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今日旅に出ます

作者: 音無 椛

2作品目です。自分の中で出来はいいので良かったら見て行ってください

私の名は灰谷詠「はいたにうた」17歳の高校2年生だ


北海道の真ん中の方の十勝に住んでいるただの何もして来なかった人間だ、ただ一つ高校生になって頑張ったことはバイトぐらいだ。遊ぶ相手もいなかったし特別な趣味やゲームなども興味はなかったが、ただ金だけはあった。


「あーあ、今日も暇だなー」夏休みの中パジャマのまま布団の上でゴロゴロしながらスマホを見ていた「11時50分か」

そうすると「あんた、もう起きな昼だよそんなことしてたら怠け者になって大人になった時大変だよ。いいから起きてご飯食べなさい」と母親からの声がした高校2年生の自分からしたら余計なお世話だった。重い身体を上げて階段を降りた、

 顔を洗い、1人でご飯を食べ、ボサボサの髪のままコンビニに出かけた

 「もう、これ半分ニートだなこれ、ははっ」

と独り言を言いながらコンビニへと入った「すずしーここは天国だー」と心の中で思った。毎日コンビニへ行っていたような気がするもちろん買うのは、その時の気分のお菓子と気になっていた漫画だ。その時ふっと目に入ったものがあったそれは、変哲もない旅行雑誌の一部だそこには

 あなたも一人旅新しいことややったことのないことをやってみよう

と書いてあった、元々興味はなかったがその時は何故だか

一人旅行きたいと思った。私はすぐにお母さんの所へ行き事情を話した、少し心配しそうな顔をしてたが「わかった、あんたがやりたいことを私はただ、見守るだけだわ」と了解を得た。そうとなったら明日出発だ、今日のうちに物や服の支度やお金をおろしたりしている時お父さんが帰ってきた、少し言いづらそうにしながら事情を話した最初ダメだと言われたがここで引き下がる自分ではなかった、

「お願いです。自分はこれからなにをやるか、どんな人になりたいのかをこの目で見に行きたいのです」と説得したがそれでもダメだったお母さんにダメだったことを伝えるとお母さんは

「明日何時出発?」と聞いてきた

 咄嗟に「明日の夜8時にフェリーで、と言った」

「わかった、夜の6時に車出すから準備してなさい、お父さんのことは私からなんとか言っておくから」

 私は、大きく頷いてこう言った「ありがとう」


 そしてその当日になったお父さんには、コンビニに行ってくると伝えた、お母さんには本当に感謝しなければならない。「行ってきます!」と言って手を振った。フェリーの汽笛が鳴りフェリーは出発した。

 まず目指すは仙台市だそれまで寝たり、食べたり風呂に入るなどをする。着くまで15時間ぐらいかかるらしい、

それまで、寝てるつもりだったが、なぜだか緊張して眠れないらしい。たまたまカップラーメンの自動販売機がありそれを見た私は物珍しく買ってしまった。自動販売機の横に長椅子があり、そこで食べている途中ガタイのいい青年のような男性もカップラーメンを買っていた。

「すいません、隣のよろしいでしょうか」

「あ、はいどうぞ」

少し間が空いた。勇気を出して話してみようと思った

「ガタイ、いいですね何かやってるんですか」

その男性は少しびっくりしながら「いえ、実は何もやってないんですよ。運動音痴で、見た目に会ってないんですよ」と笑いながら話していた。

色々話していると彼は藤原悠人「ふじわらゆうと」さん

 と言い26歳で出張を言われ不安と楽しみがあると言っていた、奥さんや子供もいるらしい、このガタイのせいで喧嘩を買われたり色んな人から近づかないようになど言われていたが、自分を変えてくれたのが悠人さんの奥さんと子供らしい悠人さんが言うには守りたい人がいるからどんな事を言われても気にしないらしい……カップラーメンを食べ終わると悠人さんは自分の部屋へ行ってしまった。

