第4話 宿屋
第3話の最後を少しだけ変えましたので、先にそちらの方から読んでください。あと、更新頻度ですが、しばらくは基本的に土日更新でやっていきたいと思います。
「大分日も暮れてきたし、そろそろ私帰るね」
私が帰る支度を始めると、カノンちゃんが、
「あ、ちょっと待ってください。モミジさんってこの街に来るのって初めてですよね?」
「うん、そうだけど」
「だったら、これを持って行ってください」
そう言って渡されたのは、この街の地図のようなものだった。
「あと、宿屋に泊まるならここから真っすぐいって右に曲がったところに評判のいい宿屋があるんです。そこなら、ここから近いですし、いいと思うんですけど」
「ありがとう!真っすぐいって右ね。それじゃ、私そこに泊まることにするから、また明日ね」
「はい、また明日会いましょう、モミジさん」
私は2人の家を出ると、紹介された宿屋に向かって歩き出す。
すぐにその宿屋に着き、カウンターで受付をする。受付のカウンターにいたのは、私と同じ位の年の女の子だった。もう働いているなんてえらいなあ。いや、もしかしたらこっちじゃ働いているのが普通なのかな。
「あのー、お一人様、ですか?」
「あ、はい。一人ですけど、部屋空いてますか?」
「空いてますけど、本当に一人なんですね?」
「そうですけど、何か都合が悪かったりしますか?」
「あ、いや、ただ、あなたのような人が一人で来るのが、珍しかったので、つい聞き返してしまって」
「いいよ、気にしてないから。それで、1日分の値段っていくら?」
「朝食と夕食付きだと銀貨4枚、無しだと銀貨2枚です」
「じゃあ、朝食と夕食付きで」
私は言いながら銀貨4枚を渡す。
「はい、確かに受け取りました。それじゃ、これが鍵なので無くさないようにお願いします」
私に渡されたのは、何かが刻まれている板の様なものだった。
「私、村から来ていて、これの使い方が分からないんですけど、教えてくれますか?」
「はい、この魔道具は、ドアノブの上にかざすことで、鍵を開け閉めすることができるというものです」
へぇ~。めっちゃ便利だな。
「それじゃ、部屋の方に案内するので」
そう言ってカウンターから出て奥にある階段に向かって歩き出す。私も彼女の後ろをついていく。
「ここが、部屋になります」
私が通されたのは、2階の一番奥の部屋だった。
「それでは、夕食の時間になりましたらお呼びしますので、それまでごゆっくりしていてください」
私は早速中に入って見る。広さは、ビジネスホテルを少し広げたぐらいで、ベッドと机がおいてあった。私は迷わずベッドにダイブし、そのまま眠りについた。