第11話 緊急警報
私は夜中にサイレンの音で目が覚めた。
『緊急警報、スタンピードの兆候が見られました。予想開始時刻は2時半、2時半。冒険者の方々は直ちにギルドの方へ集合してください。繰り返します』
スタンピード?何だろう。何か分からないけどギルドに行った方が良いのは分かった。私は急いで普段着に着替えてギルドへ向かった。
「皆さん、よく集まってくれました。突然の事ですが、スタンピードの兆候が見られました。なので、これから皆さんには街の防衛に入ってもらいます」
ギルドに入ると、ラナさんがメガホンのようなものを使って話していた。私は、辺りを見回して、リーナさんを見つけた。
「リーナさん、スタンピードって何ですか?」
「モミジちゃん、知らないの?スタンピードっていうのは、簡単に言えば魔物の大規模な集団移動よ。そして、今回はその行先にここが入っちゃったって訳。あと、スタンピード中は魔物が狂暴化しているから、ゴブリンだって十分脅威になり得るわ」
「なるほど、それで、こっちに向かってくる魔物を倒すために集まったってことですね」
「それでは、今回の防衛についてですが、2つのグループに分かれて交代しながらやってもらうことになります。なので、今から分けていきたいと思います」
分けられた結果、私とリーナさんは一緒のグループになった。
「期待してるわね。モミジちゃん」
「は、はい!頑張ります!」
私たちは街の門に行き、ここで迎え撃つそうだ。戦わないグループは、門から少し離れた場所にある建物の中で待機するようだ。
私に当てられた部屋の中で、私は鏡を見ていた。
モミジ 能力:目の色を変える SP:780(+200)
ここ1ヶ月冒険者を続けていたからか、結構SPが上がっていた。魔物を倒すと増えるのかな。私がSPについて考えていた時だった。突然、物凄い爆発音が聞こえて来た。私は思わず耳を両手で塞いだ。手に持っていた鏡が落ちて割れる音がした。多分、門の方から聞こえて来たと思う。私は居ても立っても居られず、門の方へ走り出す。
「嘘……」
私はそこで見た光景に息を呑んだ。そこは、いわゆる地獄絵図というものだった。門は、跡形もなく壊れ、その周りには冒険者だったものが転がっていた。ただ、今の私に呆然としている時間はない。今も、壊れた門から魔物が入って来ているのだ。私は働かない頭を無理やり働かせ、魔物の対処を始める。
私1人では対処し切れなくなった頃、
「モミジちゃん、こんなところにいたの!部屋に行ったらいなかったから心配したのよ!」
リーナさんの声がした。
「モミジちゃん、ここから逃げるわよ!」
次に聞こえたのは、意外な声だった。逃げる?この街を置いて?そんなこと出来るわけがない。
「リーナさん、ここに私たち以外に人はいますか?」
「いえ、いないけれど…」
「そうですか、分かりました」
私は、誰もいないことをリーナさんに確認して、一気に魔法の出力を上げる。魔物が溶けるように倒れて行く。
少しして、魔物は跡形も無く消え去った。私が魔法の炎で死体ごと燃やしたからだ。ひと段落ついたと思ったその時だった。今までの魔物より何倍も大きい魔物がかろうじて残っていた門の外枠を破壊して姿を現す。私はその魔物を解析して、言葉を失った。
「オーク…キング…」
思っていた何倍も展開が早くなって困惑しています。




