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12の狩人  作者: yasao
一章  雷刃夜叉、殺影、殺戮壊僧
3/14

新任教師 雷野源太

本編開始です。

O県某市にある、共和高等学校。

別に共産主義とかでもなく、ただ「皆、仲良くしようぜ」って信念で生まれた学校だから共和高校。

そんな高校に、1人の新任教師が入って来た。







『え~、そんな訳で、今日から此処で皆さんに勉強を教えてもらう「雷野かづちの 源太げんた」先生です。それではご挨拶をどうぞ。』

校長の無駄に長い紹介も終わり、半ばだらけてる生徒の前に現れた男。

その男を見た瞬間、ざわついてた講堂内が一気に静まり返った。

別に、その男がダラけた空気を許さなさそうな強面かつ真顔なゴルゴだったからではない。むしろ、彼の容姿はボサボサの髪、ちょっとシワができてる服、半眼とその男の方がダラけてる程だ。

では、何故に静まり返ったか。

それは男の腰についてる「物」が原因だった(下ネタではない)。


一振りの、日本刀。


中二病患者や、役者がつけるような偽物ではない、その鍔、柄、鞘の輝きどれも明らかに本物と分かる一振りの日本刀。

(何で、教師があんなの装備してんだよ・・・・・。)

(え、ウソ・・・、マジで?)

そんな囁き声があちこちで聞こえだす。

だが、男はそんなこと気にも留めずに、マイペースに自己紹介を始めた。


「どうも、今日から此処の教師になる雷野 源太です。歳は25、趣味は読書とスポーツ、好きなものは酒と子供。あ、子供って庇護的な意味でな?ん、そんなところだ、よろしく。」


普通だった。

一部を除いて普通だった。

何の変哲もない、ごく普通の新任教師の挨拶だった。

趣味まで模範解答だった。

そう言った男が下がった後も、講堂は動揺し続けていた(当たり前)。教師も同様だった(古いシャレ)。

「え、えぇ~・・・。雷野 源太先生は大変優秀な戦史の教師で、また居合いの名手でもあります。2-5組に担任として入っていただくので、皆さん何か戦史で分からないことがあったら是非そちらに行ってください。では、解散。」

流石と言うかなんと言うか、一足先に平静を取り戻した校長の発言により、今回の集会は終わりとなったのであった・・・。













所変わって、2-5の教室。

そこでは、新しいクラスメイトだと言うのにそのやり辛さもなく、皆が固まって仲良く会議おはなししていた。

その話題は・・・・。


「おい、さっきのあの教師どう思う?」

「どうって、普通の男が刀持てるか?委員会脅して免許ゲットした893かも・・・。」

「え、マジかよ・・・。」

「やだー!」


とまぁ、当然のように先程の怪しすぎる教師のことだった。

仮に893として、そんなのが自分たちの担任になったら大変である。皆が不安に揺れていた。

その時、凛とした声が上がった。

「何を言ってるんです?脅されたくらいで教員免許を出すほど、この国の教育委員会のモラルは低くありません。」

そう言い放ったメガネの少女。ビシッと制服を校則通りに着ており、そのブレザーの袖には「生徒会」と書かれた腕章がある。

御前みぜ ともえ、高校1年の時に生徒会に入り、その優秀さを発揮、進級と同時に生徒会長になった異例の天才生徒である。

「でもよぉ会長。だったら何でマジの刀持ってんだ?普通は持てねぇだろ?」

そう言う茶髪にだらしなく制服を着た少年は、腕に「体育委員」の腕章を着けていた。彼は木曽きそ 仲義なかよし、頭は残念だが抜群の運動神経を誇る共和高校のエースである。

そんな木曽の質問に御前が返した返答は・・・・、溜息だった。

「ハァ・・・。貴方はそんなことも分からないのですか?刀を持った男で、尚且つ暴力団関係ではないとなると、1つしかありません。」

そう自信満々に言い張る御前。その時、教室のドアが開いた。

「ほら、先生も来たようです。直接訊いてみましょう。」


「お前ら~。何の話してんだか知らんがちょっとだけ席戻れ~。」

そう言いながら入ってきたのは、やっぱりだらしない格好した件の新任教師だった。

取り合えず席に座る生徒たちを見ながら、教壇に立つ男、雷野。

「よし、これからお前らの担任になるんだしな、俺に質問があったら言え。」

そんな発言もやっぱり普通だった、どんだけ普通の教師になりたいんだ。だったら刀を置いたらいい。

まぁ、そんなナレーターの呟きはさておき、早速手を挙げた子がいた。

「先生、質問があるのですがよろしいでしょうか?」

御前だ。先程の自分がした予想が当たってるか知りたいのだろう。

そんな考えも知らず、雷野は「ん、なんだ?」と返した。

その返答を聞き、御前は言った。


「先生は教師になられる前、何をしておられましたか?」


確かに、核心を突く質問だろう。

返答すれば、以前が何だったか分かるのだ。少々ストレート過ぎる気もするが・・・・。

そして、雷野は顔色も変えずにこう言った。


「教師の前?俺位の歳の奴ぁ大体そうだが、戦争に参加してたぜ。」


「・・・・・・・・。」

雷野の質問に無言になる御前。

確かに、戦時中には自衛隊員を大募集し、大抵の若者はその高月収に釣られて入隊していた。

だが、自分が聞きたい返答では少し違う。大一、退役軍人でも刀は普通持てない。

そんな御前に助け舟を出した者がいた。まさかの木曽だ。

手を挙げるや否や、彼はこう訊いた。

「居合いやってるって言ってたけどよぉ、どんな流派なんだ?色々あるだろ?」

その質問にハッとする御前。そうだ、それを訊いて答えが自分の予想通りならば間違いなく予想通りの人物なのだ。

木曽に礼を言おうとしたが、それより先に雷野が答えた。


「流派?雷神抜刀流だな。」


その瞬間、教室が凍った。

御前は「やっぱり・・・」と言った顔をしていたが、それ以外は驚きで固まっていた。

質問した木曽も同様だ。かなり動揺している(しつこい)。


そして、そんな空気を作った張本人は一瞬「あっ」な感じの顔をした後、こう言った。

「やっべ~、バレたか?・・・・まぁいいや。お前ら今ので分かったと思うが、『雷野 源太』は偽名だ。俺の本名は『源 雷光』。第三次大戦で近畿防衛をしてた。」

皆さんは、退役軍人が刀持って担任になったらどうです?

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