~9~ ドキドキしたい!
_(:3 」∠)_ぷぎゃ
「ほら私が欲しいんでしょう?」
娼婦のような恰好で妖艶にからみつく若い女、胸の谷間が見えるように男の腕に。
路地裏で抱きしめられながら抱く男に見られない口は裂けるように不気味に笑う。
微笑んでいるのではなく狂気に満ちた目と口だった。
「ほら、こんなところで焦っちゃダメだってば」
王国の一角にある繁華街、その路地裏深くに男と女は夜のとばりへと消えて行く。
□ □ □
「何か面白い話はないかいクロフォード」
川辺で遊んで魔物に襲われ、それを身事に撃退した僕が作った孤児院の子供達。
そんなことがあって彼らは一週間ほど前に旅立ってしまった。
旅だったと言ってもアルメド領の冒険者協会に寝泊まりしている彼らは『はじまりのダンジョン』と呼ばれるところで2層をクリアして3層に居るとされるダンジョンボス攻略を命じたのだった。
そして僕の弟子と言っても過言ではないフランツ少年にも良い勉強になると思い先日、彼らを引き合わせたのである。
コンコンッ
領主の屋敷である僕の家にフランツを呼んだのが一週間とちょっと前のことだった。
「入って良い」
「失礼します」
ガチガチに緊張している姿が手に取るように分かるフランツ少年が執務室に入って来る。
「あっあの、僕は何かしたのでしょうか?」
「何かしたのか?」
「いっいえ何もした覚えがないので」
素直な良い少年だと思ってはいたが、いつもは見せないような青ざめた顔に冷や汗をかいている姿を見て少し可哀想な気がしないでもない。
「お前は冒険者協会に所属しパーティも居ないと聞いたのだが」
「はい」
「そこで俺の紹介する子供とパーティを組んで欲しいと思って呼んだのだ」
「へっ?」
そこからは、とんとん拍子に紹介が済み今に至るわけなんだな。
一週間で3人が何処まで行けたのか気にはなるわけだが親馬鹿である僕はクロフォードに頼みメイドに様子見がてら潜ってもらっている。
アルメドにある『はじまりのダンジョン』の3層はダンジョンボスであるクリスタルゴーレムが守護している。
ダンジョンに居るボスは定期的に湧き出るのだけど他のモンスターと違い不定期なのである。
倒した次の日もあれば半年以上でないこともある。
それでもパーティでなければ困難な道であることには変わりない。
たまの休日、僕が行って確かめたときソイツは居た。
眠るように暗いダンジョン内にうずくまるように居たが確かに存在した。
(んま、あれぐらいクリアしてくれなくちゃ困るんだけど心配は心配だよな)
そんなことを考えているとクロフォードが口を開く。
「そうですね面白い話ですか、面白いかどうかは分かりませんが最近の王都は荒れている様子で要人が無残な姿で暗殺されることが多発されているようですね」
国の役人、貴族、それらに近しい者が惨殺され発見されているらしい。
「ほぅ、それは何か関係性があるのか?」
「そうですね新体制派も殺されていますし旧体制派も・・・その他は他国の方もですね」
「なるほど国家転覆でも狙っているのかもな」
「恐ろしいことですな」
これから何かが始まるような不謹慎ながらドキドキしてしまった。
ここまで読んでくださりありがとうございます
直しながら少しずつ書きます




