ハルルシア、今後の為に三つのお願いをする。
今回文字数少なくてすみません;
※後程、加筆修正します。
ズズーッと、ちり紙で(日本人が作ったゲームじゃからかの? 機械は…受話器が横に付いた昔の電話器位しか今のところ見掛けんが、雑貨品等は割と見慣れた物もあるのう。)鼻をかんで一息付いた頃。
「あのー、それで本題なんじゃがのう」
話し方も公式の場で無ければ、話しやすい話し方で構わないよ、と。お父さま達から許可を貰ったので、そのままで話している。
「お父さま、ワシはエルシオンさまとの婚約を解消したいと思っておるのじゃ。エルシオンさまの嫁は、ワシには務まらんと思いましての…解消、出来ますかいの? それと、お母さま達にもお願いがありましての。庭の一部を使わせて貰えますじゃろか? 育てたい物がありますのじゃ。 そして、お兄さま。ワシも魔法を勉強したいのじゃが、実技などはお兄さまと一緒に学ばせては貰えませんかのう?」
婚約解消は今、一番重要な事じゃな。解消せん事には自由に動けなさそうじゃし、定期的にエルシオンに会うのも今は億劫としか思えん。次に魔法をと考えておるのじゃが、女神様によると身体能力も強化されておるとの事じゃし、前世の趣味だった家庭菜園もやりたくなってのう。ワシ、野菜作りも好きじゃが、自らの手で作った野菜を使って料理を作るのも好きだったのじゃ。
そんな訳で、三人にお伺いを立てたのじゃが――…
「婚約についてはね、解消できるよ。と言うより解消してきたからね。安心しなさい」
あっさり、答えてくれたお父さま。
「な、なんと!?」
驚くワシにお父さまは、笑いながら(いや、何か寒気がするの…)話を続ける。
「婚約と言っても、親同士の口約束みたいなものだったから、まだ正式なものではなかったんだよ。婚約に関する書類もまだ作ってはいないし…国王である前に、私の従兄弟のエリアスの息子ならば、と思った私が愚かだったようだ。ハルルシアには辛い思いをさせてしまったね…」
あの我儘な王子には、後でしっかり謝罪させるよう、よくよく王に直訴しておいたから、今度あの王子と会う日を楽しみにしていなさい。
そう言ったお父さまの笑顔は輝いていた。
ま、まあ、なんじゃ。思ったよりアッサリ解決して何よりじゃな。
「ありがとうございます、お父さま」
「それじゃあ次は私から―…お庭の事だけれど、お花を植えたいのかしら? 確か今空いている花壇が端の方だけれど幾つかあるから構わないわよ」
次にお母さまが、そう言ったので。
「ありがとうございますなのじゃ。ワシは野菜を育てたいのです」
礼を述べて、野菜を育てたいのじゃと。伝えると、お母さまは一瞬、目を丸くした後。可愛らしく手をパチンと(“いただきます”の格好に似ておるの)鳴らし――…
「まあっ! お野菜ってお家でも育てられるものなのかしら?」
おう…。そういや、お母さまも公爵家出身じゃったか。良いところのお嬢様じゃ、解らなくても無理は無いのう。
「もちろんじゃ。良い土と肥料と水、日の光があれば大体のモンは育ちますぞ? お母さまも一緒に野菜作り、如何ですかの?」
断られるかの? その上、畑にするなら花壇は駄目と言われるかのう?
「あまり土を触った事は無いのだけれど…良いわね、面白そうだわ! ハルちゃん、一緒にやりましょう、お野菜作り!」
ニコニコと楽しそうに笑って答えてくれたお母さまに少し驚いたが、ワシも何だか嬉しくなり笑って頷いた。
「何だい、二人共楽しそうだね? ハルルシア。お父さまやお兄さまも、その野菜作りに混ぜて欲しいな? なあ、ラギル。そうだ! いっそ、花壇に植えてある物を全部、野菜にしようか!」
「それは、やりすぎですから父様。でも、僕もハルと一緒に野菜を作ってみたいな。それからね、魔法の勉強も一緒にやろうね? ハルが勉強したい時はいつでも部屋に来てくれて構わないよ」
「はい、是非! 土いじりは気分転換にもなりますからの。お父さまも、お兄さまも、お時間がある時にはご一緒しましょう。それと、お兄さま。ありがとうございます。勉強の方、よろしくお願いしますのじゃ」
「ふふっ、こちらこそだよ。ハル、頑張ろうね」
「はい」
と言う訳で。お父さまと、お兄さまも時間がある時には一緒に花壇の手入れ(と言う名目の野菜作り)をする事になったのじゃった。
婚約解消だけ見れば、アッサリ解決したのですが…また近い内(もしくは忘れた頃に←)ハルルシアvsエルシオンっぽい回があります。
ここまで、お読み下さりありがとうございます!!