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二歩目。食事を奪った罪は重い!

まだ一話しか投稿してなかったのに読んでくださる方がいて感涙です。

これからは週一くらいで投稿しようと思います。

評価、感想等くださったら泣いて喜びます。

勢いで村を出てきたはいいが、ファイアは早速悩みを抱えていた。


「バブル。腹減ったんだけど…。」

「それは気の毒だね、でも僕も何も持ってないんだ」

「うそつけぇ!!たびたび口に運んでるそれは何だよ!」

「これのこと?見てわかんないの?そろそろ目にもガタが来た?」

「目にもってなんだよ!目にもって!他のところまで悪いみたいじゃねぇか!」

「え、違うの?」


当たり前のように言ったバブルにファイアが黙り込む。

この手の口げんかで勝てたことはない。よって論争を放棄。


「バブル、そのパンちょっとくれない?」

「仕方ないな、ちょっとだけだよ」

「サンキュ!ほんと助かった!」


受け取ったパンを口に放り込もうとしたとき、


地震が起きた。


「あああああああああああっっっっ!」

「あ、せっかくあげたのに」


ファイアは、パンを落とした。


文にすると一文で済むのだが、ファイアの中を走った地震は現実の何十倍だったとかどうとか…。

放心状態のファイアを心底可哀そうな瞳で見つめたバブルは、唐突にファイアを現実に引き戻した。


「ファイア、なんかきたよ。もしかして、地震の原因ってこれじゃないの?」


食べ物の恨みは怖い。

これは万国共通である。たとえ異世界であろうとも。

そしてこれはたくさんの人物に該当する。まして空腹時に食べ物を奪われたとあったら…。ほぼ100%の確率で該当すると言っていい。


「てめぇが原因かぁ!!」


当然。ファイアも例外ではなかった。

しかし、喧嘩を売るには相手が悪かった。


「ファイア、ちょっとドラゴン相手に喧嘩は分が悪すぎない?」

「そんなの知るかぁっ!喧嘩上等!かかって来い!俺の食事を奪った罪は重い!」

「わぁ!ファイアよく漢字で喧嘩上等っていえたね!平仮名で言ったらかっこ悪いもんね!」


バブルがナチュナルにひどいことを言っているのはこの際スルーだ、バブルの言動にいちいち突っ込んでいたらきりがない。

ところでさっきの会話でわかったろうが、ファイアが喧嘩を売ったのはドラゴンである。生身で勝てる相手ではないのは一目瞭然である。


「喧嘩なんて久しぶりだな。久しぶりの武器使用可だもね、楽しもうっと」

「久しぶりの共闘だ!パンの恨み!ここで晴らしてやる!!」


バブルが持ち出したのは銀色の銃。きれいめなバブルの外見にはしっくりきている。

ファイアが持ち出したのは赤と黒の長剣。左半分が黒い刃で右側が赤い刃だ。


ドラゴンが二人に気が付いたのはこのときだ。


何もドラゴンが言えないうちに、二人は走り出した。


左側に回り込み弾丸を一発二発と放つ。弾丸がはじかれドラゴンが無傷なのを見てバブルは小さく舌打ちした。


「ファイア!こいつ弾丸をはじくよ!」

「了解!じゃあ少し強めに行くか!」


中央に突っ込みながらファイアは叫ぶ。黒い刃目の前の草を薙ぎ払って道を空けつつ振りかぶる。もう少しで届くというところで後ろに吹っ飛ばされ、木に激突する。


「ってぇ…!このオレをふっ飛ばした罪、さっきのに上乗せしてやる!」


ドラゴンがファイアに向かって火を噴く。よける余裕もなく火に飲み込まれるファイア。


「戦いの間によそ見したこと、後悔させてあげるよ。」


背筋が凍るような微笑を浮かべてバブルは引き金を引いた。発射されたのは氷の弾丸。狙いが的確だったのか真っ直ぐ鱗の下の柔らかい部分にぶつかった。間髪をいれずにさらに一発、二発。さすがにこれはこたえたのか。苦しげな声を上げるドラゴン。それを楽しそうに見つめ、さらに引き金を引くバブル。氷の弾丸は真っ直ぐに飛び、ドラゴンに当たるはずだった。


「なんだ、もう復活か、つまんないの」


氷の弾丸は一瞬で蒸発した。ドラゴンさえもしのぐ圧倒的な炎によって。

炎を出していたのは、炎に飲み込まれたはずのファイアだった。


「このオレを炎で倒そうなんて百年早い!!」


そもそも炎でドラゴンを倒そうとしている無謀さについては、見ないことにする。


「ラスト!とどめだ!!」


言うなりファイアは赤い刃をドラゴンに向け大きく振った。

すると赤い刃からさっきの炎がでた。満足そうにもう一度大きく振る。炎はドラゴン意向かって飛び、ドラゴンを包んだ。再び苦しそうな声を上げて、ドラゴンは翼を広げて去っていった。


「てめぇ!パン返せーーーー!」

「よく考えればドラゴンを倒しても何の解決にもならないよね」

「バブル!お前それ絶対最初からわかってただろ!」

「え?ファイアはわからなかったの?さすが単細胞。すごーい」


ぱちぱちと拍手をするバブル。


「おいバブル。誉めるのかけなすのかどっちかにしろ!っていうか単細胞って絶対誉めてないだろ!」

「じゃ、行こうか。」


ファイアの言うことをあっさりスルーして、バブルは地面に落ちていた何かをポケットに滑り込ませた。


そのままスタスタ歩いていくバブルにあわててファイアが付いていく。


バブルは何故かご機嫌だった。

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