この話を聞いて自分も部屋に戻ると疲れて寝てしまった。


 目が覚めると10時だった、あと1時間で着くらしい

朝ごはんを食べると宮城県仙台市に着いた、フェリーを降りるとまず泊まるホテルに行った、私はケチだからできるだけ安く済むビジネスホテルを主に行く。

「よし、物を置いてと……」

 牛タンを食べに行くかと、牛タン専門店の老舗に行った初めてこんな大きく分厚い牛タンを初めて食べた。

「んーっん、おいしい」初めてご飯を食べた時に美味しいと声を出した、次に仙台城跡に行った坂道で歩くのが大変だったが仙台市の全体も見れて伊達政宗も見れた、そして

帰りは、ずんだ餅を食べてホテルに戻ってきてゆっくり寝た。

 目が覚めるとここはどこだ、と焦ったが仙台に来ていた事を忘れていた。朝ごはんにせり鍋を食べて、次は東京へ目指して進もうと思うが電車は1万以上するらしい、あまり経験した事ないヒッチハイクに挑戦してみた……2時間経ったが捕まらなかった、もうダメかと手を膝につけていた……すると肩をポンポンと叩かれ「よかったら、うちの車乗ります?」と言ったくれた

「え、いいんですかありがとうございます」

「私もちょうど東京に行こうと思っていたんですよ」


 こんな、ラッキーなことがあるのかと思っていた、乗せてくれた人は岩手県から来ていて名前は菊地若菜「きくちわかな」さんといい22歳で上京するための家を探しに飛行機で行こうとしたがお金がなく仕方なく車で行くことになったらしい。

「あのー、詠さんは最終目的はなんかあります?」

「それはどう言う…?」

「あ、すいません例えばどこかに行きたいとか、簡単に言えば夢のお話です」

「夢は………………」

「そーですか」

「詠さん、可愛いから女優さんとかになればいいのに」

「あのー、すいません若菜さん私男なんですけど」

「え、そうなのごめんなさい」

「いや、いいんです慣れてますから」

 若菜さん曰く元々すごく頭も悪く夜遊びをたくさんしていたらしく、ネイリストという夢を見つけて本気で勉強してこれから東京に上京するらしい。

 このような話をしているといつのまにか寝ていたらし「詩さん詩さん起きてください東京の目黒区に着きましたよ」

「んなーっ――えっ、着いたのしかも寝てたしすいません本当にすいません」

「いや、いいんですよ。ただし東京の人はどんな人がいるかわかりません。気をつけましょう」

(そんなにかしこまらなくてもいい気がするけど)

「わかりました。ついでにご飯とかどうですか。お昼近いですよね。奢りますよいや、奢らせてください」

「じゃあ、お言葉に甘えて」

そして、お互い行ったことも見たこともないようなオシャレなカフェに入った、というか初めて入った。

「なんか、緊張しますね」

「うん、そうね」

と、話した内容も忘れてしまったが、お互いスパゲッティ

を食べたのは覚えている。食べ終わってお会計を済ませると若菜さんはロボットのようにガチガチになって不動産屋さんに入って行った。

そのまま私は渋谷に行き初めてスクランブル交差点に行った、こんなに交差点に人が歩いてるのは初めて見た。

そこにはいろんな人がいた、スーツ姿で汗水流しながら走っている人や、外国人に話しかけられて困っている青年や何やら盛り上がっている同じ年齢ぐらいの人など男性女性関係なく楽しんでいた。

 ただ、いいことばかりではなくいきなり、ナンパなどされた

「お嬢さん、僕と遊ばない?」

「いや、すいません私、男なんで」と言った瞬間

「チッ、なんだよ男かよ気持ち悪りぃ」

 と罵声を浴びさせられた。

他にも謎のYouTuberのような人に話しかけられた。初めてYouTuberというものにあったがあまりいいものではなかった。

「そこのおねぇさんどこから来ました?」とカメラを当てられながら言ってきた。撮ってもいいですかも無しに。

「あ、北海道から来ました」そう言うと

「えっ、北海道ってちょー田舎じゃん」

 と馬鹿にされたのでそれを我慢してインタビューも無視してホテルに行った。「いやーさすが東京物価もホテルもなかなかいい値段をしていた……ぐぅぐぅ」色んな人を見ていたせいか自分も疲れてしまい夜ご飯を食べずに寝てしまったらしい。

