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11/13

~10~たまには、こーいうのも良いでしょ

ちょっと忙しくて、もうすわけないです

来週ぐらいまで忙しいので更新遅れますが書いてます

「さてと」


僕は今、冒険者のときの装備に整え向かう先はギザの領館。

いつもの領事としての仕事をクロフォードに勝手に任せて領土から消えた。


「ふんふんふん♪」


こんなときは決まって楽しい今日は潜入ミッションなのだ。

今日のミッションは何とギザの領館に忍び込み帰るフェン嬢に挨拶および買っておいたプレゼントをするため。


以前、うちの館に来て可愛いと称賛していた兎の茶碗、僕が作ったものだが大変気に入っていたようで、ずっと見ていた。

それを渡そうと思っていたのだ。


「よっと」


身辺警護の者も腕がたつし、その裏をかくのも楽しい。

隠匿の魔法をかけた上に師匠お手製の光学迷彩とも呼べる辺りの景色を映し出すマントで身を隠して侵入すると見たこともない装飾品が並ぶ廊下を歩く。


言わば完全偽装、僕の世界で言うならば『光学迷彩』である!


(ふふふ誰も気づかないだろう)


通り過ぎる従者やメイドは僕の姿には気付かないが、その先にはカザハナが立っている。


「誰だお前は」


(気付かれてないはずだぞ)


「誰だと言っている」


横一閃、彼女の持つ槍が僕のマントを切り裂き姿が丸見えになる。


「はぁ?何で見えるのさ」


「曲者ですか」


「それは、そうなんだけどさぁ完璧だったはずだけどサーチの魔法でも見つからないんだけどなぁ」


「自分から曲者と認めるのですか死んでください」


彼女の持つ、短槍たんそうは短くしなり振る速度や遠心力も重なると光が一瞬見えるだけである。


「これをかわしますか」


「どうしたの?カザハナ」


扉が開くとフェンが顔をだすと持っている花瓶が落ちていく。


「姫様、曲者です下がって・・」


「よっと綺麗な花瓶だな大丈夫か?フェン」


「どうしてエイジ様が、こちらに?」


口をパクパクさせながら何かを言っているのだがよく分からないぞ。


「少しイタズラが過ぎましたご容赦を、今日はコレを別れの前に渡そうと」


小さな声で彼女に囁くと姿が消えた。


「姫様っ大事はありませんか!?」


青ざめた顔で近づいてくるカザハナをよそに手で面白そうにクスクスと笑っている。


「大丈夫ですよカザハナ」


どうやって此処まで来れたのか自分に近づけたのかは分からなかったが手渡された贈り物に手紙が添えられていた。

エイジの優しさに改めて触れた気がする。


(あの方らしい)


本当に好きになって良かったとカザハナには悪いと思うけれどイタズラ好きの私の愛しい人。


□ □ □


「急に屋敷から居なくなってしまわれたので心配しましたぞ旦那様」


「すまんなクロフォード、大事な用向きで出ていた」


「無事だったから良かったものの何かあってからでは遅いのですぞ」


こんな調子で先程から一時間以上経過しているが彼の口は止まらない。


(レイナを撒いてしまったからな)


