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地味なシジミ

旨みを出します

僕は主役ではないので

たった一つの役割を

全うしようと思うのです


砂を吐きます

僕は主役はではないけど

たった一粒の舌触りで

みんなを台無しにしかねないのです


僅かに香る旨みのためだけに

生きようと思うのです

そっと作用する成分のためだけに

廻ろうと思うのです


僕がオスだろうとメスだろうと

どれだけの大きな殻を持っていても

誰も気にしないのでしょう


それでもいいと割り切りながら

砂を吐いて水を飛ばす僕は

君に気付いて欲しいのでしょうか


どうしようもないと諦めながら

美しい縞模様の貝を纏う僕は

君に微笑まれたいのでしょうか

気付いて欲しい本音に気付かないフリ

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