第4話
そしておr、私は15歳となった。今はお爺さんとお婆さんと自給自足のスローライフを送っている。はずだったのだが、今俺は本来俺に介抱されているはずの爺さん婆さんに殺されかけている。
おかしいでしょ!なんで老い先短い老人があんな動きできるんだよ!
「ほらほら、打ち返してこんか!」
うるせぇ!黙ってろ剣聖爺!あんたレベルになると手加減が難しいんだよ!
彼の名前はゼウス、剣聖だ。そして今主人公を絶賛困らせ中である。
「ルナリア、大丈夫かい、危なかったらゆってよ。」
おい、ヘラ婆さん、そんなこと言うのならさっきからちょくちょく打ってくる極大魔法をやめろ、俺が傷物になるぞ。
彼女の名前はヘラ、魔道姫だ、遠距離戦闘も近距離戦闘も得意で気軽に最上位の極大魔法を打ってくる化け物だ。
「おじいちゃん、おばあちゃん!ちょっと待って、待ってって言ってるでしょう
【重力魔法:超重力×100】」
はーはっは!どうだ、この星の100倍の重力だ。隙ありぃ!そしてこんな時でも女言葉を使いこなす俺最高!
ブン
次の瞬間、主人公の頭に剣がが打ち込まれる。
あれ?動けないはずじゃあなかった・のか……
超重力をものともしないゼウスの剣に頭をうたれ主人公の意識は途切れる。
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「頭痛い。」
主人公が寝ている場所はゼウスたちと一緒に住んでいる家の寝室だ。ちなみに寝心地は悪い。
爺さん手加減という言葉を知らんかのかな。ちなみにお爺さんにそのことを聞いてみたら、「わが辞書に手加減という言葉はない」と開き直っていた。そのあとヘラ婆さんにスリッパではたかれているのを見て少し気分がよくなっていたのは内緒だ。
とりあえずリビングにいって、ご飯を食べよう。もうすぐ正午だ。
主人公は寝室から出てリビングに行った。そこではヘラがゼウスに関節技をを食らわせていた。だが俺を見るとすぐにおじいさんにとどめを刺し、俺に抱き着いてきた。
「大丈夫かい?どこか痛いところはないかい?」
「大丈夫だよヘラ婆さん。」
いつも通りの毎日、お爺さんが床で気絶し、お婆さんが肋骨が折れそうになるほどの腕力で俺に抱き着く、安心するな~ あ!腕の骨がおれた!
その夜、俺は部屋にこもって腕を直していた。
《次の日》
今日は俺の誕生日。そして記念すべき16歳の誕生日だ。この世界では基本的に16歳になると成人したとして親の元から離れるのが普通だ。それはもちろん、俺も例外ではない。よし、準備は終わっている。あとは爺さんとばあさんに挨拶するだけだ。
「お爺さん、お婆さん私行ってくるよ。今まで育ててくれてありがとう。行ってきます。」
「おう、行ってきな。」
「行ってらっしゃい、病気にだけは気を付けるんだよ。」
こうして、俺は歩き出す。俺のあの時の気持ちは忘れていない。俺はこの世界で理想を突き通す。たとえそれが、いろんな人を不幸にしても。
こうして怪物は旅に出る。中学生のおさない心のまま圧倒的な力を持った怪物は。彼をとどめていた人としての本能が一部失われ解き放たれた怪物は。