=>D.O.G<=
(こんなものを投稿して)本当に、申し訳ない。
20XX年、世界は第三次世界大戦によりネオニューテトラの炎に包まれた。
凶悪な毒素を撒き散らし、致死的な被害を生物へと与えるこの物質がもたらした物。
それは第三次世界大戦の終結だけではなかった―――。
《こちらアルファ。ベータ、ガンマ、状況を報告しろ》
「こちらベータ、今のところ異常はない」
《こちらガンマ、同じく……いや、待て、何か様子が変だ……》
―――全ての生命を死へと追いやる悪魔の物質によって、生まれたモノ……。
《こちらアルファ。ガンマ、状況を詳しく報告しろ》
《……足音だ……! 足音が聞こえる! ああ、そんな! いやだ!》
《ガンマ、落ち着け。状況を詳しく報告しろ》
《奴らだ! 奴らがっ―――》
―――ソレは、遺伝子異常によって進化した“奴”ら……!
《ガンマ? ガンマ!》
「……ああ、マズい……」
《ベータ? どうした!》
「奴だ……」
足は4本、目は2つ、頬まで避けた大きな口に、発達した嗅覚。
非常に高度な知能を持つ肉食獣……!
「………… Shiba Inu ……」
“ 犬 ” 。
「うぉあああああ! モフモフするぅううううう!」
《ベータ? ベータあああああ!!》
《クソッ! クソッ! ハッ!? と、トイプードッ―――》
荒廃した世界で―――。
「メタ"モ"ル"フ"ォーゼ、それがあの犬達の持つ特殊能力さ、前線の人達はみんな“モフる”って言ってるね」
「どんな力なんだ?」
「人の遺伝子を無理やり犬に書き換えるんだ」
「なんだって!?」
生き残るのは―――。
「俺はプロジェクト・ハウスには反対だ!」
「どうして?」
「国をたっかい壁で覆ってどうなる!? そこから出られなくなるだけだ! まるで家畜だろ!」
「でも、古の時代には私達が犬にそうしていた。高慢さ故に」
「じゃあなんだ!? このクソッタレな現状は天罰だとでも言いたいのかよ!」
「あるいは、復讐なのかも」
「イカれてる!」
人間か―――。
「ハッハー! この重戦車なら犬なんて即座にミンチだぜー!」
「バカが、この戦車の装甲が厚いのはネオニューテトラを防ぐためだ」
「へ? でもモフりも防げるだろ?」
「貴様、座学中は寝ていたのか? こんな装甲、チワワですら貫通してくるぞ」
「……マジで?」
「そら! ブルドッグが来たぞ! 全速力で逃げろ!」
犬か―――!
「最終兵器?」
「ああ、その名も“剣猿”、装着者の意思にリンクし、動く究極の機動兵器だ。これに搭載される兵装なら犬のネオニューテトラ装甲を突破できる」
「……代償は?」
「動力源がネオニューテトラならば、撃ち出すモノもネオニューテトラだ」
「……知ってたよ」
争え―――!
「剣猿が実用化されればお終いだ! 今度こそ生活圏は無くなるぞ!」
「だがどうやって止める!? 事実、犬に対抗できそうなのはあの猿ターミネーターぐらいなものだ!」
「対抗手段はある」
「なんだって?」
「“リード”を見つけるの」
「リード……?」
争え―――!!
「俺の親は犬にモフられた、お前は?」
「私の親は……、……“犬”……」
「なに?」
「犬に、育てられた」
「大概イカレた女だと思ってたが、マジでぶっ壊れてるのか」
「信じなくてもいい、でも、自分のことは信じて」
「どういう意味だ?」
「あなたが世界を救うの」
現存する最後の一種になるまで―――!
「この装置は、“カラッカゼ・ウィンドウ・グーンマ”。古の時代、ニホンと呼ばれる、SS級犬、シバイヌの原産地となった魔の国に吹いていた、局地的な強風を再現するマシンだ」
「あの、教官? なんで自転車があるのですか?」
「お前達にはその強風に向かって真っ直ぐにチャリを漕いでもらうからだ」
「マジかよ……」
「真面目に取り組めよ貴様、一歩間違えれば死は免れない訓練なのだからな」
争い続けろ―――!!
「リードを上手く使いこなして!」
「上手くってどうやって!?」
「犬を飼いならすの!」
『イヌリアンvsサルデター』-フランクス・ドッグスと、『ヌコリックス』-ロバート・バード。
アニマリティホラーの巨匠がタッグを組んで送る、究極のアニマリティホラー作品!
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「…………あっ……、ああ……」
「見張り兵? どうした? 何が見える」
「た、大群……が……」
「なに?」
「ポメラニアンの大群です! 数は100……いや、もっと多い!!」
「なんだと!? 貸せ!」
「お、お終いだ……もうお終いだ……!」
「黙れ! とっとと住民に避難指示を出せ!」
「は、はい!」
「…………クソッ、まるで犬のカーペットだ……!」
近日公開!
プレゼントのお知らせ。
入場者全員に、喋るシバイヌホルダー(ベータメタモルフォーゼVer)プレゼント!
更に! 前売り券には光る剣猿ホルダー(レッドカラー)もついてくる!
連載する予定が1mmぐらいあるかもしれない作品の予告を映画予告風にしてみました。
正直言ってこの作品はこの予告で全て完結してる感が半端ないですが、(まず第一にありえないでしょうが)反響があればやるかもしれません。