さすがに連れていくわけには行かないし正体をバラすわけにもいかんからなと大人しくクロフォードの小言に付き合っていた。


「おいクロフォード」


「お分かりになってくだされば良いのです。は?いかがしました?」


「他の領も復興が進んできたし最近、冒険者達の横暴な振るまいに辟易してきたのだが」


「そのことでしたら他の領でも問題になっているようですが」


「ここで1つ面白い余興をしたいと考えているのだがなクロフォード」


また何か企んでいるのですかと目で訴えてくる。


「何、お前達にも関係はあるさ」


クロフォードに内容を伝えると複雑な顔をしている。


「何か問題でもあるのか?」


「警備はどうするのですか、それに此処では狭すぎます」


「誰が、こんな小さな街でやると言ったのだ案を通すだけで、やるなら王都でやるのが筋だろう?」


興味はあるか?と聞くと彼の目は、しっかりと見定めているようだ。


「やるとしても資金の問題もあるしな、こちらで大半は用意するつもりだがミーシャが何と言うか」


クロフォードに言い付けミーシャを連れてくる。


「無理です」


「おいミーシャまだ何も言ってないんだが」


「嫌です」


「はぁ・・では、成功させるためには今から話す内容に何が必要か言ってくれ」


俺の案を大人しくメモを取りながら聞き終わると、こちらを向く。


「資金は十分ではないにしろ何とかなるでしょう」


「何が問題だ?」


「1つは国のためにはなるかもしれないが我が領には何一つ利益がないこと」


「ふむ」


「もう1つは、それで満足できなかった場合、もっと複雑な関係に冒険者協会と国がなる恐れがあります」


「もっともな意見だな」


まず1つ目の問題に関しては秘策があるとニアを呼び出す。


「これは?」


「せっかくなら大きな政として露店の指揮権をもらい収益を得る」


そして、これだと出したのは僕が指示して作らせたスイーツのプリンとシュークリームであり、この世界にはないものだ。


「美味しい」


「このデザートは安価に生産が可能で今現在作れるのは私とアナスタシアだけだ」


「新しいデザートですか、しかも付加価値が多い」


製法を知る物も少なく安価で手軽、しかも味は格段に美味しいとなると。


「ですが」


まぁ待てとミーシャに諭すと第二の問題である満足行く結果であるが神殿に居る剣聖の1人に出場してもらうことで参加者や国、それに冒険者を満足させるというわけだが。


「どう考えても無理ですけど、それさえ出来れば」


「というわけで少しの間、留守にするから頼んだよクロフォード」


「旦那様が不在で何か起きても私は責任をとれませんよ」


「構わん、お前とメイド達を信じているからな」


「では行くが1人で構わん」


「何をおっしゃってるのです神殿までは1週間ほどかかるのですよ無事でいられるわけが」


「ふんっここで死ぬようでは、たかが知れている」


すると僕は立ち上がると少しの荷物を持って支度をしているが、さっきから周りでメイドを何人かつけるだとかクロフォードが騒がしい。


「えぇいクロフォード、心配してくれるのは有難いが馬車を雇って行くのだ、もちろん商業馬車だから冒険者だって雇われているんだ」


「ですが」


「ニナ何の用だ」


手の平で頬を打たれると仮面にヒビが入る。


「りょ・・領主様は、いっ今死なれては困るんです!だからだから心配しているんです」


「はぁ大丈夫だと言っているだろうニナ放せと言っているだろうが」


「放しません護衛をつけてくださると言ってくれるまで」


ニナは大人しい女性で、いつも、こんな風に激昂したり取り乱したりするはずもない。


「泣くなニナ、美人が台無しだ分かった分かったからレイナを護衛につける、それで許せ」


すると簡単に拘束をといたニナから僕の体が離れて勢いがつき壁に激突する。


「やれやれクロフォードと良いニナと良い心配しすぎだぞレイナを此処へ」


レイナが来ると僕は一振りの剣を手渡す。


「これは私の友人が使っていた双剣で『ノワール』だ、これからもこれで私を守れ」


「はい」


この間までの顔の闇が晴れるようにレイナが嬉しそうな顔をしているが武器、それも強い武器が欲しかったのかと納得する。


多分、僕に負けたのが相当に悔しかったのだと今分かった。


(それで僕に勝てるとは言えないけれどフィーネの形見だから大事にしてくれよ)


僕の手にはフォルテムが使っていたブルークリスタルの槍を持っている。


「旦那様は武器を使えるので?」


「ふんっ使えるわけがないだろう何もないよりマシだ」


古びた布で槍を巻き付けていくと荷物と共にまとめる。


「金銭は不要なのですか?」


「ミーシャ、私は買収をしにいくわけではないのだぞ話し合いに行くのに金なぞ要らんだろう」


「ですが何もなく剣聖さま達が動くわけは」


「ふむ考えがある」


師匠を呼び出しアレクシーナに会いに行くために神殿に向かうと伝えてある。

クロフォードが用意してくれた神殿に行く商用馬車に乗り込むと隣には待っていたというように師匠も乗り合わせている。


「領主様を乗せるなんて光栄ですな何大丈夫ですよ腕利きの冒険者を雇っているので今まで危険な目に遭ったことはないですし」


「ふむ頼もしいな、それにしてもすまないな、あまり贅沢も出来ない身分なのでな」


「領地のために節制とは大変ですなぁ」


「あぁ情けない話だがな頼む」


がたがたと揺れながら馬車は走り出す。


「レイナこちらは私の友人のリンドベル様だ」


ぺこりとレイナがお辞儀をする。


「こんにちはレイナさん」


軽い感じで師匠が挨拶をするが無表情なままだ。


(レイナの良いところは人と関わることをしないってところだねぇ)


