第5話 冒険者との出会い
この話でギルドの話を書こうと思ったら、思ってた以上に長くなったので、ギルドには次回行きます。
「あのー、夕食の時間なので呼びにきたんですが…」
「え、うそ。もうそんな時間?」
「はい、下の食堂で食べられるので、用意が出来たら来てください」
そう言って、彼女は、下へ降りて行った。わたしも服装を整えてから、下へ降りていく。
あれ、そういえば食堂ってどこにあるんだろう。聞いてなかったな。1階のフロント辺りを見てみると、『食堂』と書かれた看板が掛けられているのが目に入った。多分ここだろう。
中に入ると、思っていたよりも広い部屋にたくさんのイスとテーブルがあり、まさに食堂といったような見た目をしていた。私がどうやって注文するのか考えていると、
「そこの嬢ちゃん、ここを使うのは初めてか?」
「あ、はい。そうです。でも、どうやって注文するのかなって」
「そうか、なら、俺が食ってたやつと同じでいいか?」
その男の人が自分のテーブルにのっている食べ物を指さす。そこには、あっちの世界でいうところの、ハンバーグのようなものがあった。
「はい、いいです」
「分かった。おーーーい、ここの嬢ちゃんにも俺と同じものを1つー!」
男の人がそういって奥の厨房らしき場所に向かって叫ぶ。すると中から、あいよー!という声が聞こえた。
「これで、少ししたらこれが運ばれてくると思うぜ」
「あ、ありがとうございます」
「いや、これくらいどうってことは無いからべつに礼はいらねぇぜ。それより、俺はルーカスだ。この街で冒険者をしている。嬢ちゃんは?見たところ、こんなところに泊まるようなやつには見えねえけど」
「私は、モミジって言います。この街には、冒険者ギルドに登録しに来た感じです」
「嬢ちゃんが冒険者か?だったら、一つ教えておきたい事がある。ギルドに登録しに行く時は、昼頃、そうだな、具体的には10時頃に行った方がいいと思うぜ。特に、朝っぱらと夕方はあまり行かない方が嬢ちゃんの身のためだ」
「何でですか?」
「朝と夕方は、冒険者が沢山集まる。その中には、嬢ちゃんみたいな女子が冒険者になることをあまりよく思わないやつもいる。そして、大体そういう輩は絡んできて、最終的にはギルドから追い出している。だから、そういう輩がいない昼頃に行った方がいいってわけだ」
「なるほど。ありがとうございます」
「いいってことよ。あと、万が一そういう輩に襲われたら、俺の名前を出せばいい。俺は、こう見えてランクAだからな」
ルーカスさんと話していると、料理が運ばれてきた。私は早速食べ始める。めっちゃ美味しい。そりゃ、ここに来るまでに食べたものに比べりゃ全部美味しく感じるだろう。
少し経って、私が食べ終わると、
「それじゃ、嬢ちゃんはそろそろ部屋に戻ってな。皿は俺が片付けておくから」
「ありがとうございます」
私はルーカスさんにお礼を言って、食堂を後にする。
部屋に戻って、私はなんとなく鏡を見てみる。
秋山 紅葉 能力:目の色を変える SP:200(+200)
なんかSPが上がってる。+200ってのは多分ミスリルの剣の分だろうな。だとすると、SPってのは、戦闘の強さを表しているのかな。それなら、上がっていることにも説明がつく。ここに来るまで結構な量の魔物を倒したからだろう。とにかく、今日はもう疲れたから寝よう。