仮に転生したとしても幸せになれる保証なんて無いよね?
この世に絶望してもう死にたいと思っていた時に、彼はやってきた。
姿かたちは思い出せない。たしか悪魔と名乗っていた。
彼は無制限に転生させてくれると言った。ただし、制限として1回の転生は7日まで、それ以上過ごすなら転生の権利は失うとも。
加えて代償として今の記憶を全て失うと言った。
俺はそれら要望を呑み、転生した。
1度目の転生は最悪だった。
親がアル中だった。
父は母を殴り、俺はただ震えていた。
2日で転生を決めた。
2度目の転生は最悪だった。
家が貧乏だった。
そのせいで学校ではひどくいじめられた。
家に帰っても両親は働いているため深夜まで帰ってこない。
4日で転生を決めた。
3回目の転生は最悪だった。
紛争地区だった。
学校もクソもない、ただ死というものに怯えていた。
母が死んだ7日目で転生した。
4回目からの記憶はない。忘れた。
ただどれも最悪だったのは覚えている。
だから何度も何度も転生した。
148回目の転生。
それは俺が望んでいたものだった。
幸せだった。なにもかもが幸せだった。
もう転生しないと決めた。
7年たった。
俺は悩みを抱えた。
それは言葉で表せるほど簡単なものでは無かった。死にたいとも思った。
2年後、それは自分を維持できないほどの悩みになった。
毎日死にたいと思いながら暮らしてた。
そして彼はやってきた。
「転生しませんか?」
俺は転生した。