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キャラメイキング

あけましておめでとうございます!今年も私の作品をよろしくお願いします!


「――――――おい、聞いてるか?」


深く、気持ち良い睡眠時間の中で、体を揺すられる。度重なる振動が私の安眠を邪魔しながら私は二度寝を決め込もうとするが、頭をひっぱたかれた。痛い。

ズキズキと痛む頭を抑え、叩いた張本人を睨みつけた。

どうせ叩いたのはアイツだろうし、睨んでもいいでしょ。


「何?さっちゃん。私の安眠を邪魔した罪は重いよ?」


睨みつけた先にいる美形の男子に向かって傲岸不遜なる言葉を投げつける。

その対象は、黒髪短髪で爽やかイケメンの男子。あだ名がさっちゃん。親しい友人にはこう呼ばれている。そんな彼はとても良くモテてて、女子からのアプローチは1日に4を超える。

今もこうして私は他のアプローチしたい女子から怨嗟の視線が送られてきている。くわばらくわばら。

私の言葉に対して、鼻で笑って言葉を返してきた。


「何?とは失礼だな。まず第一にここは学校だし、安眠と言っても居眠りしてたお前を授業終わりに起こしてあげた俺の優しさがわからんのかね?」

「質問を質問で返すなァー!と言いたいけど、聞きたかったことは聞けたから水に流してあげるよ。」

「何で俺が下に見られてるんだ……?」


なんということだろうか。私は授業中に居眠りを決め込んだ挙げ句、起こしてくれた幼馴染に対して悪態をついたみたいだ。まじかよ、最低だなそいつ。私だけど。

椅子にもたれかかり、体を伸ばした後に立ち上がる。

風に揺らめいた長髪を耳の後ろに移動させて歩き始めた。

幼馴染は呆れた顔で、ため息を吐きながら付いてきた。

立ち上がり、優美を意識して歩く姿は百合の花な私は、男子の視線を集めてしまう。

告白されることもあるけどOKを出したことは一度もない。少しカラオケとかで遊んでみたら、男子が全て堕ちて私の虜になるという実話混じりの噂が立ってしまう事件が起きた。

それ以降、ついた私のあだ名は『ファムファタール』。

かっこいいよね、取り敢えずつけたやつ殴ってやるからこっち来い。運命を狂わせて破滅させる女じゃないんだわ。

こんな私にめげずに付いてきてくれるんだから、こいつもお人好しだよね。


「いやー、今日も私が美しすぎて太陽が嫉妬してるよ。ほら、さっちゃんもなにか言ってよ。」

「なんで神様はこいつに美貌を与えたんだ?無意味だろ、怠惰と傲慢を併せ持つ奴に渡したの神様の今世紀最大のミスと言っても過言ではないな」


聞こえるように悪口をぶっこんでくる幼馴染に対してため息を付いて語りかける。

心を射止めるようにぶりっ子全開で。声を数トーン上げて、間延びさせ、上目遣いで語りかけた。


「えぇー?私ぃ、怠惰とかぁ、傲慢とかぁ、難しいからわかんなぁーい」

「お前みたいな人間生ゴミのことを言うんだよ、おバカなゴミさん?」

「はったおすぞ、テメェ」

「本性が出てるじゃないか。」


思わずぶりっ子が破壊されて黒い側面が溢れ出してしまった私。以後気をつけます。

取り敢えず、その後の授業も終えて、私は家に帰った。



















「ただいま。お母さん――――――あれ、居ないのかな?」


玄関を開けて家の中に入る。母親に会うためにリビングに向かうと、一つのヘッドギアが置いてあった。

これが私が注文していた代物、『44式ヘッドギア』。五感を完全再現したシステムである、『ワールドシフト』機構を搭載したフルダイブVRゴーグル。手にとって私は二階に駆け登る。

時間が惜しい!1秒でも速くこいつがやりたい!

やった!明日に届くって書いてあったけど、これなら速くできそう!


「早速、やってみるしかないでしょ!」


母親捜索を中断して自室に向かう。買い物に行ってるだけだと思うし。

部屋に入ってベッドにダイブした。RTAばりの速さでヘッドギアの電源を入れてリラックスする。

徐々に意識が遠くなり、体が浮かび上がるような感覚が私を襲い、意識を手放した。























『ようこそ。VRMMO『アニマリア・オンライン』の世界へ。私は日本サーバー担当のデルタです。』

「よろしくお願いします。」

『まずはこちらの画面を設定してください。』


丁寧に挨拶を返して、次の操作に進む。

『アニマリア・オンライン』は、私が授業で居眠りを決め込んだ原因の一つ。

動物たちの住まう楽園に、魔王が現れ、魔物に変貌させてしまった。それを取り返し、元の動物の楽園に戻そうとする。という世界観のゲームだ。魔物になってない動物もいるよ!

すごいイベントがあるみたいで、私もやってみようかな。みたいな感じで始めてみたわけだよ。

今はそれのキャラメイク画面だね。

眼の前には、『プレイヤーネーム』、『職業』、『種族』を選ぶ画面が表示されていた。


プレイヤーネームは『ミスト』。これは私の名前が霧島(きりしま)(かすみ)だから。簡単でしょ?

次に職業、これは取得できるスキルなどが変わるから慎重に選ばないと。

事前に決めた候補は3つ。遠距離アタッカーの『狩人』。これは弓か銃撃を使う物理攻撃のアタッカーで、罠も設置できる結構良い職業。次に『剣士』。言わずもがなの近距離アタッカー。バランスが良くて、最初に仲間にするモンスターによっては超強力になる。最後は『魔導師』。このゲームの魔法枠、『魔導』をメインにしたオールラウンダーで、人気の職業。

悩んだ末に、私は『魔導師』を選んだ。やったね。

『魔導師』は回復もバフも行えるから、パーティーに一人はほしいんだよね。


『続いて、種族を設定してください。』


再び画面が開かれる。表示されたのは『人間』、『獣人族』、『龍人族』、『エルフ』、『ドワーフ』などの種族一覧だった。種族はレベルアップのときのステータス上昇の数値が違うし、種族スキルってのもある。

選択したのは『エルフ』。『魔導師』との相性が良いからこれは迷わなかった。

その後も悩んで考えまくってなかなかいいキャラができたと思う。



そうして私のキャラが完成した。

新年初更新は新作です!


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― 新着の感想 ―
会話や地の文のノリツッコミがテンポ良くて気持ちいいです。 この先も楽しみ。 (*´ω`*)
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