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魔王との直接対決・圧倒的な力の差


扉を開けると、そこは想像を絶する光景が広がっていた。


「うわぁ...」


魔王の間は、まるで異世界のような空間だった。


空には無数の星が輝き、足元には暗黒の水面が広がっている。


そして中央の玉座に、ついに魔王が座っていた。


「みんな、気をつけて」


花子が仲間たちに注意を促す。


『よく来た、神饌調理術の継承者よ』


魔王は予想以上に美しい姿をしていた。


長い銀髪に紫の瞳、そして12枚の黒い翼。


しかし、その美しさの裏に恐ろしい力が隠されている。


『我が名は魔王ザフィール』


『千年前にも、お前の先祖と戦った』


「千年前...」


花子が身構える。


「あんたがおばあちゃんの先祖と戦った魔王か」


『そして今度は、お前たち全員を相手にしてやろう』


魔王が立ち上がると、空間全体が震動した。


「うっ...」


仲間たち全員が魔王の威圧に押し潰されそうになる。


『感じるか?この力を』


『四天王など、私の力の欠片にすぎん』


魔王の魔力だけで、みんなが立っているのがやっとだった。


「すごい威圧感...」


ユウキでさえ聖剣を握る手が震えている。


「みんな、行くで!」


花子が号令をかける。


「『聖剣技・光の斬撃』!」


ユウキが先制攻撃を仕掛ける。


「『炎魔法・ファイアストーム』!」


ミラも最大威力の魔法を放つ。


「『剣技・無双乱舞』!」


ライトも必殺技で参戦。


みんなの攻撃が魔王に向かっていく。


しかし、魔王は指一本動かすことなく、すべての攻撃を防いでしまった。


『その程度か』


暗黒のバリアがすべての攻撃を弾く。


「そんな...僕たちの全力攻撃が」


ユウキが愕然とする。


「全然効いてません」


ミラも困惑している。


『千年前と変わらん』


『人間の力など、この程度よ』


「みんな、下がって」


花子が前に出る。


「『神饌調理術・愛庖絆刃』」


愛庖絆刃から虹色の光が放たれる。


今度は魔王のバリアに傷がついた。


『ほう、やはりお前だけは違うな』


魔王が初めて興味を示す。


「『神饌調理術・愛情無双斬り』」


さらに強力な攻撃を仕掛ける。


『面白い。では、私も少し本気を出してやろう』


魔王が手を向けると、暗黒の魔法が発動された。


「『魔王魔法・重力支配』」


突然、仲間たちに巨大な重力がかかった。


「重い...」


ケンが膝をついてしまう。


「動けません」


アンナも立っているのがやっと。


「『魔王魔法・時間束縛』」


今度は仲間たちの時間が止められてしまった。


「みんな!」


花子だけが、愛庖絆刃の力で魔王の魔法に抵抗できている。


『フフフ...お前の仲間は、もう動けまい』


『これで実質一対一だ』


ユウキたちは意識はあるが、体が全く動かない状態。


「みんなを解放して!」


花子が必死に叫ぶ。


『嫌だと言ったら?』


魔王が嘲笑う。


『お前一人で私と戦うのだ』


「ユウキさん、ミラちゃん...」


仲間たちは束縛されたまま、花子を見つめることしかできない。


実質的に、花子一人での戦いになってしまった。


『千年前、お前の先祖も勇敢に戦った』


魔王が語り始める。


『しかし、最後は私の力に屈した』


『神饌調理術も、魔王の力の前では無力だった』


「嘘や」


花子が反論する。


「千年前の勇者が魔王を封印したって聞いてる」


『封印?』


魔王が嘲笑う。


『私は自ら眠りについただけだ』


『人間どもの必死の抵抗が面白くてな』


「まだまだや」


花子が立ち上がる。


「『神饌調理術・愛情無双斬り』」


愛庖絆刃から虹色の斬撃が放たれる。


しかし、魔王は指一本で斬撃を止めてしまった。


