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短編集

コント オンライン診療

作者: 楠木 翡翠

医者……ボケ

患者……ツッコミ


※ 女性のところは【】で書いています。

患者「ん? ちょっと、熱っぽいなぁ……(額に手を当てながら)ちょっと熱でも測ってみようかな……まずは体温計を探さないと……」


 体温計を探し始める患者。

 それを探している仕草を数秒間続ける。


患者「あったあった。俺【私】の体温はどのくらいかな?(体温計をケースから出し、脇に挟む)」


 ピピッ♪ と音がなったため、脇から体温計を取ると37度2分。


患者「うっ……37度2分か……でも、今は新型コロナウイルスで外出も制限されているし、病院に行きたいけど、保健所に連絡するのは面倒だな。何かいい方法はないかな?」


 手持ちのスマートフォンで何かを調べ始める患者。

 背面のモニター画面にはとある病院のサイトが表示される。


患者「おっ、どれどれ……」


 そのサイトには『対面式のオンライン診療も受け付けています。お気軽にお問い合わせください。』と書かれている。


患者「対面式のオンライン診療? へぇーそういうものがあるんだ。でも、本当に()てくれるのかな……とりあえず電話をかけてみるか」


 患者は不安そうにスマートフォンで電話番号を入力し、電話をかけてみる。


医者「こんにちは。○○診療クリニックです!(男性だったら無理矢理の高い声を出す。女性だったら元気いっぱいに)」


患者「こんにちは。今日は対面式のオンライン診療ってやっていますか?」


医者「やっていますよー! ブラウザでこの病院のサイトを開きまして、『オンライン診療』のところをクリックしていただければ診察を受けることができますよ!」


患者「本当ですか! ありがとうございます!」


 患者は通話終了し、先ほどの病院のサイトを開く。


患者「ここをタップして……」


『オンライン診療』のところをタップする。(背面のモニター画面もタップされた様子を映し出される)


患者「これで先生の姿が現れるまで待てばいいんだな」


医者「デデン♪ デデン♪ デデーンデデーンデデーン♪(タブレット端末を足下から徐々に上げていく)」


 患者のスマートフォンの画面(背面のモニター画面)にふざけたリズムの音楽を口ずさみながら、医者の足下から徐々に姿が現れ、顔の位置で止まる。


医者「どうも、こんにちは」


患者「こんにちは……って、先生、なんという登場の仕方なんですか!?」


医者「僕【私】はオンライン診療をやる時はいつもこの登場の仕方だけど、何か問題でもある?」


患者「もう少しまともな登場することができないんですか!?」


医者「あれ? 他の患者さんはみんな笑ってくれるのにおかしいなぁ(少ししょんぼりした顔をしながら)」


患者「いや、そんなのはどうでもいいから! ところで、先生はコロナウイルスになっていませんか?」


医者「なってないよ。(首を横に振る)僕【私】は医者なんだから当然じゃないか【当然よ】。そんなくだらないことでオンライン診療を受けようとしたのかな?」


患者「あなたが医者だろうがどうとかは関係ないとは思いますが! さっき、おでこに触ったら熱っぽくて……」


医者「熱は測ったのかな?」


患者「はい。熱を測ったら、37度2分でした」


医者「他に症状は?」


患者「味覚や嗅覚は特にないし、咳とかの風邪症状はないです」


医者「……ふーん……」


 患者が医者に状況を説明しているにも関わらず、医者は画面越しで紙とペンで何かを書いている素振りを見せている。


患者「先生、何しているんですか?」


医者「何って君【あなた】の状態をメモしているだけだけど……(まだ何かを書いている)」


 沈黙する二人。


患者「あのー……まだですか?」


医者「終わったよ。ドーン!(紙には患者の顔が描かれていた)」


患者「なにしとるんじゃい! 何気に絵が上手いし!」


医者「患者さんから褒められた!(ドヤ顔で)」


患者「褒めてなんかない!」


医者「ちぇっ(拗ねたように)」


患者「なんだよ」


医者「なんか退屈だったしさ……」


患者「それでも医者か!?」

2020/08/15 本投稿

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