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異界の欠陥魔法師  作者: 木崎 咲
プロローグ
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プロローグ

初めまして、木崎 咲です。

小説初心者で、初投稿です。

拙い文章でしょうがよろしければ読んでください。

 「なぁ、これどう思う?」


 と、三神 大蛇(みかみ おろち)が言う。

 身長184cm、黒髪黒目で鋭い目付きをしている19歳の男で、黒のジャージ上下を着て、腰にはポーチを着けている。


「夢でしょ、ほらこう言うときはあれだよ、頬をつねればいいはず」


 と、三神 竜(みかみ りゅう)は目の前のことが信じられずに頬をつねっている。

 肩甲骨辺りまである黒髪に黒目で身長162cm。線が細く一見女性に見える男で、弟と色違いの格好で薄い青色のジャージ上下を着ている。大蛇と竜は双子の兄弟で、背が低い竜が兄である。足下には「神月流(しんげつりゅう)」と書かれた鞄が置かれている。

 2人の目の前には壊れた和式の一軒家、三神と入り口にある。


 天井に大きな穴があり、ほとんどの窓が割られ、障子や玄関は吹き飛んでいる。

 そして玄関の前には首輪に小さな鏡を着けている2mは軽く越えてそうな黒いトカゲ男?が少し口を開け、(おそらく)驚愕した表情でこちらを見て


「くっ、奴の仲間か!」

「「わぁお!トカゲがしゃべった!! 」」


 兄弟揃って驚愕する。意外と余裕がありそうだ。

 そんな2人めがけてトカゲ男?が一瞬で距離を詰める。狙われているのは非力そうな男、竜だ。

 固そうな黒い鱗に覆われた太い腕が竜に降り下ろされる。


 その腕に竜は軽く左手を添えて脇の下辺りを右手で掴み相手の勢いを利用し背負い投げのようなフォームで背後に投げる。

 勢いが強かったらしく10メートル以上先のT字路辺りまで飛んでいった。


「ヘビ、刀は?」

「・・・あ、しまった!!しばらく任せた竜兄(りゅうにぃ)!!」


 と、ヘビと呼ばれた弟の大蛇は顔を青くし、走って家の横、同じ敷地内の傷があまり無い道場に向かう。


(さすがに都合よく車は来ないか)


 跳ねられれば良かったのに、と思いながら竜は前方のT字路を見ると傷を負ったトカゲ男?が立ち上がっている。

 いや竜の投げのダメージは無い、もともとダメージを負っていたつまり、


「あなたは何者ですか?」


 と、背後から透き通るような声がして、とっさに右へ跳ぶ。攻撃はない。

 恥ずかしかったらしく顔が少し赤いが、すぐに状況を確認する。


 右前にはさっきの声の主であろう女性が竜とトカゲ男?を警戒している。左前にはさっき投げたトカゲ男?が竜と女性を、特に女性の方を警戒している。


 女性は、青い瞳に金髪で、先端部が縦ロールになっている。背が高い、170半ばほどありスタイルも良い美人で、綺麗なドレスのような鎧を着ているが、傷や返り血が付いており台無しである。左手首には小さな鏡のついたブレスレットを、右手には少し細めの片手剣が光っている。


 大蛇の姿はない。すでに道場に入っているようだ。


「あなたは何者ですか?どうして結界の中へ?」


 と、一瞬こちらを見たあと、剣をこちらへ視線はトカゲ男?に向け直しもう一度あらためて問われた竜は、


「そこの家の者です。結界ってなんですか?」


 と、こちらも右半身をを前へ左手は軽く引き脇の下辺りで手のひらを開いて、右手は軽く握り構えながら答える。


 (誰かこの状況を説明して。いつのまにかここがファンタジーの世界に・・・これ、明晰夢だよね)


 これが僕の願望?この年でまだ厨二病?と、ショックをうけながらも2人の動きに集中する。


「惚けるのですか?ここ一帯に張っている私の光魔法による結界です。範囲外の者に視認されず、範囲内の者には結界の外へ誘導する光を見せる人払い。魔力量の少ない人は抵抗できません。ここには魔力を使用した痕跡はありません。もう一度問います、あなたは、いえあなた達は何者ですか?」


「? いえ、ですから、ここの家の者です」

(魔法ーーーね、得意魔法は光。構えから剣も扱える。自分の手を喋っているところから訓練以外の対人戦は少な目。手数、スピード重視の魔法剣士ってところかな?魔法なんてものがあるなら...ね。

 しかし、何故にこの家に住んでることに疑問を持たれるんだろ?)


