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番外編 (ユウ) 君の隣にいるために 5

それから僕らは、これからのことをいっぱい話した。今まで口に出せなかった、具体的な将来計画を。


えっちしたいと言葉を濁して言うと、きょとんと首を傾げた後で、みるみる顔を真っ赤にさせた可愛いマナ。

結婚しようと言うと嬉しそうに目を潤ませ、でもすぐに顔色を悪くして目を伏せた。

マナの不安は手に取るように分かった。

僕も考えたことがあったから。

親に愛されていない人間は、ちゃんと子どもを愛せるのか。・・僕の場合は偽りでも愛情らしいものを与えられてきたけど、裏切りを味わってる。

そしてマナは僕よりもずっと身体も心も傷つけられてきた分、不安は大きいのだろう。


でも僕には確信があった。

あの村に、おばあちゃん達と一緒に暮らしていれば絶対に大丈夫だろうと。

あの村の人達は子どもは皆で育てるものだという考えがある。赤ちゃんがいる家にわらわらと人が集まり、自然と助け合うようになってる。

だから、だいじょうぶだよ、と。

まるで人任せな言葉だけど、僕らはいつだって皆に支えられて来た。

苦しい時には助けてもらっちゃおう。そして僕らも皆の為にできることをしたらいいんだよ。


僕の言葉にマナは泣きながら笑って、何度も何度も頷いた。


本当に、あそこを僕らの居場所に決めて良かった。

おばあちゃんや、皆のおかげで、臆病な僕らは一歩踏み出せる。






*****


初めてマナの身体に触れた時、僕は震えてたと思う。

嬉しくて。

感動して。

なんだか、胸がいっぱいになって・・


女の身体なんて気持ち悪いって思ってたことなんて、まるで忘れてた。


マナは・・・とにかく綺麗で。すべすべで。

やわらかくて、あったかくて、信じられないほど心地よい手触りだった。

僕の手が触れるたび、マナは顔を真っ赤に染めて恥ずかしそうにくすぐったそうにビクンと震えて反応する。

それが可愛くて、愛おしくて、うれしくて、泣きそうになった。ううん、僕は泣いてた。

マナもいっぱいいっぱいだったからきっと気づいていないと思う。思いたい。まあ、マナは僕のかっこ悪い姿を見たって、笑わないだろうけど。





マナとえっちしてから、僕は思春期真っ只中のガキんちょみたいに盛りついた。

初めて知った震えるくらいの快感に抗いようもなかった。


だって、仕方ないよ!

あの健気な、かわいいマナに、我慢なんてできるわけない。

ましてや僕らは一つの布団で寝てるわけだし、手を出すなと言われる方が無理だろう。


マナはゆっことは色々話してるらしくて変な影響受けないかと心配したけど、かなりイイことを教えてもらっているようだった。

愛し合う恋人同士なら、毎日でもどれだけでも愛し合ってもいいとか、気持ちイイ時にはちゃんと言うべきだ、とか。嫌なことも身体に不調がある時とかガマンするのは良くない、とか。

ホント素晴らしい助言。

おかげでマナは恥ずかしそうにしながらも、思ったことはちゃんと口にしてくれる。

経験の少ない僕にとっては本当にありがたいことだ。


飽きることなく毎晩マナに覆い被さり何度も求める僕に、なんの疑問を持つことなく抵抗もなく、そういうものだ、と思い、僕を受け入れてくれる。

それをいいことに僕は純粋無垢なマナのカラダに気持ちイイことを教え込んでいく。

ああ、ごめんね。でもマナが可愛すぎるのがいけないんだよ。





「ユウ兄、念願達成、おめでとうさん。ずっと家に籠って、蜜月はどうじゃった?」

ニシシと笑いながらバシっと僕の背中を叩く銀太。

馬鹿力で叩かれるとめちゃくちゃ痛いんだけど、今はそれも許せてしまうほど幸せだ。

僕のゆるんだ顔を見て銀太も呆れたように笑う。

「なんじゃ、メロメロじゃのう。そんなにヨかったんか?」

「・・・ヤバいくらい。最高だった」

「ほーか。よかったの。どっちが先に赤子を抱けるか、競争するか?」

目指せ、子沢山みたいなことを言ってるこのバカップルは結婚したらきっとポンポンと子どもを産むのだろう。


「いや、子どもはまだいいや」

「なんじゃ。ゆっこが残念がるぞ。同級生にするーとか言っておったからのう」

「・・・まだまだ足りないから。しばらくは僕がマナを独占したい」


銀太はひょいっと眉を上げ、ガハハと笑ってまた僕の背中を叩いた。

「ユウ兄のその顔が見れてわしは満足じゃ。よかったのお」

「・・ありがとな、銀太。僕達のこと、あれこれ気に掛けてくれてて」


改まってそう礼を言えば、銀太はまたガハハと笑う。

「ええんじゃ、ええんじゃ。ユウ兄達が来てくれて、ゆっこも毎日機嫌がイイからのう。わしからも礼を言いたいくらいじゃ。

この村に帰って来てくれて、本当に有難い。

わしら若者が、これからこの村の柱じゃけん。頼りにしとるでな、ユウ兄」


帰って来る、なんて。そんな風に言ってくれるとくすぐったい。

こいつはホント、弟みたいだ。

僕よりでかいけど。






*****


役場での仕事は毎日、いろんなことをする。

若いのは僕だけだから、力仕事や細やかな仕事もあれこれと呼ばれる。

一日中村中を歩き回って、家に帰る。


家には明かりがついていて、玄関を開けた途端にふわりと夕飯のいい匂い。

「おかえりなさい」ってパタパタと奥から駆けて来る、エプロン姿の可愛い可愛い僕の奥さん。


僕が描いてた、理想の家族の形がここにあった。

きっとマナもそう思ってる。

だから、「ただいま」って返すと、それだけでめちゃくちゃ嬉しそううに笑ってくれるんだ。

ここに、子どもが加わったらもっと幸せなんだろうけど。まあ、おいおいね。


両腕を広げて、マナをぎゅうっと抱きしめる。

あたたかくてやわらかい、愛しいぬくもり。


・・・もうちょっと、ゆっくり、この幸せを噛みしめたいんだ。


ありがとうございました!

ユウのマナへの溺愛っぷりを少しでも伝えられたら、と思いました。

届きましたでしょうか(⌒▽⌒)


明日から、新連載をスタートします!

がんばって働く十七歳、新人OLさんのお話です。よろしくお願いします!!

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