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最終決戦

部分融合を果たした花子に対し、魔王も本格的に力を発揮し始めた。


『面白い。部分融合を成功させるとは』


『では、私も少し本気を出してみよう』


魔王の体が漆黒のオーラに包まれていく。その威圧感は先ほどまでとは比べ物にならない。空気が重くなり、魔王の間全体が暗黒のエネルギーで満たされる。


「来るで!」


花子も愛庖絆刃を構える。部分融合の力で、魔王の威圧感もかなり軽減されている。しかし、それでも相手は魔王。油断は禁物だった。


「『神饌調理術・愛庖刃』」


花子が新たに習得した技を放つ。部分融合により、技の威力も格段に上がっている。


無数の愛の刃が魔王に向かって飛んでいく。それぞれが美しい光を放ちながら、空間を切り裂いて進む。


『ほう』


今度は魔王が真剣に防御する。暗黒の盾で防ぐが、盾に深い傷がつく。魔王の表情にも、僅かながら驚きの色が浮かんだ。


『久しぶりに手応えのある攻撃だ』


「まだまだ行くで」


花子が追撃を仕掛ける。愛庖絆刃を振ると、刃から愛の光が溢れ出る。


「『神饌調理術・愛情連続斬り』」


瞬間移動のような速さで魔王の周囲を駆け回り、連続攻撃を叩き込む。


『では、私も』


魔王が反撃に転じる。両手を上げると、魔王の間の天井から暗黒のエネルギーが降り注ぐ。


『魔王魔法・暗黒の槍雨』


無数の暗黒の槍が雨のように花子に向かう。一本一本が巨大な破壊力を持っている。


「『神饌調理術・愛情防護壁』」


花子の愛の光で暗黒の槍を相殺していく。光と闇が激しくぶつかり合い、魔王の間に爆音が響く。


互いの攻撃が激しくぶつかり合う様子に、束縛されている仲間たちが息を呑む。


「すごい...」


ユウキが感嘆する。


「花子さんが魔王と対等に戦ってる」


しばらくの間、花子と魔王は互角の戦いを繰り広げた。


花子の『神饌調理術・愛情爆裂斬』が魔王の『暗黒破壊波』と衝突し、巨大な爆発を起こす。


『魔王魔法・重力支配』


魔王が重力を操り、花子の動きを封じようとする。


「うっ...重い」


花子の体に10倍の重力がかかる。


「でも、この程度で!『神饌調理術・愛情軽快術』」


愛の力で重力を軽減し、再び軽やかに動き回る。


『なるほど、部分融合とはこれほどの力か』


魔王も花子の成長を認めている。魔王の瞳に、千年ぶりの真剣さが宿っていた。


『千年前の料理人より遥かに強い』


「おばあちゃんの先祖を馬鹿にせんといて」


花子が反論しながら、『神饌調理術・愛情回転斬り』を放つ。


「あの人も精一杯戦ったんや」


竜巻のような愛の刃が魔王を襲う。


『魔王魔法・時空歪曲』


しかし魔王は時空を歪ませて攻撃を逸らした。


戦いは長期戦の様相を呈し始めた。


「『神饌調理術・愛情三段斬り』」


花子が三連続の斬撃を放つ。


『魔王魔法・闇分身術』


魔王が自分の分身を3体作り出し、それぞれが花子を攻撃する。


「分身かいな!『神饌調理術・愛情全方位斬り』」


花子が回転しながら全方向に愛の刃を放ち、分身を全て消し去る。


『フフフ、やるではないか』


魔王が愉快そうに笑う。


『だが、私の技はこれだけではない』


『魔王魔法・暗黒迷宮』


突然、魔王の間が巨大な迷宮に変化した。


「うわぁ、どこやここ」


花子の周りは暗闇の壁に囲まれている。複雑に入り組んだ迷宮の中で、魔王の気配を探る。


『この迷宮の中で、私を見つけられるかな?』


魔王の声が四方から響く。


「隠れんと正々堂々戦わんかい!」


花子が愛庖絆刃を振ると、愛の光が迷宮を照らす。


「『神饌調理術・愛情探知術』」


愛の力で魔王の居場所を探る。


『そこや!』


花子が迷宮の壁を愛の刃で破壊し、魔王に向かって突進する。


『見つけるとは、さすがだ』


魔王が暗黒の剣で迎え撃つ。


愛庖絆刃と暗黒の剣が激しくぶつかり合う。


キィィィン!