「うーん」と腕を伸ばしながらパジャマすら着ないで寝ていたらしい。朝の10時に個人店の有名ピザ屋さんに行ったモーニングもやっているらしくそこの店長さんもお人好しな人で店長自ら話しかけてきてくれたそこの人は渡辺楽

「わたなべらく」さんと言いツーブロックで渋く30代に見えない若い人だ、楽さんは20歳に日本を出てフランスへ行き10年の修行を得てこのピザ屋さんの「フック」と言うお店を出したらしい。厳しい師匠へ怒られたりミスをしたりしたがピザの愛は変わらなかった逆にピザにこんなに情熱を持っている自分に驚いていたらしい。

「おれさ、元々不登校でくらーい人だったんだよ。でもたまたまピザを食べた時衝撃が走ったんだよ。自分でも作って、美味しいピザを共有してあげたいんだ」

「へーじゃあ夢は叶ったんじゃないですか」

「いや、まだ叶ってないよ……食べたことのない人に届いてないからね」

「カッコいい……」と無意識に言ってしまった。

「おいおい、褒めたって何もでねぇぞ」と笑いながらポテトをサービスしてくれた。

 夢に真っ直ぐ進む人を見て何か勇気をくれた気がした。

「ありがとうございます。また東京に来た時きます。」

「おう、いつでも来てやサービスするから」

 そう言いながら私はそのお店を後にした。

そして、私はスケッチブックに大阪と書いて東京のインターチェンジに8時間経って黒い軽自動車が止まった。

「おねぇさん、大阪まで行くけど乗って行かない」

「え、いいんですか。ありがとうございます」

その人は短髪でピアスが開いて銀色の髪色をしていてチャラそうな人だった。私より背が高くて、青年のような人だった。

「いやー、おねぇさんやっぱモテるでしょ。可愛いし」

「あ、ありがとうございます。でも、私男なんですよ」

ああ、また引かれるんだろうなと思っていた。

「へー、これまた珍しい僕とは真反対だ僕も実は女何だよね。あ、自己紹介がまだだったね僕は山本海「やまもとうみ」普通に海でいいよ」

「あ、私は灰谷詠と言います。初めて逆のパターンに会いました」

「ははっ、それは僕もだよでも、僕も君みたいに可愛くなりたかったな。僕元々男勝りなところがあってよく男性と間違われるんだよね小学生からずっと可愛くなりたかった。だけど高校生になるにつれて男の人のように背も大きくなってしまって……そのまま大学生になっちゃったんだ。んで今大学1年生の19歳」

「え、大学生なんですか大人びてて気づかなかった……

 でも、わたしは好きですよ。海さんのこと……」

「っ…………そんな事言われたの初めて」私は海さんが頬を赤らめていた。

「うっ、海さん前前、前に車が」

「え、わぁーーー!?」海さんがギリギリハンドルを切って何とか事故を避けた。

「ごっごめんなさい。僕ったらうっかり」

「い、いや私もすいません」

そこから沈黙が長く続いた。


「あっあのー海さんはなぜ大阪へ?」

「あー私?私はねやる事はやったのよ絵も描いたし歌も歌ったバイトも勉強も……ただまだやってない事がこの一人旅なのよ元々お母さんと喧嘩して家出したんだけど、まぁ

ついでに一人旅もできるしと思って始めたの車の免許をとってお金を貯めた。

ただ、今思えば――もっとはやくやってればよかったと思っているわ。色んな人とも会えたしあなたとも会えた

いっ、今のはそうゆう事じゃないから」

「あっ、はいわかりました」わたしはわかった事がある。


       私は、私は海さんが好きだ

 

話を聞くと海さんは神奈川県横浜市から来ており、大学生は夏休みが長く本当にやる事が無いためバイトで貯め一人旅を始めたらしい……とりあえず大阪に着くまで待とうと思ったが。この待ち時間がドキドキしてしまった。

