新たなるステージ
一人の少年は、
一人の男によって、世界を得た。
誰もいない世界
時間の無い世界
自由の世界
その世界で、少年は少女達と、◯に満ちた生活を送っていた。
戯れながら朝を迎え
戯れながら昼を遊び
戯れながら夜を迎える。
世界を得てから、1ヶ月
◯のままに、暮らして居た少年と少女達に
ある心の違いが生まれた。
正しくは、少年に。
少年にとって、毎日が悩む日々だった。
同じ事は飽き、新たな事を思案する。
新たな事と思っても、思い返せば過去に始めた事
新たな事を思案しても、それが過去に思案した事だったかも定かではない。
少年は、毎日焦った。
少年にとって、事象こそ全て
少女達と楽しい事象を起こしたい
毎日、少女達の笑顔を見る為に
「飽きる、飽きられるのが怖い」
その一心だった。
少女達にとって、毎日が悟る日々だった。
少年と戯れながら過ごす毎日
変わらぬその日常は、少女達に、「飽き」という言葉を忘れさせた。
少女達は、毎日落ち着いていた。
少女達にとって、事象はどうでもいい
ただ、少年の傍に居たい
それが自ずと、喜びになるのだから
「傍に居たい、離れるのが怖い」
その一心だった。
少女達は、
自分達の為に、毎日の笑顔の為に
遊び、事象を考えてくれる少年の気持ちが嬉しかった。
故に、何も言わなかった。
ある日、少年の考えた事象は、少女達にまさに◯を表現したものだった。
少女達は歓喜した。
しかし
少年は、歓喜しなかった。
また次があるからだ
どうせこれも飽きる、その前に次を考えなければ....
その世界に、少年の休みはなかった。
ある日、一人の男が世界に訪れた。
何年も前に初めて会った人物
久々の出会いに、少年少女達は歓喜した。
なんせ、この世界を作った張本人だ。
男は、少年少女達に一つずつプレゼントを渡した。
小さな黒い箱、重量感のあるプレゼントだった。
「少年の気持ちに応えて、新たなステージのプレゼントだ、そこには飽きなどない」
そう言い残し、男は消えた。
少年少女達が毎日を過ごす公園
そこで、もらったプレゼントを開けることにした。
少年は歓喜した。
新たなステージでは、飽きがない
思案することなく、少女達と◯に満ちた生活ができる。
少女達にはある心配があった。
新たなステージでは、飽きがない
少年が、私たちの笑顔のために思案することを止めるのではないかと。
しかし、新たなステージへの期待は同じ心を持っていた。
重量感のある箱に期待をこめ
全員で同じタイミングで箱を開けた。
中には、拳銃が入っていた。