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後編

「先輩は、どうして俺のことを知ってるんですか?」


至極当然の疑問。


「俺は、学校ですし、先輩を見覚えはあるかもしれないけれど、何か話したりした覚えは無いです」


あ、この卵焼きすごい美味しい。


「うん・・・そうだろうね。英一郎君が私にしてくれたのは、きっと通りすがりの優しさだけど。私には、とっても大事な優しさだったの。」


何時から俺は、そんな優しさを振りまくような人になったのだろうか。



「いや、本当に分からないんですけど・・・」


「ひみつっ!ですっ!!乙女の秘密は堅いんです!」


「そうですか・・・」


乙女の秘密とか言われると気になるけど、聞きづらい。あ、この唐揚げもおいしいな。


「お弁当ごちそう様でした、ちょっと俺用事があるんで」


「千夏ちゃんのところ?」


乙女の直感なのだろうか。恐怖です。


「千夏ちゃんのこと、好きなのかな・・・やっぱり?」


「・・・いや、別にそんな訳じゃないんですけど、このままだとなんか落ち着かないじゃないですか。ちょっと行ってきます」


英一郎は別れを告げて、駆け出した。


残された少女はつぶやく。


「そういうのが・・・すきって事じゃないのかなぁ・・・。でも・・・、告白した私のほうが一歩も二歩も近づいたから・・・負けないよっ!」


結局、昼休みに千夏は見つからなかった。今流行のトイレでご飯なのだろうか。


休み時間もすべて、回避される始末。



「待てぇえええええ!!」


全力で、下校しようとする、千夏を追いかける。


追いかけるが、千夏早いなぁおい、中学校陸上で入賞は飾りじゃなかったのか。


「くそっ・・・!!追いつけない!!」


「俺に任せろぉおおおお!!」


日下部!!いたのか!!


見る見る距離を縮める日下部、あっという間に千夏の手を掴む。


日下部・・・お前、足めちゃくちゃ速いんだな・・・。


「ふー、ち、ちなつー、どうして、俺をーさけるー」


「べ、別にさけて・・・ないもん」


あれだけ走ったのに、肺活量は全然違うらしい。


「っー、俺はなー、お前と何時もどおりパン屋に行かないとな・・・落ち着かないんだよ。」


「えっ・・・、それって・・・」


「あぁ・・・」


3人の時間が、一瞬止まる。


「俺はな、クロワッサンも案外好きらしい。」


千夏にグーで殴られた。思いっきり。


「もうばかっ!!」


空気と化していた日下部を振りほどいて、歩き出す千夏。


「おい、待てって!!」


「そうです。英一郎君、待ってください。」


立花先輩・・・、俺の回りは皆忍者なのか・・・?


「一緒に・・・帰りましょう?」


「いやです、お断りします」


戻ってきた千夏が俺の手を引きながら、毒を吐く。


「私は・・・、英一郎君に聞いてるんです。」


空いてるもう片方の手を、立花先輩が握りながら歩く。


日下部が少し後ろで、叫んでいる。


「俺の怒りがぁあああ!!有頂天ぅううううう!!」


それ、ぱくり。



夕暮れ、今日も、昨日より一枚の層を重ねた。


明日はきっと、明後日はきっと、一枚、もう一枚と、


積み重ねていく僕らの日々、それはきっと、


こうなるまで気付けなかったけど、まるで・・・ね。

初めましてなぽぽぽぽーん、ワンダーフォレストです。

一部は、このお話でおしまいです。いかがだったでしょうか?

二部は、また別のお話となります。

社会人の二人を巡るお話となります。

ぜひ読んでやってください。

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