「詩さん、眠かったら寝ていいんだよ」

「海さん、詩で大丈夫ですよ。」

「じゃあ、詩寝てもいいよ」

寝れるわけがなかった一目惚れした人の前で寝れるわけがなかった。ただ、体は正直でありいつのまにか寝てしまっていた。


「あれっ、ここは?あなたは」

「あんたなんか産まなきゃよかった」

 その時何かを忘れていた事を思い出した。

「うわぁ、はぁ、はぁ夢か」

「詩?大丈夫だいぶうなされていたけど」

「う、うん大丈夫」と言ったが涙が流れてきて耐えれなかった。

「え、詩どうした大丈夫話聞くよ」

「長なるけどいいですか?」

「うん、いいよたくさん話して」

「元々私はお母さんからDVを受けていてそれを見たお父さんが喧嘩してそのまま離婚したんです。もちろん私はお父さんの方へ着いていきました。そしてまたお父さんが結婚して新しいお母さんが来てその新しいお母さんが優しくて母親はこんなに優しいんだと言うのを実感しました。まだその時は小学4年生だったので小学校を卒業するまで夢にまで出てきてトラウマだったんですけど中学生になってからは友達もできて夢には出てこなくなったんです。ただ、その友達は長谷川君って言ってその子もDVを受けて……っ」私は泣きひきつりながら喋った。

海さんはサービスエリアで止めて、手を広げて言った。

「来な、抱きしめてあげる」

「うっ、うわぁー」そう言い涙を流しながら私は海さんのところへ体を寄せて背中をさすりながらこう言った。

「よしよし、よく頑張ったね。詩、君が一番頑張っているよ」自分の心臓の音が聞こえるほど心臓が鳴っていた。

私はそのまま赤ちゃんのように寝てしまった。

「あれ、ここはそっか車の中で私寝ちゃってたんだ海さんは……」海さんは私を1人にしないように大阪に着いても起こさないで私にブランケットを掛けて寝てしまっていたらしい。すると海さんも目を覚ました。

「んっ?詩、目覚めたんだ……じゃあご飯食べに行こっか。と言っても僕も初めてだからわかんないや」と笑いながら車をパーキングエリアに停めた。

「昨日はすいません。私食べ物や欲しいもの奢りますよ。ここまで送って貰ったんで。」そう言うと

「えっ、いいの僕甘えないけど」

「ええ、全然大丈夫ですよ。」

そう言って大阪市内に入って行くと海さんはたこ焼き、串カツ、お好み焼き、豚まんそして焼きそばを食べ歩きをした「んーん、おいひーい」海さん口に頬張りながらたくさん食べていてそのままショッピングモールに行き服を買ったりゲームセンターに行きUFOキャッチャーを楽しんだがいくら大阪は安いと聞いていたが食べて遊んで買ってをしていると私の出費はどんどん膨れ上がって行き最終的には4万円を超えた。だが、今日は4万円以上の価値があると私は思う。