 竜は相手の言動、構えから相手の能力を予測する。疑問点もあったが後回しにする。

 女性はここで竜を見ようとし、


「っ!逃がすか!」


 それを隙と見てトカゲ男?が逃げだし、目の前に表れた光の矢に撃ち落とされる。

「わぁー、本物の魔法だ~」と言う竜の声は、地面に矢が刺さったときのバギッ、バゴンと言うコンクリートが砕ける音にかき消される。のんきな声をあげているが構えは解いていない。トカゲ男?がいた場所は土煙で見えなくなっている。


「やったか?」

「あ、それは・・・」


 女性はフラグをたて。それに答えるように土煙からトカゲ男?が飛び出す。













 竜めがけて、







「ちょ!?何故にこっち!?」


 言ったときにはすでにトカゲ男?は竜の目の前に。

 トカゲ男?は構えず竜の横から逃げるつもりだったが、竜は攻撃が来ると思い、トカゲ男?の腹に左手の掌底を、続けて鳩尾辺りに右の肘鉄を当て、さらに、その右の拳に左手を開いて叩きつけ内側へ衝撃を通す。掌底は勢いを削ぐ効果しかなかったが肘鉄はダメージが入ったようで少し顔を歪めている。


(固っ!左手痛いし、右の衝撃透し衝撃透らないし、というか主将騙しましたね!!何が「これが衝撃透しだよ~」ですか!)


「奴の仲間では無いようだな」

「奴って、彼女?初対面ですよ・・っと!」


 トカゲ男?の鋭い爪によるひっかきをバックステップで避ける。トカゲ男?は逃げるのを止め、こちらを狙って右足の回し蹴りを放つ。それを竜は相手の左側へ飛び、背後を取ろうとするが、トカゲ男?の尻尾が竜へと振られ、背後は取れたが距離を離される。


「どきなさい!」


 さらに背後では女性が剣を構えて、突っ込んでくるが、

 ガキィっ、と鞘に入ったままの刀で防がれる。


「ただいま」

「ナイスタイミング」


 大蛇と竜は互いの相手から目を離さずに言う。


「退いてください、このままでは彼が危険です!怪我ではすみませんよ!?」


 と、女性が竜を心配して言うが、


竜兄(りゅうにぃ)、わかってるな?」

「うん、もちろん」


 と、2人は相手を強く睨み付け、


「 「 2人供、家、直せ!!」」


 竜はトカゲ男?へ、大蛇は、女性へ突っ込む。


「へ?」

「・・・」


 女性は間抜けな声をだし、トカゲ男?は絶句している。

 が、トカゲ男?は反応し拳をくりだす。それを竜は最初と同じように拳に触れるように左手を添えて、右手は脇の下辺りを、今度は強く掴み、地面に叩きつける。

 このとき捻りを加え、背中からではなく、腕から地面に落とす。

 この技は中学生の時に編み出した技で、柔らかい高跳び用のマットの上からでさえ相手の骨にひびをいれてしまった危険行為であるが、当時は気に入り、「落下生(らっかせい)」と、技名を付けていた。もちろん、竜の黒歴史の1つである。


「グッ!」


 技を受けたトカゲ男?からうめき声と、バギン!!、という骨というより鉄骨が折れたような音がし、同時にパリンという鏡の割れる音がした。


(パリン?)


 見るとトカゲ男?の首輪から鏡が無くなっており、明らかにそこにはなかったはずの大きな鏡がトカゲ男?の下や周辺にバラバラになって落ちている。全部合わせるとトカゲ男?より大きそうだ。




 大蛇の方は竜よりも早く終わっていた。

 大蛇は、女性へ近づき右から左への水平切りを鞘に入ったままの刀で行い、女性は反応が遅れ、とっさに顔を庇おうと左手を上げる。その結果、左手首に当たりパリンと鏡が破壊される。


「あっ」


 変化は竜より大蛇の方が解り易かった。


 鏡は、パリンと割れた音がしたあとに、ひびが入った状態の大きな鏡へ変化し、音もなくバラバラに散らばっていった。


 反応はほぼ同時に起こった。

 2つの鏡が発光し、それぞれ竜とトカゲ男?、大蛇と女性を包みこみ。


「なにこれ!?」

「!?」

「くそっ!何が――――!?」

「くっ!」













 そこにはもう誰もいなかった。

ありがとうございました。

不定期更新になると思いますが、これからも宜しくお願いします。

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