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1日目

注意:この話は作者の経験と独断と偏見と、ちょっとした誇張を含みます。あくまでも1人の患者の独白とお考え下さい



 さかのぼること十数年、高校生活を怠惰と楽観で棒に振った作者はちょっぴり裕福な家庭事情に寄りかかる形で浪人生活を始めていた。


 最初こそ仮面状真面目な風をよそおっていた作者は勉強にまい進する。それこそ知恵熱のような症状が出るくらい熱心なほどだった。


 だが急に、作者の中でぷつりと糸が切れた。その理由はいまでも分かっていない。少なくとも勉強のせいではなく、怠惰のせいでもなかった。


 作者は急に死ぬのが怖くなったのだ。


 死ぬ、なぜそう考えたのだろう。路上で死ぬ人はたくさんいるし、不慮の事故で死ぬ人もいる。自殺する人は年3万人いるし、それが財産上の理由を含むのもしっている。


 ではいかなる理由で作者は死ぬのが怖くなったのか。答えを今では何となく理解している。


 過程を省いて語ると、それは自分がこの世界に何の爪痕もつけずに死ぬのが非常に怖かったのだ。


 そんな哲学めいた悩みに気付くことなく、作者は引きこもってしまう。引きこもりと言っても期間は約2か月、それも別にコンビニ程度は行ける病的な物ではなく。ただただ食べる時とトイレに行く時と風呂に入る以外は、ベッドでうずくまっていたのだ。


 それでも作者は快復した。これも理由は知らない。おそらくそんな恐怖は喉元を過ぎ、頭上を越えてしまったのだろう。


 そして何とか大学に入った作者は、数年後の鬱の兆候などとは全く感じていなかった。もしくは全く関係なかったのかもしれない。


 大学に入った作者は成績こそ悪く、留年も体験したが年に一度気分が悪くなる以外は特に問題なかった。所謂劣等生とか、底辺とか言われる類の学生だっただろう。


 作者の学生生活は友達も少なく、今と比べれば話す機会も少なく、ボッチ生活をネットでまぎらわせていた。クラブに入るも長続きはせず、人との関係はネットくらいのものだった。


 そのネットの関係もサイトを転々と飛び回り、話しては消える。話しては消えるを繰り返していた。


 そうして数年、作者は間もなく大学を終えるべく実習なるものに手を付けていたことだった。


「手際が悪い」


「他の学生はもっとうまくできる」


「できるまで何度も繰り返せ」


 言葉や自分の被害妄想を含むそれらは、実習の盛隆時期の風邪と合わさり、作者の心中を押しつぶした。


 気づけば作者は下宿先で何も食べず、飲まず、悪夢を見る日々を繰り返し。日々の遊びも運動にも活気を見いだせず、それさえも苦痛に感じてベッドに引きこもってしまった。


 もう辛い気持ちしかない。死ぬしかない。


 そう考えていた作者を止めたのは、死にたくない、何かを残してから死にたい、という消えかけの灯に残った僅かな強欲くらいのものだった。


 そんな下宿生活は家族に助け出されるという形で終止符を打ち、作者は診察と治療に入ることになった。

暇なので過去の話を身バレしない程度に書いていきます

更新頻度は少なめだと思いますが、よろしく

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