 そして、夜になり海さんに連れられ居酒屋に行った。

「すいませーん、生一つとオレンジジュースひとつとおでん二つ」

と言った

「う、海さんまだ19歳ですよね。お酒飲んじゃダメですよ」

「実は、今日私の誕生日なの」と海さんの保健所を見せられた

「びっくりしましたよ。先言ってくださいよ」

「ごめんねー」と笑いながら喋っていると

「お待たせしました、おでん二つとビールとオレンジジュースね」

「おっ、きたきた初めてのお酒かんぱーい」

「か、かんぱーい」そう言って海さんはゴクゴクビールを飲み始めた。

「ど、どうですか?」

「うん、まずい。私無理」

笑いながら聞いていたが初めて海さんから私と言う所を聞いた気がする。

「あっ、誕生日プレゼント渡してませんよね」

「あーいいのいいのじゃあさここ奢ってよ」

 結局そうなり私は今日で5万以上飛んでしまった。

「海さん飲み過ぎですよ」

「あはははーオロロロロロロ」

「ちょっと大丈夫ですか?」

「うん、大丈夫だいじょオロロロロロロ」

と、なりながらも何とかホテルに着いたが、部屋がひとつしかなく、しかもダブルベット一つしかないと言う事態だ「私はいいよー、詩と寝れるし」

「私が困るんです」

「いいじゃん、てことでお願いしまーす」

と強行突破されてしまいそのまま布団に入ってしまった。

そして今私は海さんに抱きしめられながら寝ている。

もちろん私は寝れる事なく結局3時間ぐらいしか寝れず

目が覚めると海さんはいつのまにか一人でお風呂に行っていた。私も後をつくようにお風呂に行き、何とかギリギリチェックアウトをすんだ。

私たちはそのまま海さんの車に乗り大阪の北方面を目指し車を走らせた。

「うーん、頭が痛い」

「大丈夫ですか?二日酔いですか?」

「うん、多分ね。でも今日は私の大好きな絵を見に美術館へ行くんだ」と目をキラキラさせながらハンドルを握ってアクセルを強く踏み出した。

「よし着いたよ。ここに来てみたかったんだー」

と、さっきまで二日酔いとは思えないぐらい元気になっていた。

そこの名前はプレディスィと言う美術館だ。

「私元々美術部でさ、見るのも描くのも好きなんだよね」

「私も好きですよ。絵は」

そう言いながらその美術館へ向かって行った。

その美術館へ入ると人が五十人ほどいてなかなか見れなかった。だが数十分経つと十人ほどになって、絵を見ながら座れる長椅子があった。私たちはそこに座り休憩がてら絵を堪能した。

