ホラーだけど笑える話3 時に蒟蒻ゼリーは刃物よりも鋭く心に突き刺さる
ホラーだけど笑える話1、2では
「怖いけど笑えない」
という感想があったので、笑いを意識して書きました。
俺はあきらの家に遊びに行った。
小学3年生、遊び回りたい時期だった。
しかし、こんなところで最期を迎えるとは誰も予想していなかった。
「よーし、かかってこい。」
「いけー。」
あきらの家じゅうを走り回り、忍者ごっこをしていた。
あきらの家の人は共働きで家にはあきらと姉だけ。
今日は、姉が出かけていたので、あきら一人しかいなかった。
「それじゃあ、おやつにしようぜ。」
忍者ごっこが終わり、あきらは冷蔵庫から何かを取り出してきた。
「ごめん、おやつこれしかなかったー。」
そう言って出したのは、蒟蒻ゼリーだった。
「なんだ、これだけか。」
俺はつい本音を口にしてしまった。
「しょうがないだろ。この家には俺しかいないんだ。
諦めてくれよ。」
「嫌だね。諦めないぞ。」
自慢ではないが、諦めの悪さだけは誰にも負けなかった。
俺は食い意地をはった。
「もっと別のお菓子出せよ。」
「これしかないんだ。仕方ないだろ。」
「くそ。俺は諦めないぞ。
こんなもの一口で食べ終わっちまう。」
そう言って俺は、蒟蒻ゼリーを思い切り口に放り込んだ。
すると次の瞬間、俺は息ができなくなり。
その場に倒れ込んだ。
机の上にあった蒟蒻ゼリーのパッケージを見ると
「小さなお子さまや高齢者の方が食べる際には、
喉に詰まらせないよう十分に注意してお召し上がりください」
と書いてあった。
それを見た時にはもう遅かった。
「おのれ、あきら・・・」
そのまま俺は、帰らぬ人となってしまった。
俺はあきらの家に遊びに行った。
今度は霊となって・・・
俺の目的は俺を殺したあきらを殺すことだけ。
家の奥に行くと、あきらがいた。
少し、暗い表情だった。
それはそうだろう、友達を一人失ったのだから。
しかも、自分の家で。
しかし、そんなあきらの思いなど知らず、自分はあきらに殺されたと思い込んでいた。
おやつにケチをつけたから。
俺は、台所に置いてあった包丁であきらの胸を突き刺した。
ものすごい量の血が勢いよく飛び散った。
あきらは声を出すこともできずに死んでいった。
「こんなに早く逝かれちゃおもしろくねーだろ!」
俺は意識もないあきらの胸ぐらをつかみ、あきらの左目に手を当てた。
「目ん玉くりぬいてやる。」
俺は眼球を神経から抜き取った。
大量の血が流れる。
俺は、神経を噛みきり眼球を床に投げつけた。
すると、左目はペチャという音をたててつぶれた。
そう、まるで蒟蒻ゼリーのように―。
その後発見された死体は両目が抜き取られていた。
俺は諦めの悪さだけは誰にも負けなかった。
「絶対あきらめないから。」
予告通りあきらの目はなかった―。
眼球は抜かないでください。
By 寺の坊主