ねこがにゃあとないたから
SCP-Twitter×××-jp「ねこのSCPレストラン客専用アカウント」
オブジェクトクラス: Thaumiel
特別収容プロトコル:「Twitter」ブラウザ・アプリにおいて専用のIDとパスワードを与えてください。
パスワードは英数字混合の8文字以上とし、過度な繰り返しの文字列や単調すぎる文字列はセキリュティ的観点から許可が降りません。
またアカウント自体の閲覧は特に制限なく可能ですが、操作する場合はセキュリティクリアランス4/Twitter×××を持つ職員かつ上記のパスワードを解除できる者のみの権限とします。
概要:SCP-Twitter×××-jpは、インターネットブラウザ・スマートフォン専用アプリケーション「Twitter」に存在する特定アカウントです。
「ねこのSCPレストラン」(以下、ねこさん)を応援・サポートするためだけに誕生したと語るアカウントで、ねこさん以外をフォロー機能に該当する行為をとりません。
SCP-Twitter×××-jpはねこさんを非常に好意的に捉えており、ねこさんの言動の全てを愛しく感じる様子です。
以下は、SCP-Twitter×××-jpとネットワーク上での文章のやり取り(チャット)に成功したエージェント・⚫⚫⚫に聴取を行い判明した会話の一部です。
チャットログ:Twitter×××-1
エージェント「やあ!君はねこさんのファンかな?」
SCP-Twitter×××-jp(以下、ねこファン)「はじめまして!そうです、大ファンです!」
エージェント「それは素晴らしい、とても素敵じゃないか」
ねこファン「ありがとうございます」
エージェント「ところで、1つ聞きたいんだけれど……」
ねこファン「はい、なんでしょうか」
エージェント「どうしてそこまで彼女に惚れ込んだんだい?」
ねこファン「……(沈黙を意味する三点リーダの連続符号を送信)」
エージェント「彼女は本当に『彼女』なのかい?存在しているとおもうかい?君はどう思う?」
ねこファン「……にゃあ、と鳴いたから」
エージェント「良ければ続きを聞かせてくれないか?(なお、エージェントはこの文章を送るまでに慎重になるあまり様々な文面を考えてかなりの時間を消費したと後に語っています。)」
ねこファン「……彼女は、SCPという不思議な存在を取り扱うレストランを経営しているそうです。その地へ行ったことはありませんが、〇〇〇(一般的に民間で使用される動画投稿サイト)でその様子を投稿しています。
僕はそこで彼女を知りました。
彼女は不思議な存在、SCP……?達をとても愛しており、わかりやすく語ってくれるのでとても見応えのある動画を作っています。
……ある日僕は、彼女のTwitterアカウントを見つけました。
僕はそれほどTwitterに詳しくないのでアカウントをひとつしか持っていませんでした。ですが、初めて彼女を見てからどうも目が離せなくなり、彼女の為だけに存在する『自分』を望みました。そうしたらいつの間にか『自分』は存在していました。ですが、彼女を強く意識したのはその後の事でした。彼女は『ねこ』を名乗っていますが、丁寧な日本語で会話をするので、いわゆる『猫』のような鳴き声は発しません。ですが一度、見てしまったのです。他の……ファン……?でしょうか……。の方々から強く望まれて、呟いた彼女を」
ねこさん「……にゃあ。これでいいですか。」
ねこファン「僕たちには彼女の姿形は認識できませんが、そのつぶやきを見た瞬間、何故か鮮明に脳裏に浮かんだのです。顔を真っ赤に染め、そっぽを向き、しっぽをふらふらと揺らしながら照れている彼女の姿を……」
エージェント「……ああ、それで」
ねこファン「僕はそのたった一言、『にゃあ』と言う彼女の声に魅了され、彼女を心の底からサポートするための存在としていきています。
今日も彼女は気高く美しく可愛らしいのです。よろしくおねがいします」
以上
エージェント・〇〇〇は後に、「これほど強く、『自分の意思で』ミームに縛られている実体を見たことがない。これ以上は無意味で、無駄で、無粋であると判断します。」と報告をしており、彼の強い意志でSCP-Twitter×××-jpへの接触は今後控えることを決定し、現在の特別収容プロトコルが制定されました。
現在、SCP-Twitter×××-jpは自ら財団に協力を申請しており、収容状態にあります。
財団には「ねこのSCPレストランの活動の快適化、最適状態の維持の協力」を条件に収容されています。
なお、当初はオブジェクトクラスをEuclidに指定していましたが、現在、「SCP-040-jpの擬人体」を名乗る「ねこのSCPレストラン」の活動に応援という形で関わっていることから、現在のオブジェクトクラスに指定されました。