「僕ねこうゆう絵好きなんだ」そこには色んな人がいる中二人の手には赤い糸が繋がっている絵だ。

「これは?」

「僕もわからないけど、意外と大切な人は近くにいるって事だと思う。ははっ、わかんないや」

「海さん。私……」

「すいません。もうすぐ午前の部が終わるんですけど」

後ろからそのような声が聞こえて私たちは急いで美術館を出た。

「詩、次どこに行きたい?」

「わ、私ですか?水族館に行ってみたい。」

「おっ、いいねじゃあレッツゴー」

 そうして30分車を走らせたそこは大阪で有名な水族館

ラメールという水族館に着いた。

「すごい大きい水族館ですね。初めて水族館に来ました」

「え、初めて来たの?よしこの僕が案内してあげる」

そう言ったが私たちはこの水族館に初めて来た。

「見てください、海さんジンベエザメがいますよ。大きい。タコもあっちにはアザラシがいる」

「詩は大はしゃぎだな」

そう言って1時間騒ぎっぱなしだった。

「おっ、詩ドクターフィッシュやってこうぜ」

「ドクターフィッシュ?」

「まあ、足を入れてみれよ」そう言われ足を入れてみた

「ひゃあ、なにこれ?」

「ははっ、やっぱり詩は反応が面白いな。にしても詩は足綺麗だな」

「ひどいよ、海さん褒めて許して貰おうってそうはいきません」

「詩、前から思ってたけど海でいいよ敬語もいらないよ」

「わっ、わかったよ。う、海」

少し頬を赤らめてこう言った。「なんか緊張するな……」

そう言って私たちは水族館のお土産コーナーへ行った

「ねぇ、見てペンギンのぬいぐるみ一緒に買おうよ」

「いいねそれ、買おう買おう」

そしてそのぬいぐるみを持って行ってペンギンと触れ合えるコーナーがあったのでそこにぬいぐるみを抱きしめながら行った。

「あっ、見てペンギンのぬいぐるみを仲間だと思って近いてるよ。」そうするとそのペンギンは、ぬいぐるみのペンギンを叩いていた。

「あーっ、ペン太ー!」

「ペン太って名前なんだ」

そして、水族館のご飯どころでご飯を食べた。

「お待たせしました。こちらハンバーガーになります。」

「わーい!ハンバーガーだー!」

「やっぱ詩って子供っぽいよね」

「なにー!海だって…」

「僕は大人だもん」

ハンバーガーを食べ終わり「じゃあ、次どこ行く?」

海がそう言うと私は「まって、私言わないといけないことがある。」

「ん?なに?」

「私、いや僕、海が好きだ。」

「私も好き。」

「じゃあ…」

「でも、ごめんなさい。貴方が20歳になって考えが変わらなかったら。いいよ」

「わかりました。」

「詩、敬語になってるよ…」

そこからの記憶はあまり無い。フラれた時のような気持ちに感じた。そしてそのまま車を出してくれて。そのまま広島県まで送ってくれた。車を走らせてくれている時まだ、心の中で何かモヤモヤしていながら

いつのまにか寝てしまっていた。

私は目を覚ますと海さんも目を覚ました。まるで初めて会った時と同じ気分だった。

「あの、昨日はすいませんでした。」

「あはっ、いいの。僕は嬉しかったよ。大人になるまで私待ってるからね。」

「は、はい……え、これってOKという事ですか。」

「え、そう言うことじゃないの?」 

「ありがとうござっ……あっ、また敬語が」

こうして私たちは、牡蠣とお好み焼きを食べて厳島神社を堪能した。もちろん私は上機嫌であり。海も上機嫌だった

そしてホテルに着き。海はこう言った

「よし、明日は福岡に…」

「ごめん、海明日は北海道に戻ろうかと思っているんだ。もうすぐで夏休みが終わっちゃうし家族にも……」

「そっか、じゃあ休んじゃえば」

「え、いいのかな?」私にはそんな判断はなかった。

「せっかくここまで来たんだから沖縄まで行こうよ」

わたしは少し考えた……「3日、3日間だけだよ」

「よし決まり、3日間で沖縄まで回るぞー!」

「え、沖縄までー!?」

「大丈夫、僕の計算に狂いはない」

と言い明日は早く出発するため私たちは早めに寝た。

「起きろー!福岡に行くぞー!」

「え、今何時ですか?」

「朝の四時だ」

「早すぎやしませんか?」

「うるさーい、早く準備をして行くぞ。」

そう言って私は急いで支度をし海の車に乗った。

「いやー楽しみだなー福岡はグルメ大国だからなー」

この人はご飯のことしか考えてないらしい。

「よし着いたよ。ラーメンもつ鍋明太子ー」そう言いながら歌っていた。

「あっ、見てください福岡タワーありますよ」

「ほんとだねー」この人は食べ物にしか興味がないらしい

「あっ、あれじゃない気になってたの天下無双」

天下無双というお店があったそこは10年間のうち福岡

ベスト10にずっと入っているほど有名なお店だ外では30人ぐらいが並んでいた。少し店長さんのガタイがでかくラグビー選手のような人だったが店長さんが案内をしてくれるらしい。