金属音が響く中、花子と魔王の剣撃戦が展開される。


「『神饌調理術・愛情連続剣技』」


花子が息もつかせぬ連続攻撃を仕掛ける。


『魔王剣術・暗黒無限斬』


魔王も負けじと連続攻撃で応戦する。


二人の剣技が激しくぶつかり合い、迷宮の壁が次々と破壊されていく。


「速い...」


ユウキが目を見張る。


「あの速さについていけない」


ミラも驚愕している。


『見事な剣技だ』


魔王が花子の技量を称賛する。


『千年間、これほど私を楽しませてくれた者はいない』


「あんたかて、めちゃくちゃ強いやん」


花子も魔王の実力を認めている。


「さすが魔王やね」


しかし、戦いの途中で魔王の表情が変わり始めた。


『だが、これが私の真の力だ』


『魔王真形態・絶対支配者』


魔王の姿が劇的に変化していく。


12枚の翼が24枚に増え、体格も一回り大きくなる。全身が暗黒の炎に包まれ、瞳が深紅に輝く。


暗黒迷宮が消失し、元の魔王の間に戻る。しかし、空間全体が魔王の強大な力で歪んでいる。


「うわぁ...すごい威圧感」


今度は部分融合した花子でも、魔王の真の姿に圧倒される。呼吸すらも困難になるほどの威圧感だった。


「『神饌調理術・愛庖刃』」


花子が同じ技を放つが、今度は魔王に簡単に防がれてしまった。


『その程度か』


魔王が片手で花子の攻撃を弾く。


『部分融合など、私の真の力の前では無力だ』


『魔王魔法・現実消滅』


魔王が手を振ると、空間の一部が完全に消失した。そこには何もない「無」の空間が広がっている。


「消えた...空間が消えた」


花子が戦慄する。


『魔王魔法・時空支配』


魔王が時間と空間を自在に操り始める。


花子の攻撃が時間を逆行して消え、空間を歪んで別の方向に飛んでいく。因果律すらも魔王の支配下にある。


「こんなん、どうやって戦えと...」


花子が絶望しかける。


『諦めるがよい』


『お前程度では、私の真の力には対抗できん』


『魔王魔法・絶対零度』


魔王の間の温度が急激に下がり、花子の動きが鈍くなる。


その時、束縛された仲間たちに魔王の攻撃が向けられた。


「みんな!」


『フフフ...仲間が心配か?』


『ならば、目の前で始末してやろう』


魔王が巨大な暗黒の刃を仲間たちに向ける。その刃は確実に仲間たちの命を奪うだろう。


「花子さん!」


ユウキたちが縛られたまま叫ぶ。


「早く逃げて!」


「花子さん、諦めないで」


ユウキが必死に言う。


「私たちは花子さんを信じてます」


「どんなに強い敵でも、花子さんなら必ず勝てます」


ミラも続く。


「お母さんみたいな花子さん」


「僕たちの分まで戦ってください」


ライトも必死に叫ぶ。


アンナとエルフの長老も、縛られたまま花子を見つめている。


「花子殿、我々の命など気にせず」


長老が言う。


「世界のために戦ってください」


しかし、魔王の暗黒の刃が仲間たちに迫っている。


『さあ、目の前で仲間を殺してやろう』


魔王が暗黒の刃を仲間たちに向ける。刃の先端が光り、今にも放たれようとしている。


「やめて!」


花子が必死に攻撃するが、魔王の防御を破れない。


『無駄だ』


『お前の力では、私を止められん』


『仲間諸共、絶望に沈むがよい』


魔王の刃が今まさに仲間たちを貫こうとした、その時...


『花子さん』


愛音の声が心に響く。


『まだ、方法があります』


「愛音ちゃん...」


『完全融合です』


『私と完全に一つになれば、魔王と対等に戦えます』


『でも...』


「でも、何や?」


『完全融合すると、もう二度と元には戻れません』


『花子さんは人間ではなくなってしまいます』


花子の脳裏に、これまでの思い出が駆け巡る。


家族との時間、仲間たちとの冒険、そして魔王との戦い。


「でも、みんなを守らな」


花子が決意を固める。


「人間やなくなっても、みんなが生きててくれたらそれでええ」


『本当に、よろしいのですか?』


愛音が最後の確認をする。


「うん」


花子が愛庖絆刃を握りしめる。


「みんなを守るためなら、何でもする」


「それが、お母さんの役目やから」


「もう...これしかない」


花子が空を見上げる。


「愛音ちゃん、ありがとう」


『こちらこそ、花子さん』


『一緒に戦えて幸せでした』


「最後まで、よろしく頼むで」


花子が愛庖絆刃を胸に当てる。


「みんな、ごめんな」


「でも、これで守ったるから」


魔王の刃が仲間たちにあと数センチまで迫った時、花子が叫んだ。


「卍解・愛庖無限刃あいほうむげんじん

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