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~閑話 僕と魔王~

ちょっと時間があったから書いてみました

「あはは相変わらずフィーネ君の尻に敷かれてるねぇエイジ」


「もぉ師匠、そんなに笑わないでくださいよ」


「エイジが好き嫌いばっかりするからでしょ!」


「でもさぁリッコリもパピルも苦手なんだよ、しょうがないだろ」


宿屋に併設された食堂で食事を僕と師匠、それにフィーネが食事をしていた。

いつもの日常。


師匠が僕とフィーネが住む村に滞在して気難しいと言われているエルフだった彼と不思議に気があったこともあり弟子入りした頃だった。


その時は、まだ世界は魔王出現で混乱する前の平和な世界。


村から出て色々な場所を渡り歩いたり魔物との戦い方を覚えて危険は多かったが楽しい毎日を送っていた。


<カランカラン>


入り口の扉に備え付けられている鐘が鳴る。


宿屋に誰かが入ってくると自然に視線が、そちらの方を向いた。

そこには1人の女性が立っていた。


黒づくめの体のラインがハッキリと出る皮で出来たレオタードのような物を着て腰には漆黒の皮製ロングスカートを履き背中には、その細い体には似つかわしくない黒龍を現したような黒の大剣を背負っていた。


「こらエイジ」


「いててて」


その姿に見とれていると耳を思い切り引っ張られる僕が居たんだ。


「くすっ」


僕とフィーネの掛け合いを見ていたのか口元に手をあて可愛らしく少し笑う女性。


それが僕と魔王だった人との出会いだった。


□ □ □


「へぇ3人で旅をしているのね」


「えぇ、貴方は?」


「そうねぇ世界を旅しながら色々な物を見たりしてるかしら」


21歳だという彼女は静かな、儚げな顔をしている。


それにしてもロングの黒髪に、これぞお姫様カットと言うような整えられた髪型。

全身が皮製の服で着飾られており手にはめられたグローブまで見事に似合っていた。


(まさにクールビューティまさにタイプかもしれない)


そんなことを思ってるとフィーネの足が僕の足を踏みつける。


「うぎゃっ」


「エイジったら顔に出過ぎエロバカアホマヌケッ」


「ってぇな!この怪力女」


「なんですってぇぇぇぇぇええ」


「くすっとても仲が良いのね」


「そんなことありませんよ!!こいつ馬鹿ばっかりするんですよ、えっと」


「ジュリエッタよ、ジュリアで良いわ」


さっきから気になっているのは師匠が無表情でジュリアの顔を眺めているところだ。

いくら美人だからって視線を外さないように眼鏡ごしに見ている姿が、いつにもない姿だった。


「師匠、師匠いくらジュリアさんが美人だからって見過ぎだってば」


「あっいやスマナイ、申し訳ないジュリアさん。もし気に障ったなら謝ります」


「いいえ慣れてますから」


静かな笑みを向けるが何処か表情は無機質な人形のようにも見えてしまった。


僕たちと話終わり食事を済ますと彼女は寝室へと戻って行く。


「ぷはぁ何者だい彼女は」


「え?何がですか?」


「いや何でもないよエイジ」


師匠はジュリアが立ち去った後、顔からおびただしい量の冷や汗をかいていたことに僕は気付くのである。

ここまで読んでくださりありがとうございました

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