2話 魔導学校【後編】
「――二つ目は、協調性を育むためだ。魔導師になれば集団戦闘も多くなる。その時に、隊のことを考えられない奴は役に立たん。そうならないためにも、少なくとも自分の相棒くらいは意識しろということだ」
強引に説明を終わらせた桐山先生は、続けてとんでもないことを言い出した。
「今日の日程はこれで終わりだが、君達には模擬戦をやってもらう」
「『――――――えっ!?』」
皆が皆“この巨人なに言ってやがんだ!”と言わんばかりに声をあげる。
(冗談抜きでなに言ってんだよ! 入学初日だろ!)
「安心しろ、なにも全員にやってもらう訳じゃない。――――七草、火野、お前逹だけだ」
「「………………何を安心しろと!?」」
俺と玲愛は同時に立ち上がった。
「まず――七草、お前が指名された理由はお前も解るはずだ」
俺は何を言ってるのかわからずに、玲愛の方を見る。
「…………わたしの魔力量が…………世界一だから」
「『――――ッ!』」
クラス中が息を飲んだ。
魔力量――それは魔法を放つためのエネルギーの総量だ。それが世界一ということはつまり、魔法だけで考えれば敵無しということだ。
実際はそうは行かないが、それくらい凄いことだ。
「次に――」
俺は先生に向き直る。
「火野、お前は――――――――なんとなく強そうだったからだ!」
「脳筋かよっ!」
(強そうだから戦えとか……どこの戦闘民族だよ!)
「嫌か?」
そう言いながら彼は、俺に向かって笑いかける。とても楽しそうに、まるで決闘士が相手を見るように、好戦的な光を……その眼に宿らせながら。
(なに言ってんだよこの人は……………………)
「…………嫌なわけ無いでしょう、世界一と戦えるんだから!」
「そう言ってくれると思ったよ」
先生は満足げに頷きながら――
「お前はどうだ、七草」
玲愛に問いかけた。
「わたしもやります」
「よし! 訓練場に移動するぞ」
こうして俺達は、入学初日に模擬戦をすることになった。
どうやら字数オーバーは僕の勘違いだったみたいです。(そりゃそうだ、どう考えたって70000字も打ってねぇだろ!)