんじゃないかな?」

 「それは…そうですな」


 …――ふむ。冷静じゃな、お兄さま。




ここまでお読み下さりありがとうございます!!

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