「次のお客様どうぞこちらへお座りください。今お水を持ってきます。」

見た目とやさしさに私たちは驚かされた。

「最初怖かったけど優しい人だね。今の人で言うとギャップ萌えって言うんだっけ。」海は最近の言葉などに弱いらしくたまに、はてなになってしまう事があるらしい。

そー言っているとラーメンが来た。さすが並んでいる人を待たせないように回転率が早い。

「詩、早く食べよ食べよ」

「うん、いっただっきまーす」

豚骨ラーメンのいい匂いがしてとても美味しく。とても安かった。

「詩、カラオケ行こ」

私は海の勢いに負けてカラオケに行った。

「私カラオケ初めて……行く人がいなかったから」

「え、初めてなの?せっかく詩って名前なんだから大丈夫だよ」

そう言いながら一緒にデュエットしながら歌を歌った。

「ねぇー僕の話を聞いてよ…………………愛してる」

「カラオケって楽しいね」

「詩、上手いじゃん」

「あ、ありがとう」

そして、数時間歌ったところで、私は聞きたい事があった

「ねぇ、本当に私で良かったの?海」

「うん、だって…………なんだもん」

「そっか、ありがとう」

電話が鳴った。「すいません、ご延長なされますか。」

「どうする詩?」

「わたしは大丈夫だよ」

「じゃあ、もうすぐでます。」

そう言い私たちはすぐさまカラオケボックスを出た。

「いやー、楽しかった」

「私も楽しかった」

そう言い車に乗り込んだ。「これからどうすんの」

「そのままフェリーで車も乗り込ませて沖縄に行く!」

あっ本当に沖縄まで行くんだと思った。

そのままフェリーに乗って八時間らしい。

「初めてフェリーに乗った」

「海はフェリー初めてなんだ。私は2回目」

「あ、カップラーメンある」

「食べる?」

「いや、ラーメン食べちゃったし」そう言いながら海は、部屋に入った。

「すごーい、ベットが二つある。また一緒に寝てあげようか?」と海はからかってきた。

「それは、海が強行突破で無理やり…」

「はいはい、そう言うとこも可愛いよ詩」

「もう、どっちがどっちかわからないよ」

そう言って私たちは寝てしまった。

「あれっ、ここは?」そこは暗闇の中に誰かがいたその人は私が中学生の頃DVを受けた長谷川くんだった。

「ねぇ、何で助けてくれなかったの?僕の顔の傷見たよね?」

「それは……でも助けようと…」

「口では何とでも言えるんだよ詩、じゃあね詩」

私は目が覚めて過呼吸になっていた。するとベットの横には海がいた。私のことを抱きしめながらこう言った。

「大丈夫大丈夫、僕は君を見捨てないよ」

「ああ、ありがと…………すぅすぅ」

誰かが僕を叩いてる。海だ隣のベットから枕を持ってきて私のことを叩いてくる。

「おきろー、詩ー」海も寝ぼけながら起こしてくれた。

私たちはそのままフェリーにあるお風呂に入った。

「よし、行くぞいざ未開の地へ」

「ただの沖縄だけどね」

フェリーから車を出すとさすが沖縄、とても暑かった。

北海道から来た私は少し厳しかった。

「いやー、暑いね今日は詩、行きたいところ決めていいよ」

「じゃあ、海に行きたい」

「海が好きだね」

「だって好きな人と同じ名前だから」私は照れながら言った。

「そっか、ありがとうね」海も少し照れて笑顔を私に見せて言ってくれた。

そして海に着いた、もちろん泳いだりビーチバレーなどをした。「次、どこ行く?」「水族館に行きたい。ダメかな?」

「ふーん、よっぽど私が好きなんだねぇー」

「うん!」

「君の思い伝わったよ。」

そういうと、嬉しかったのか車を飛ばした。

「とうちゃーく」

「行こ行こ早く行こー」私がこのとき一番はしゃいでいた

「みてーここにもジンベエザメがいるカニもエイもいるー

あ、イルカショーやってるよー行こー」私は水族館に来るといつも子供のようにはしゃいでしまうらしい。

「詩ーまってー」

私たちはそのままイルカショーを一番前の席で見ていた。そのせいか二人ともずぶ濡れになってしまった。

私たちはまだ予備の服があり助かった。彼女は私が買った服を着ていた。「海、とても似合ってるよ」

「ありがとう詩も可愛いよ」そうして、水族館を後にした「私ラフテー食べたい」と言った

「え、どんなの?」そう言うと私も食べたいと言ってくれた。

「じゃあ、食べに行こうか」そう言いながら着々と別れの時間が近づいてきた。

私はラフテーと沖縄そば、海ブドウを食べた。

