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妄想ノンフィクション2059年シリーズ上では2019年5月1日は同時多発集団自殺事件の日

作者: 佐野隆之

 妄想ノンフィクション、2059年シリーズとは拙著の作品群。『自滅支援事業』から始まり『親父のくせに』『つもるはなし、つまりよもやま』へと脇道にそれ、執筆が止まってから早3年もの月日が経っていました。

 そして気がつけば本当の2019年5月1日がやって来ます。元号がこの年のこの日に変わる予想は全くしていませんでしたが私からすると奇しくもこの日にそれが起きるのかと一人思いふけりました。


 妄想ノンフィクションとは自分の為に作り出したジャンル。作者自身が未来を妄想しその世界の現実を書き示したもの。それが妄想ノンフィクション。それを理由にすることで私は恥ずかし気もなく小説を書き続けられました。

 純粋に自分で創作した小説ですと言って執筆投稿する行為は私にとっては裸の写真を投稿しているの同意義なのです。だから自分で自分を騙して、つまり露骨な言い訳を作ることで書き進めてきました。


 しかし、年齢を重ねたからかは分からないが突如として冷静な私自身が現れ思考停止となり「やっぱりこれは自分の創作作品だ」と冷ややかな感情へと切り替わっていました。それからは頭の中ではすでに結果として見えている2059年シリーズの世界ですが文を書けばすぐに「これは嘘だ」としてすぐに消し、執筆する行為そのものが苦痛を感じ先に進めないでいました。


 それからもう3年。いよいよ西暦2019年となっていました。


 2019年5月1日と現段階では作品上で明示している箇所はありませんが『自滅支援事業 第2章「人生航路」 木下航路』の4節、6節の中に「2019年に起きた同時多発集団自殺」と出てきます。


 この世界の歴史上では2019年5月1日の正午ごろ。日本全国各地であってはならない集団自殺が起きてしまいます。その情景を記す作品を木下航路の視点で描きたいと思いつつも本編すら進んでいないので気持ちだけを胸に抱えたままその日がやって来ました。


 この世界の行く末の一端は決して明るく希望に満ちた社会、世界ではありません--


・自己尊厳死容認法……自らの意思で死を選択することを認める法律。そしてそれを実施できる施設が公共施設として存在。


・公式見合い結婚優遇措置制度……男女とも満30才になった際、婚姻者がいない場合はAIにより選抜された異性と見合いをするよう催促される。その見合いで結婚した夫婦はあらゆる優遇措置を受けられる。なお満33才で子供がいない場合は如何なる理由でも「子育て支援税」の納税義務が発生する。


・ID管理社会……従前の住基ネット、現在のマイナンバー制度が究極化したもの。あらゆる個人情報が紐付けされ完全一元管理。各個人または世帯ごとにデータ蓄積用サーバーを持たされそのサーバーを個人管理。各種電子マネーもこのサーバーで管理できる。しかしこの個人データのバックアップとして自治体クラウドでもミラー管理されるので実質は国が完全掌握している状態。


 そして2059年12月24日に起こる大規模なテロ事件。また2032年にはマグネチュード9を超える東海地震が発生しています。


       *  *  *


 私が『自滅支援事業』を書き始めた主たる動機は「もし自分で死ぬ選択を自由にできる社会になったら、どのように周りは変化し人々は活動していくのだろうか?」そこが出発点です。

 『自滅支援事業』の3章までは完結させ4章は中断。『親父のくせに』『つもるはなし、つまりよもやま』へとあらゆる立場と視点で書き記してきましたがその中で実際の社会、今私たちが生活している日本社会の動向を見ていると私の妄想世界もあながちではないと感じるようになりました。(正確には当時から日本社会が自己責任論がはばかり自殺者数が減っていないことへの憤りが根底にありました)

 そしてその思いが膨らみ続けついに現実の2019年5月1日を迎えることを受け、私は随分久方ぶりにこのような文を遺すことにしました。


 元々私は現政権のやり方に大きく不満があり全く信用しておらず支持していません。現政権の思考論理は(まさ)しく私が妄想した世界へ突き進む予感しかしないからです。

 一部の特権を持った者だけ、力を手に入れた者だけが生き残る弱肉強食社会(新自由主義)。それを突き詰めると不要な人間を振り分けようとする。排除しようとする。それをするめたの法整備。さらには憲法改正。

 私の妄想世界では憲法改正に対してはまだはっきり見えていないので分かりませんが、現政権が盛り込もうとしている緊急事態条項はどうも2059年に起こるテロを切っ掛けに入れ込んでくる気がしています。


 この時点で現在生きているリアル社会と妄想社会が入り交じった話をしていますが、私が2059年を舞台にした理由は半世紀後の社会はどうしてるか? を書き遺したい為でした。私の年齢ではまず死んでいなくなっていますが私より若い方々、特に10代20代の方々は健康に生きている可能性の方が高いわけです。だから若い方々には「どんな未来になっていると思いますか?」「将来はどんな世界であってほしいですか?」を問いかけるためにも執筆してきました。


 恐らく若い方々の目には留まらない書き方、内容なのでそれは難しいと思いつつも、これをきっかけに小説を読んで頂けたらなと願いを込め今までに無い随筆作品をここに遺していきます。


 たまたま本作品が目に留まりここまで読んで下さった方。誠にありがとうございました。もしまだ私の一連の拙著をお読みでないようでしたらぜひ目を通してみて下さい。

 軽い話は『つもるはなし、つまりよもやま~夏の巻~』です。私の中ではライトノベル扱いです。

 『自滅支援事業』は完全完結していませんので、2059年の世界の雰囲気を感じ取りやすいのは『親父のくせに』です。父と息子のドラマです。


 私事なのですが、近年仕事環境が大きく変わりさらに今月末には住み慣れた町を離れ、新天地にて全く未知の世界の職業へと身を置きます。これにより私自身への変化もあり得るだろうと思っています。そしてまた止まっていた筆も動き出す気がしています。もし拙著を読まれた方で続きを気にして頂けるようでしたらぜひともブックマークしていただけると大変嬉しいです。


 それではまた何処かで。

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