番外編 ゆきちゃんの恋愛教室2
二人でお布団に入って、今日の出来事とか、たわいもない話から会話スタート。
おしゃべりの話題は、次々と変わってく。
そう言えば、昔・・・初めて学校に通うようになった頃なんか、「うん」とか「そう」って相槌を打つくらいしかできなかったまなみも、今ではけっこう色々しゃべってくれるようになった。
自分の言いたいことばっか雨あられのようにどんどんしゃべるな!ってよく怒られてたあたしだけど、まなみのおかげで黙って人の話を聞く力がついたと思う。
まあ、それでも八対二ぐらいの割合であたしがしゃべってんだけど。
寝る前にしている習慣は何?って話題になって。
あたしは入念にお肌の手入れをしてストレッチや腹筋もして、美しさを磨いてるってことを話した。
まなみは毎日続けているのは日記をつけることくらいだって。
他には他には?ってつついたら、あとは布団に入って電気を消してからユウ兄とお互いに今日の出来事を話しているとまなみが言う。
なんですって? ちょっと待ちなさいよ。それって・・
「ユウ兄と一緒に寝てるの? 同じ部屋で? 一緒の布団で? いつから?」
つい、連打で質問してしまった。
布団の中に逃げようとするまなみだけど逃げられるはずもなくて、しばらく沈黙が続いた後、ぼそぼそと白状した。
ここに来た最初の日からずっと一つの部屋で一緒に寝てるらしい。
「ゆきちゃん、あの、違うんだよ? 私が夢で魘されてたから手を握ってくれてね・・。あと、最初はお布団を並べてたんだけど・・・」
まなみがワタワタして付け加えてるけど、それってつまり、最初から手を握れる距離で寝てたってワケよね? え?
最初はってことは、今は? 今は同じお布団で寝てるの? うそーん。
なんて言うか・・、普通にびっくり。
「あの、えっと、ユウも夢見が悪くって。くっついて寝るとよく寝れるって」
一生懸命あたしに言い訳してるまなみがカワイイ。
こんな純粋で真っ白な子、天然記念物並みよ。
確かに普通の女の子とは違うかも。
オトコと一緒に寝てるのに、乙女の危機感とかまるで感じられないんだもの。
純真過ぎて手ぇ出しにくいのかしら。
毎晩、よく眠れるわねえ、ユウにい。
これが銀太なら、初日から・・・・イヤイヤ、今は銀太なんかの話をしてる場合じゃないって。
「どうにかしないと・・」
あたしがブツブツ言っているとまなみは可愛い顔をこてんと傾けて、何を?と聞いてくる。
ここは、あたしの出番かな。
「予備知識が無いと色々大変だもんね」
「え? ゆきちゃん?」
ユウ兄はのんびりやるからみたいなこと言ってたけど、この調子じゃ二人とも、じじばばになっちゃうわよ!
特に女のコの方が、色々大変なんだから前もって知っておくことは大事なことだと思う。
覚悟とかしないといけないし。痛いからね。
かわいいまなみに、あたしはにーっこりとびきりの笑みを向けた。
ちょっとビクっと肩を震わすところなんか、小動物みたい。本当にカワイイ。
「心配しなくても大丈夫よ、まなみ。おねえさんが色々教えてあげる。
任せときなさい」
「え? え?」
というわけで。雪子の恋愛教室が開催されました。
内容は、もちろん男女の・・・大人の愛し合い方について、です。
自分で言うのもなんだけど、あたしはけっこう知識豊富だと思う。
・・・なんてったって、ウチの旦那(予定)は自分の欲求に忠実なヤツだから。
えっち大好きだもんなー。まあ、おかげさまであたしもだけど。