彼女は、私と同じものと他にタコライス、ハンバーガー、ミミガーなどを食べた。

海は今日でお別れということで食べ物を奢ってくれた。

そして、お別れの時間となった。空港まで着いてきてくれてあるものを渡して来てくれた。

「これは?」

「ユキハナソウって言って花言葉は君にまた会いたい」

「素敵です。ありがとうございます。」私はなぜだか涙が出てきた。

「詩、これ私の連絡先」そう言って紙を渡された。

そうすると「北海道便まもなく出発です。」

「北海道に着いたら絶対に連絡するから」と手を振り

私は、急いで北海道便の飛行機へ乗った。


そして3年後私はある人に電話をかけた「もしもし、海さん?」

「もしもし、貴方は誰ですか?」

「貴方は……」

「海の母です」

「あ、私は海さんの……友達です」

「そうかい、彼女はいま病院だよ。横浜のね」

「え、海さんはどうしたんですか。」

「子宮ガンよ」

私は絶望をしたがすぐに支度をした。

「横浜のどこの病院ですか?」

「なに、貴方も来るのかい?来ないほうがいい絶対に」

「いや行きます。行かせてください。」

「しょうがないね、絶望しても知らないよ」

「横浜総合大学病院よ」

「わかりました。ありがとうございます。」

そして私は急いで北海道から横浜の便を取り急いで向かった。

海さんを見つけるため横浜総合大学病院を目指した。

意外と空港から遠い距離ではなかった。

「すっ、すいません海さん、山本海さんの病室はどこですか」

「海さんの病室は4階の403号室です。」

「わかりました。ありがとうございます。」

そう言い、階段で4回まで登り403号室に入った。

「海さん……」

海さんは3年前とは別人のように痩せ細ってしまい、髪の毛も抜け落ちてしまっていた。

「あ、久しぶり詩見てよ髪の毛抜けちゃってさ…」

私は彼女を抱きしめてこう言った。

「海さん、我慢しすぎ…辛かったら泣いていんだよ」

そう言うと海さんは「うわぁぁぁん」と言い私を強く抱きしめた。

「今度は、私が助ける番だよ」

すると、海さんのお母さんが来て海さんの状態を教えてくれた。海さんは子宮がんのステージ3であり抗がん剤や手術、放射線など全てやったらしい。それでも助かる確率は50%を切るらしい。しかもそれは明日らしい。

だけど、私が来たおかげで勇気をもらったらしい…

そして次の日になり海さんのお母さんと私で病室の長椅子で座って待っていた。

「家では海さんはどんな人なんですか?」

「ただの馬鹿娘だよ。何もやんないで、家出してったし大学も浪人もした親不孝ものだよ。」

「え、海さんは歌や勉強もバイトも頑張ってもうやる事が無くなって仕方なく…」

「違うよ、あいつは私や夫のお金を少しずつ取って行って、いなくなった泥棒猫だよ。」

「そんな、海さんはそんな人じゃない」

「あんた、海のことすきなんか?」

「えっ、ええはい」

「うちの馬鹿娘は家に帰ってきてずっと好きな人ができた言って、それはもう幸せ者、子供のようにはしゃいでた」

「そーなんですか…」

そして8時間の長い手術だった、手術中と書いてある赤いランプが消え扉からお医者さんが出てきた。

「無事、成功です。2ヶ月たって無事でしたら。無事退院です。」

 私たちはとてもホッとした。そして2日経つと海さんが目を覚ました。「海さん大丈夫ですか?」

「うん、でもまだ喋りたくない…」私はこんなに元気のない海さんを初めて見た。

そして1ヶ月経ち、海さんもしゃべれるぐらい元気になりこう言った。「海さん、あの時の事覚えていますよね。」

「え、何のこと?」

「えー、嘘でしょ」

「うそうそ、ちゃんと覚えてるよ」

「ですよね、改めて、海さん好きです。付き合ってください」

「はい、喜んで」


      数年後

「…………と言う事があったんですよ。楽さん」

「へー、運命的な出会するんだな、にしてもあんなに子供だった高校生がこんな大人になっちまって、なぁ海さん」

「楽さんポテトサービスは?」と笑いながら言った。

「しょうがねぇな、かっこいいお嬢ちゃん…ピザもサービスしとくぜ」

「いつも、ありがとうございます。私には?」

「お前はポテトだけだ、サービスしてるだけありがたいと思え」と少し笑った。

 今、俺たちは結婚して渡辺楽さんの経営してるフックと言うお店の常連として幸せに東京で暮らしている。


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