僕と師匠の関係も聞くこともなく淡々と時間が過ぎていき道中、獣や魔物達も順調に冒険者である彼らが倒していく。


「いやぁ大変でしたな、あんなに魔物が出ることなんて滅多にないんですけど」


「彼らのお陰で命拾いしました優秀ですね」


「そりゃー毎回、報酬は奮発しておりますからな働いてもらわねば困りますよ!あっはっは」


そうは言うものの幾つか不自然な点があるが彼らは時間や周りを気にかけているようにも見えるんだが。


日が暮れてくると進むのはやめてキャンプを張ると、その日は何事もなく朝がやってくるのである。


「準備はお済みですかな?領主様」


「あぁ今日も頼むよ」


任せてくださいと馬車の手綱をつかみ軽快に馬車は突き進んでいくが馬車の速度なんてたかが知れたもので人が歩くよりも少し速い程度である。


「旦那様」


「ん?どうかしたか」


レイナのサーチに何かかかったようだ普通の魔物とかって感じじゃないな。


「ひっひぇぇぇ」


目の前には3台ほどの幌がついた馬車が飛び出してくる。


「へっへっへ降りろ」


「何だアンタら」


「おっと動くなよ」


商人の後ろの冒険者の2人組が彼の首に刃をあてる。


「そこの領主様もだ、がっぽり儲かりそうだな今回は」


「あぁ、身代金をもらって後は魔物に始末させて後はトンズラこくだけだな今まで苦労したぜ」


何やら話しているのは分かるんだがアクビが出そうだ。


「えらく肝が据わってるけどなぁ命はないぜぇ」


「そうか」


「ここの領主様って顔に大火傷してるらしいからな、どんだけ醜いんだか」


爆笑している横で師匠も涼しい顔をしながら黙々と本を読み進めている。


「おい待てよ、こっちの兄さんはエルフだぜ高く売れるなこりゃひっひっひ」


「メイドも少し若すぎるが可愛がってやるぜぇ」


髪の毛を引っ張られているが、こちらに目くばせしてるだけで無表情すぎるだろレイナ。


「おいおい、ちったぁ泣き叫べよぉ無抵抗の女やったって面白くねぇんだよ」


「ひぃいぃっ」


さっきから商人は怖がっているばかりだ面白い。


「やめてくれないか、うちのメイドが傷だらけになるのは耐えられないからな」


「うひゃひゃひゃ笑わせるぜぇ、この領主様はよぅ。どんな立場に居るのか分かってないんじゃないか?」


「はぁ、やれやれレイナ、やっても良いぞ」


「かしこまりましたご主人様」


捕まえられた腕からするりと抜け出すと腰のダガーを抜く。


「この女ナメやがって、こっちが何人居ると思ってやがる」


確かに強いな、これが最近、村々を襲って略奪している野盗と関係があれば良いと思うが。

レイナ1人では危ないだろうがノワールを渡しているのだ負けるはずがない。


「この女、やべぇぞ」


ノワールについたアビリティは隠匿と移動速度が上がるという物であるが、それは微かな物ではない。

使う者が使えば違う。


「ぎゃあああっ」


「何処にいやがるクソッ」


見えない敵に翻弄されるように剣を振り回しているうちに商人を後ろへ下がらせると師匠と共に待っている。


「片付けました」


「生きてる者は?」


「全員、生きてますが」


「すまん質問を変える喋れる者は」


「1人」


「全員縛りつけた後、そいつを連れてこれるか?」


こくっと頷いてしばらくすると一人の男を連れてくる。


「何だテメェらは一体何者なんだぁぁ」


「ただの領主とメイドだが?それが何か?」


「ただのメイドが、こんなに強いわけねぇだろぉぉぉ」


「質問がある答えてくれれば命までは取らん」


男はだんまりを決めているが俺は槍を取り出し男につきつける。


「私は武器の扱いになれていないからな痛いぞ」


ドスッと鈍い音がして男のふくらはぎから血が流れる。


「こんなもので白状してくれると楽なんだがな」


まだ言わないようだが大した忠誠心だが次の一突きをしてみる。


「ぎゃぁあああ分かった分かったから、もう止めてくれ」


数千の野盗のこと、それを率いるのは元アブソール帝国の騎士だった者らしく相当の手練れと言っていた。


(数千か厄介だな)


それだけの者を統率出来るのならば、かなり厄介なことになるだろうが、そこはどうして荒くれ者達が簡単になびくとも思えないんだがなと少し考えると襲ってきた冒険者と野盗を置き去りにして神殿に向かう。


「良いんですか」


「何がだ」


「やつらですよ生きて帰したら、また来ますよ」


「だろうな帰る頃には街が無くなっているかもな」


「そんな平気そうな顔で」


「大丈夫だろう、あれが100や200ぐらいではアルメドは堕ちんよ」


そのために種をまいて育ててきたのだから。


「「ふふふふふふ」」


僕と師匠は不敵に笑い合っている。





ここまで読んでくださりありがとうございました

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