『面白い技だが、威力が足りん』


『この程度では、私の皮膚も切れまい』


「そんな...」


花子が愕然とする。


最強の技が全く通用しない。


『つまらん。もう少し楽しませてくれると思ったが』


魔王が本気を出し始める。


『魔王魔法・重力制御』


突然、花子の体に巨大な重力がかかった。


「重い...」


立っているのも困難になる。


『魔王魔法・時間操作』


今度は時間が遅くなり、花子の動きが鈍くなる。


『魔王魔法・空間歪曲』


空間そのものが歪み、花子の攻撃が別の方向に飛んでいく。


「こんなん、どうやって戦えと...」


花子が絶望し始める。


『理解したか?お前と私の力の差を』


『千年前も、お前の先祖は最後にこう言った』


『「もう、無理や...」とな』


魔王の攻撃が激しくなっていく。


『魔王魔法・暗黒の嵐』


無数の暗黒の刃が花子を襲う。


「『神饌調理術・愛情大盾』」


必死に防御するが、盾にひびが入っていく。


『魔王魔法・絶望の瘴気』


花子の心に絶望の感情が流れ込んでくる。


「みんな...助けて」


束縛されて動けない仲間たちが、精一杯声をかける。


「花子さん、頑張って!」


ユウキが必死に声を絞り出す。


「私たちがついてます!」


ミラも続く。


「負けるな!」


ライトも応援する。


しかし、魔王の結界で声が届きにくい。


『無駄だ。ここは私の領域』


『お前は一人で戦うしかない』


花子が完全に孤立してしまった。


「一人で...こんな化け物と」


愛庖絆刃も、魔王の力の前では光が弱くなっている。


『諦めるがよい』


『千年前と同じく、私の勝利だ』


魔王の攻撃で、花子は完全に追い詰められた。


体中が傷だらけで、愛庖絆刃を握る力も弱くなっている。


「もう...限界かも」


花子が膝をつく。


『そうだ、諦めろ』


『お前の力では、私には勝てん』


『人間は所詮、この程度の存在よ』


花子の心に、深い絶望が広がっていく。


「私なんかじゃ、魔王には勝てへん」


「おばあちゃんの先祖も負けたんや」


「みんなに申し訳ない」


愛庖絆刃の光が、ほとんど消えかけている。


『良い表情だ』


『その絶望に満ちた顔』


『千年前の料理人と同じだ』


しかし、その時だった。


愛庖絆刃の奥底から、微かな光が漏れ始めた。


「え?」


包丁の中から、おばあちゃんの声が聞こえてくる。


『花子...まだ諦めたらあかん』


『あんたには、まだ使ってない力があるやろ』


「おばあちゃん?」


『この包丁には、まだ隠された力がある』


『でも、それを使うには覚悟が必要や』


『命をかける覚悟が』


おばあちゃんの声が続く。


『花子、あんたは本当に世界を救いたいか?』


『自分の命と引き換えにしても?』


「うん...」


花子が頷く。


「みんなを守りたい」


『やったら、包丁と心を一つにするんや』


『完全に一体となるんや』


『それが、神饌調理術の最終奥義』


包丁から温かい光が溢れ始める。


魔王も、その光に気づいた。


『何...その光は』


『まさか、お前もあの技を』


魔王が初めて動揺を見せる。


「おばあちゃん、やり方を教えて」


花子が決意を固める。


『包丁に語りかけるんや』


『心の底から』


『そして、一つになりたいって願うんや』


花子が愛庖絆刃を両手で握りしめる。


「和包丁さん...」


「私と一つになって」


その瞬間、花子の意識が包丁の中に入っていく。


そこは温かい光に満ちた空間だった。


そして、一人の女性が立っていた。


「あんたが...包丁の精霊?」


『はい。私は愛の精霊です』


美しい女性が微笑んでいる。


『長い間、待っていました』


『真の継承者を』


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