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吐き気とのなれ

「あー・・・・はー・・・・・うっ・・・オロロロロロロロロ」

「村の・・・・外に・・・・着いたけど・・・た、戦えんの・・・・?」

「まぁ・・・・チュートリアル・・・で・・・・もらった・・・・初期装備・・・・・つけよう・・・」

吐き気を抑えながら、俺たちはチュートリアルクリア報酬の装備をした。俺は革で出来た中鎧に短剣を、ブライトは金属で出来た重鎧に両手剣を、ゆんちゃんは布で出来た軽鎧に弓を装備した。

自分以外は種族適正にあった武器を装備していた。ワールドトライアングルには種族ごとに特技が設定されていてステータスの伸びも違ったが特技には倍率20%がかかる。ステータスがどれも高く倍率が上がる特技が設定されていないヒューマン、近接武器と防御が特技の巨人族ジャイアント、回復魔法と弓が特技のハイエルフ、攻撃魔法とクリティカル発生率が特技のダークエルフ、移動速度とトラップが特技の狼獣人族ライカン、移動速度と回避が特技の鳥獣人族ホークアイ、そして俺が選んだ水中移動速度と泥棒が特技なトカゲ獣人族リザーディアンだ。

DPSはジャイアントとダークエルフがトップクラスだったがジャイアントは見た目のでかさから日本人には遠慮されてベータテスト時の日本人ユーザー使用率では5位だった。ちなみにリザーディアンは最下位の7位だ。

「とりあえず・・・ベータの時はイノシシを狩るのが序盤のレベリングだったけど釣って・・・みる・・・・?」

「おぉん・・・釣るのは歩かないから気持ち悪くならなそう・・・」

「あと、言ってなかったけど連続攻撃はポンポンしないように・・・ね・・・。このゲームのけ反りシステムっていうのがあって連続攻撃するとのけ反りキャンセル起こすから・・・・」

戦闘システム自体はワールドトライアングルはかなりの出来だった。

のけ反りシステムは無闇に連続攻撃すると自分たちの攻撃が相手を即攻撃可能にさせてしまうシステムで考えて攻撃しなければならない(何も考えずに攻撃するにはあらかじめトラップなどにはめる必要がある)。

攻撃方法は主に5種類あった、攻撃、重攻撃、特殊攻撃、トラップ、魔法だ。攻撃はその名の通り普通の攻撃で、重攻撃は少し時間を置いてから攻撃しダメージが攻撃の1.2倍になる攻撃で、特殊攻撃は武器依存でさまざまな効果を与える攻撃で、トラップは相手に数秒間のダメージと相手を動けなくする効果がある。魔法は種類が豊富すぎた。

正直、特殊攻撃とトラップは高レベルになると輝く物らしくベータではあまり役に立ってなかった。

ヘイトシステムは気づかれてる中で一番近い人か最後に攻撃した人に襲ってくるため最初に遠距離からヘイトをとって寄って来たのを他のPTメンバーが背中から叩くという感じだ。

「おぉん・・・分かった早速うつよー・・・」

ゆんちゃんの重攻撃を受けてイノシシがコッチに向かってきた。

「オエーッ・・・オエ・・・・とりあえずヘイトは任せとけ」

「後ろに回るだけで吐きそう・・・」

俺が攻撃でのけ反らせているうちにブライトが重攻撃を準備して可能になったら打ち込むこの工程を2回繰り返すとイノシシはアイテムをドロップして消えた。

ゆんちゃん以外数秒まって息を整えながら話した。

「後ろに・・・回りこむ事以外は・・・・楽だったな・・・・・」

「両手がある敵だったらこうは行かないんだけどね・・・・・右利き左利きとか差が出てくるから・・・・・」

「おぉん、特定のエネミーは右手のほうが攻撃早いとかあるんだっけ?」

「それ・・・それ・・・」

なんか、弓撃ってた1人だけ完全回復してやがる。

「と・・・とりあえず・・・最初の目標は肉だ・・・」

「レシピもってないけど大丈夫なの?」

「ベータと・・・内容が一緒ならレシピもってなくても・・・・勢力ごとの基本料理は出来るはずだから・・・ビックブラックだから俺たちは肉焼くことなら手動で出来るはず・・・塩コショウとか味付けできないけど・・・」

