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魔眼の適応者  作者: akian
1章 適応者
2/3

2話 世界のゆくえ

説明回、短いです。

2017年を節目に世界は変わった。人口は減り続け、2023年の今現在は約半数にまでなり国が崩壊した。例えば対応の早さで北アメリカ大陸全土を占めることとなった《米加共和国》や、朝鮮などのアジア諸国を取り込んだと《中華帝国》など、かつての面影もない。その中で日本はというと、領土はそのままに、名を改め《大和皇国》とした。旧日本政府は異常事態に対処しきれず解体、そして治める者がいなくなったことで他国からの侵攻が危ぶまれた。その時名乗りをあげたのが、魔素の影響を全く受けなかった天皇家だ。その原因は不明だが、人々にはまるで神のように見えただろう。


この6年間で変わったことはそれだけではない。

魔素が発生し大気に魔素が満ちてから未知の生物が現れだした。この生物達はどれも、創作物のファンタジー世界の怪物に似た姿をしていた。スライムやゴブリンといったおなじみのモンスターはもちろん、天狗や妖狐など伝説上の生物の存在も確認されている。これらは凶暴なものがほとんどで、魔素により出現したとされる生物を総称して魔獣とし、人類の敵として討伐することとなっている。しかし銃火器などの通常兵器では魔獣を討伐することができない。全く効果がないのだ。最初は魔獣達の防御力の高さ故だと思い、途方に暮れていた。しかし魔素を纏った武具なら魔獣を倒すことができることが判明したことにより、大規模な討伐戦が行われ、生き残った人々の住む生活圏を確保することは達成された。


また、各地に様々な地下迷宮通称ダンジョンが発見された。まさにゲームの世界のような話だ。ダンジョンは地下深くまで続いており未だ最下層に到達した者はいない。ダンジョンに現れる魔獣は外界の魔獣とは違い、倒すと魔素となり消えていく。そしてまたリポップし、ダンジョンから魔獣がいなくなることはない。利点の無さそうなダンジョンだが、ダンジョン内の魔獣が落とすアイテムは価値の高い物も多く、さらには宝箱がランダム生成される。これによりダンジョン管理が重要視され、世界地下迷宮管理機構ギルドがこれらを管理することとなった。ギルドに登録し、ギルドカードさえ持っていれば、ランクに応じたダンジョンに入ることができる。ダンジョンで取得した物で売却したい物はギルドが買い取ってくれ、それらはギルドの商売に使われる、といった具合だ。


次に、魔素についてわかったことがある。魔素は普通の人間には毒であり、体内に一定量蓄積されると死に至る。今では魔素を防ぐアイテムや魔法が見つかったおかげで、魔素の影響を気にすることは少なくなった。しかしごく稀に、魔素を浴びたにもかかわらず死ぬことはなく、その上身体的な能力が向上した者が現れた。人々はその者たちを《適応者》と呼んだ。適応者は身体能力の高さだけでなく、超常的な力を発揮することができた。それが《魔法》である。これは体内の魔素を操ることで発現することがわかっているが、その仕組みなどはほとんどわかっていない。扱う適応者曰く、「感覚で魔法を使っている。こう、バァーンって感じ。」とのことなので、まだまだ体系的にまとめることは不可能のようだ。適応者の力は強大で、魔獣に対抗する手段としては最適だ。各国は適応者探しを最優先とし、適応者は強制的に戦場へと駆り出されていった。


適応者が増えていくにつれ、魔獣との戦いも落ち着きを見せていた。適応者はだいたい100人に1人の割合で存在し、中でも若者に多いことが判明している。大和皇国の総人口は約7000万、よって70万ほど適応者がいることになる。しかし15歳未満は戦力にならないため除外され、正式に登録されている適応者はわずか10万人程度となっていた。


魔獣との戦いが落ち着いたとはいえ、適応者という武器は多いに越したことはない。各国は適応者育成機関を設け、適応者の力を競い高めていった。

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