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『ビール好き、阿鼻叫喚』

「あの、これ……本当にビールですか?」


 しっとりとした温泉街。

 夜の宴会場で、ピンク色の口紅をした仲居さんと僕は話をしていた。

 彼女の手にはビールジョッキ。

 その中には、大麦畑から刈り取って来たばかりの大麦そのものがぎっしりと詰め込まれていた。


「そうですそうです。ほら、この秋ビールの定義が変わったじゃないですか。麦芽50%以上ならビールなんですって。だから、麦芽のもとになる大麦を100%詰め込んでみたんですよ」


 出血大サービスですよ! とにっこりほほ笑む仲居さんに、僕はかける言葉も見つからなかった。

 ああ、確かにこの旅館を予約するときに、「ビール好きで集まって旅行に行くので、ビールにはこだわりたい」って言ったのは僕だ。幹事としての仕事を果たすべく、かなり強調した覚えもある。でも。


「これはビールじゃなくて、『ビール以前』だと思うんだけど……」


 言葉の定義を厳密に定める『定義庁』に、密かな怒りを抱いた夜だった。


――投稿:お酒は二十歳になってから オオキ(22才)

ニュース by Yahoo!ニュース『ビールの定義 麦芽50%以上に』

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