「勢力ドラゴンじゃなくて良かったな・・・・奴隷にされてるだけじゃなくて生で食べないといけないとか・・・笑えないわ・・・」

「おぉん、そう思う」

「なぁ・・・同盟戦争なんだけど・・・勝たないとやばいよな・・・最下位は物価の高騰と食物の不作とか笑えないわ・・・ただでさえこの世界は食事シビアに変わりつつあるのに・・・」

すっかり忘れていたコンテンツの話をブライトが持ち出す。

「おぉん、人口的に1位はハートバードで2位はビックブラックで3位ドラゴンで確定だろJK」

「そうだな・・・それでほぼ確定だろう・・・先の話より食料だ・・・とっととイノシシ狩ろうぜ・・・・」

その時ビックブラックの日本人は誰もビックブラックが最下位になることを予想していなかった。


それから3日ぐらい経っていた。VR酔いも少しはマシになって馬などの課金動物に乗らない限りは大丈夫な人が増えていた。

慣れてきたせいもあって俺たちは別行動もするときがあった。今がそうだ。

俺は今NPCの家に盗みに入っている。ベータの時もそうだったがこのゲームは思い通りに動けるなら盗みをするのが一番早く金を稼ぐことが出来る手段だった。

ベータの時からリザーディアンだった自分は泥棒系のプレイには相当なれていた。NPCに目撃されなければ犯罪ではない。泥棒だけではなくNPC殺しも見つからなければ犯罪ではない。ゲスの極みと呼ばれるならそれでも構わない。

なぜこのような行動をしてまで金が欲しいかというと、味付けなしの焼いただけの肉が設定上思いのほか不味かったからだ。

「開錠~♪開錠~♪とっとと開錠~♪」

「衛兵!ここに犯罪者がいるわ」

「あ」

歌いながら金庫破りをしていたらNPCに見つかった。

頭の上に賞金が表示される。1000ゴールド。

「ちょいちょいちょい今まで盗んだ金額の半分じゃん、殺すか?」

とりあえず重攻撃をしてみたが低レベルの短剣の攻撃一発で死ぬことはなく賞金が5000ゴールドに跳ね上がりNPCが攻撃してきた。

「許されることだと思ってるのか!お前を衛兵に突き出してやる」

「無駄にフルボイスのNPCです本当にありがとうございました」

そのまま重攻撃を3発当てて殺してNPCが持っていたアイテムを盗んだ。俺の何がいけなかったのか。

殺害現場に他のNPCが来て賞金が上がるのは避けたかったので俺はNPCの家から立ち去った。

集合予定場所にブライトもゆんちゃんも来ていたので合流した。

「おぉん、イルさんなんでブライトの背中に隠れながら歩いてるの?」

「秘密」

衛兵が寄ってきた。

「イルさん、何で手上げてるんだ?」

「いや、衛兵が寄ってきたら体が勝手に」

手を上げてるところ衛兵が更に近づいてきて言った。

「この者は犯罪を犯した。そうだな5000ゴールド支払ってくれるなら許そう」

支払うか支払わないかの選択肢が出る。

「おぉん、賞金あって草はえる」

「許して」

課金アイテムの犯罪を1回見逃してくれるヤツを買っておけばよかった。もちろん払える金額は持ち合わせていない。

「ほぉ?払わないなら貴様はここまでだな」

時間切れで払わない選択になり俺は衛兵の攻撃2発で死んだ。

「ワロタ今起こすわ」

死んでいるから喋れないが辞めてくれ待ってくれ!今起こさないでくれ!金と盗んだアイテムを没収されて終わりな訳ではない。まだ3000ゴールド賞金が残っている。

ブライトに復活の秘薬で起こされたが衛兵が近寄ってきた。

「賞金まだあるのかよ草はえる」

「お前が犯罪者とは思わないがくれるというなら3000ゴールドもらってやろう」

支払うか支払わないか選択肢が出る。

「助けて」

時間が切れる。

「取引は不成立だな」

俺はまた衛兵に殺された。

その後何度か衛兵が居なくなってから起こされたが位置的に衛兵がすぐ駆け寄ってきて何度も何度も何度も殺してくれるという素敵な環境のため賞金が取り消されるまで1日放置された。本当に俺の何がいけなかったのか・・・・。

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