プロローグ第1話・金貸くん初めての法律相談へ行くことにする。
友達に貸したお金が返してもらえないってことはありませんか?
でも、友達故になかなか貸したお金の催促ってしずらいものですよね。催促してもなかなか返してもらえなかった経験はありませんか?
そんな時どうすればいいのでしょうか?友達だから?貸したお金が僅かだから?そんなことで友達との関係を崩したくないと思って、貸したお金を諦めますか?
でも、社会のルール―として貸したお金は法律に基づいて返してもらう。
人にお金あげるのと、人にお金を貸しているという事実は違うものなのです。
では、少しだけ謎のベールに包まれた法律の世界を垣間見ることにしましょう。
このストーリの主人公こと、金貸くんは友達の借主くんにお金を10万円貸しているが、なかなか返してもらえない。
金貸くんは頭の中で「どうしたら、あいつはお金を返してくれるのだろうか・・・?」などと、毎日々思い悩んでいた。
借主くんにお金貸してから、既に3年が過ぎているのに「貸したお金を返してくれ」と借主くんに言うと「今はお金がないから、給料が入ってから」とか「今度のボーナスが入ったら返すから」とか、いつも色んな理由を付けては返してくれない。
そして、給料やボーナスを貰うと「他のローンや家賃などで、使っちゃって、また今度お金が入ったら必ず返すから」と、またも白々しく借主くんは言うのだった。
金貸くんは「もう、あいつに貸してある10万円は諦めるしかないのかな・・・?」などと思っていた。
でも、元来からの負けず嫌いの金貸くんは「このままでは、泣き寝入りになってしまう・・・」と言う強い思いから、どうしても借主くんに一矢を報ってやりたかった。
ある日、金貸くんは散歩しながら何気なしに市役所の前を通り過ぎようと思っていたら、掲示板に『弁護士・司法書士による無料法律相談会受付中』と掲示されたポスターが眼に飛び込んだ。
しばらく呆然と立ち尽しながらそのポスターを眺めながめていると、色々な思いが金貸くんの頭の中で交差する。
「法律相談・・・?何だそれは・・・?」と逡巡にふけっていると、でも「無料ってことは、お金は要らないんだな!」ってことになり、ならば、と思い急いで市役所の受付カウンターに行って女性職員に「無料法律相談の件でお聞きしたいのですが?」と、訊ねてみる。
金貸くんは心の中で(市役所には、こんな美人なお姉さんたちがいるのか?これからは毎日市役所に来よう・・・)などと思いながら、無料法律相談案内の用紙の交付を受けつつ、美人なお姉さんの説明を受けていた。
美人なお姉さんは、「あちらの広報課の方でお申し込みください」と会釈で言うと、金貸くんは心の中で(こいつ、オイラに惚れやがったな、今の会釈は・・・)などと、くだらないことを思いながら広報課の方へ向かう。
金貸くんは非常に女に弱くって、惚れっぽい女にバカな性格の男なのだった。
そして、広報課で交付された「無料法律相談申込書」と記された用紙に氏名・住所・携帯番号・相談内容を記入して、またまた美人なお姉さんが会釈で対応してくれるのだった。
金貸くんの頭の中は(何でオレはカプセルホテルなんかで働いているんだ?市役所に入社するにはどうしたら良いんだろうか?オイラはこの娘らと一緒に働きたい・・・)などと、本当にくだらないことばかりを考える性格の持ち主なのであった。
そして、法律相談の日時を決めてもらい、会釈で「この日の〇時前に来てください。ご苦労さまでした」と、またしても美人なお姉さんに言われるもんだから、またまた(こいつもオイラに惚れやがったな・・・)何てことを思ったりしながら市役所を後にする、本当に女にバカな金貸くんなのである。
そんなこんなで、その無料法律相談の日がやって来た。
応対してくれたのが、何だか知らないが、非常に色香を漂わせるメガネ女史の司法書士だった。
つづく。
第2話予告
何とかこうとか、法律相談にこぎ付けた金貸くんだったが美人の司法書士を困らせてしまうことになり・・・
この小説は、フィクションですがコメディータッチで執筆することにより、法律は難しいという既成概念を崩すことにしました。
閉ざされた法律の世界を広く皆さんに知ってもらいたいとのメッセージを込めました。本文中に解説を挟み込むことで、法律に興味をもたれる読者が1人でも多くいれば著者の私としては、この上ない幸いです。
少しづつですが、この連載が完結していく過程をお楽しみください。